すべての女性が輝く社会づくり

自分らしい住空間!マンションを共有で購入する際は、持ち分を意識したい自分らしい住空間!マンションを共有で購入する際は、持ち分を意識したい

安倍内閣が経済再生に向けて展開している「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「成長戦略」の「3本の矢」。3本目の矢である持続的な日本の経済成長につなげるための「成長戦略」の柱の一つが、「すべての女性が輝く社会づくり」だ。その政策には、「待機児童の解消」「職場復帰・再就職の支援」「女性役員・管理職の増加」などなど。国を挙げて働く女性、働きたい女性をサポートする。

マンション購入においての働く女性のポジションはどうかというと、シングル、ディンクス、ファミリーなどライフスタイルに関係なく、働いて稼いだお金が住宅資金を支える構図と言えるだろう。住宅ローンを利用する場合は返済が長期にわたるため、長期の安定収入の裏付けが安心材料となる。安定して稼ぐには働き続けることがポイントで、働き続けるには自分らしい働き方が大切であることは言うまでもない。ライフプラン、キャリアプラン、資金プランは一体のものであることを意識しておくと、大局的なプランニングができるのでおすすめしたい。

さて、働く女性がマンションを購入する際、親から資金援助を受けたり、配偶者と二人で住宅ローンを利用したりするケースがある。そんな場合に考えておきたいのがマンションの所有権の割合だ。住宅や住宅ローンの契約時などには「持ち分」という名称で登場する。今回は、働く女性へ向けて「持ち分」についてお伝えしたい。

「持ち分」の基本的な考え方

マンションを家族などとの共有で購入する際、「拠出した資金に応じた持ち分(所有権)を各自が取得する」ことが基本だ。3,000万円のマンションを共有で購入するケースを3つの例でみてみよう。

例1) 夫婦で住宅ローンを借入れる。
   借入額:夫1,500万円、妻1,500万円。
   持ち分⇒夫2分の1、妻2分の1

例2) 夫婦で資金を分担して購入する。
   住宅ローン借入額:夫2,000万円、頭金:妻1,000万円、
   持ち分⇒夫3分の2、妻3分の1

例3)父親から資金援助を受けて購入する。
   住宅ローン借入額:本人2,400万円、頭金:父親600万円、
   持ち分⇒本人5分の4、父親5分の1、

上記のとおり、各自が拠出した金額や借入れた金額に応じて持ち分を取得することとなる。なお、「持ち分」はマンションの登記簿に記載されることとなる。では、注意したい点をみておこう。

「持ち分」の注意点

先の例2)の場合、妻が1,000万円の頭金を拠出したにもかかわらず、持ち分の100%を夫が取得し登記したとしよう。この場合、税務上は妻から夫へ1,000万円の贈与があったとみなされ、贈与税の対象となる。1,000万円の頭金の内、妻が自分の口座から100万円だけ負担する、などというケースは少なくない。そのような場合、妻は3,000分の100の持ち分を持つこととなるのだ。

さらに、先の例3)の場合で、父親の援助が現金の贈与という形であれば、例えば妻の父親から妻へ600万円の贈与だったとすると持ち分は、夫5分の4、妻5分の1となる。妻は、父親から贈与された600万円を自分のお金として頭金に拠出することになるからだ。

先の例にはないが、住宅ローン3,000万円の全額を夫の名義で借りたとしよう。毎月の住宅ローン返済は家計から支払われるわけだが、共働きの場合もそうでない場合も、住宅ローンの安定返済は妻の内助の功があってこそ、という家庭も多い。では、内助の功を加味して妻が持ち分を取得できるかというと、これはできない。現金を拠出していない妻が持ち分を取得すると先の例と同じく贈与となる。税制は内助の功を認めないので留意したい。

住宅関連税制(すまい給付金)と持ち分

平成26年4月に消費税が5%から8%に引上げられたことをきっかけに、住宅ローン減税が拡大されたのはご存じのとおり。そして同時に「すまい給付金」の新制度がスタートしている。

「すまい給付金」は、消費税率引上げによる住宅購入者の負担を緩和するために創設された制度。同じく住宅購入者の負担を軽減するものに住宅ローン減税があるが、これは支払っている所得税等から控除する仕組みだ。それゆえ、収入が低いほど支払っている所得税が少なく負担軽減の効果が小さくなることは否めない。すまい給付金制度は、住宅ローン減税の拡充による負担軽減効果が十分に及ばない収入層に対して、住宅ローン減税とあわせて消費税率引上げによる負担の軽減をはかるために創設された。引上げ後の消費税率が適用される住宅を取得する場合は、引上げによる負担を軽減するために一定の条件のもと現金が給付される。自分にどれだけのメリットがあるかどうかの確認には、収入額と持ち分がポイントとなる。

すまい給付金制度の給付額

当制度は、新築住宅だけでなく中古住宅(売主が宅地建物取引業者の場合)も対象となる。住宅は自らが居住するもの、床面積50m2以上、住宅の品質や耐震性が確認できることなどの要件を満たすことが必要だ。また、収入額の上限や50歳以上などの条件が追加になるが、住宅ローンを利用せず現金で購入する場合も対象となる。給付を受けるには、給付申請書を作成し確認書類を添付して申請しなければならない。給付額の計算は以下のとおり。

 【給付額】=給付基礎額 × 登記上の持分割合

計算式にある「給付基礎額」は、収入額(都道府県民税の所得割額)に応じて決まる。収入額の目安が425万円以下は30万円、425万円超475万円以下で20万円、475万円超510万円以下で10万円となる(消費税率8%が適用される住宅を取得する場合)。これらの給付基礎額を登記上の持ち分割合を掛け算して給付額を求めることとなる。

【事例】
夫:年収500万円、持ち分5分の3(60%)
妻:年収400万円、持ち分5分の2(40%)

【計算例】
夫の給付額:10万円×60%=6万円
妻の給付額:30万円×40%=12万円

国土交通省の「すまい給付金」サイトでは給付額を試算することができるので、自分の場合を計算してほしい。
※すまい給付金/国土交通省
http://sumai-kyufu.jp/

●さいごに
マンション購入の際は、頭金は誰がいくら出すか、住宅ローンは一人で借りるか夫婦で借りるかなど、資金の負担先を優先して決めることとなるであろう。その際、資金負担は持ち分とイコールであることを意識して欲しい。すまい給付金などなど税制にも影響する。

さらに持ち分は、親との共有名義では相続の際(親の持ち分は誰が相続するのか)、夫婦の共有名義では離婚の時など、ライフイベントの際に影響してくることも付け加えておきたい。

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