お墓の平均価格は211万3,200円
お墓総合情報サイト「いいお墓」(鎌倉新書)が2014年3月に行った「第5回 お墓の消費者全国実態調査」によると、永代使用料と墓石価格の合計金額でもっとも多かったのは150万円以上200万円未満(29%)。全国平均は211万3,200円で、東日本は222万4,900円、西日本は200万1,500円となっている(資料提供:お墓総合情報サイト「いいお墓」)大変悲しいことだが人の命はいずれ尽きる。これは誰にとっても必定だ。そしてほとんどの場合はお墓に入る。
にもかかわらず皆さんはお墓のことをどれだけ知っているだろう。どのくらいの費用が必要なのか、どのような選択肢があるのかなど知りたいことは意外に多いのではないだろうか。
お墓総合情報サイト「いいお墓」(株式会社鎌倉新書)が2014年3月に行った「第5回 お墓の消費者全国実態調査」によると、購入したお墓価格(永代使用料+墓石価格)の全国平均は211万3,200円だった。けっして安くはない金額だ。また、購入後のお墓は子孫の続く限り未来永劫にわたって守り続けなければならない。
納得できる最期を迎えるため、そして子孫にできるだけ少ない負担でお墓を守ってもらうため、お墓に関する知識はあった方がいい。そこで同サイトを運営する鎌倉新書へ取材を行った。その内容をもとにお墓の基礎知識から最近の傾向までを解説したい。
お墓にはどのような選択肢があり、管理にはいくら位かかるのか?
お墓の主なタイプとその代表的なメリット・デメリットには次のようなものがある。
①公営
市町村などの自治体が運営・管理。実務は社団・財団法人に委託している場合もある。
メリット
行政機関が運営・管理する安心感がある。比較的安価。
デメリット
都心部を中心に人気が高く、抽選で十数倍ということもある。
②民営
宗教法人などから委託を受けて民間企業が運営・管理する。
メリット
母数が多いので、自宅から近いなど条件に合ったところが見つかりやすい。
デメリット
公営や寺院に比べ安心感を低く覚える人もいる
③寺院
寺院の敷地内において寺院(宗教法人など)自身が運営・管理する。
メリット
先祖代々お墓を任せてきた安心感。
デメリット
宗派が決まっているのでお墓の引っ越し(改葬)などが難しい場合がある。
お墓を購入する際に最初にかかる費用は、永代使用料と墓石代だ。この全国平均は前述の211万3,200円。さらに管理料として毎年数千円から1万円程度が必要となる。
永代といってもその土地は自分のものになるわけではなく借りるもの。そのため第三者への貸与や売買は不可で借金の担保にもならない。また、返還したとしても基本的には返金されない。
また、お墓と聞くと、四角柱の墓石が並ぶ様子を思い浮かべる人が多いだろう。ところが最近のお墓は多種多様だ。
まず墓石は一般的な縦長の和型ではなく、横長の洋型のシェアが伸びている。洋型を選ぶ人は自由なデザインを好む傾向があり、刻まれる文字も「○○家」といった苗字ではなく「心」「夢」といった好きな言葉を入れるケースが増えている。ただし、霊園・墓地によっては墓石サイズの範囲が決まっているところもあるので、事前の確認が必要だ。
形態は多様化。そして核家族化によって都心に
納骨堂の例。こちらも決まった形態があるわけではないが、お墓というイメージから少し離れた優美またはモダンなデザインの施設が多い。カードをかざすと骨壺が運ばれてくるなどハイテク設備を導入する施設も増えている霊園・墓地の選び方自体にも変化が見られる。まだまだ一般的な霊園・墓地を選ぶ人が多数を占めているものの、最近は納骨堂(永代供養墓)を求める人も増えている。
納骨堂とは骨壺が入った仏壇が並ぶような形態の屋内墓地。価格は一般的な屋外の墓地の半額程度で、「33回忌で合同モニュメントへ合祀」といったように契約期間が決まっているケースもある。最近は都心のターミナル駅から徒歩数分の好立地にあり、美術館のような優美な外観で、カードをかざすと個別の骨壺を納めたケースが運ばれてくるといったハイテクな施設も目立ってきた。
このような納骨堂が注目され始めた背景には、昨今の核家族化がある。子どもがいない夫婦や独り暮らしの人が、将来に備えて自分で購入するケースが多いそうだ。お参りに来てくれる人のために交通の便がよい都心で、しかもいずれは合祀によって永代に渡って供養を受けられる安心感があるからだろう。
納骨堂と並んで注目度が高まっているのが、樹木葬と散骨だ。
樹木葬に明確な定義はないが、おおまかに言ってしまえば遺骨を土中に埋めて墓石の代わりに樹木を植える葬法。2012年に都立霊園で導入したところ20倍近い倍率となり話題となった。費用は納骨堂よりさらに安価で数万円から数十万円程度。こちらも納骨堂と同様に継承者がいなくてもよい永代供養で、子どもがいない、またはいても迷惑を掛けたくないと考える夫婦や独身者などからの関心が高い。
散骨は文字通り遺骨を海や空などに撒く葬法。亡くなった映画スターが希望していたことなどで知られるようになった。実際は一部お骨を撒き、残りのお骨は通常のお墓に埋葬するケースが多いようだ。
意外なところで起こるトラブル。特に引っ越し時に注意
半永久的にお世話になるはずのお墓。霊園や寺院に対しては管理料を支払い、普通にお参りをしていれば安定したお付き合いが続くはず。しかし、意外な時にトラブルは起こる。
その一例がお墓を引っ越すとき。仕事の都合などでお墓から遠方に離れてしまい、戻る見込みがないといった場合は引っ越しもやむを得ないだろう。
しかし、長期間お参りをしていないケースなどにいきなりこの話を墓地にすると、「今まで何百年このお墓を守ってきたと思っているんだ!」と感情的になり、離檀料を請求されることもある。特に寺院には檀家の供養を独占的に行なう檀家制度があるため、もし宗派の違うお墓に移ると知ったら気分が悪くなるのは仕方がないかもしれない。基本的には普段からコミュニケーションを取っておき、いざ引っ越しとなったら先祖代々から続くお付き合いへのお礼を込めて丁寧に説明する必要がある。
また、公営・民営問わず引越しの際は自治体に対して、改葬などの手続きが生じるので事前に確認したい。
宇宙葬も身近なものに。より広がるお墓の選択肢
今後さらに核家族化が進む日本においてお墓の価値観は、「シンプルにお骨を埋葬できればいい」または「きちんと子孫にお参りしてほしい」というように大きく二つに分かれていくだろう。
そのため上記の納骨堂や樹木葬といった永代供養を前提とした施設へのニーズは、ますます増えていくはずだ。
同時に今までの形式にとらわれない自由な発想の葬法も増えている。たとえば宇宙葬。これには気球にお骨を入れたケースを付けて大気圏で散布する、または海外から発射するロケットにお骨を入れて宇宙で流すなど様々な方法が実際に行われ、鎌倉新書への問い合わせも増えているそうだ。
お墓と聞くと暗いイメージを持つ人もいると思うが、宇宙を含め自分が長い眠りにつく場所を考えてみるのも悪くないかもしれない。
取材協力:お墓総合情報サイト「いいお墓」(鎌倉新書)
http://www.e-ohaka.com/




