- 手取り24万円の家賃目安は8万円以内
- 家賃は手取りの3分の1が目安とされ、手取り24万円なら8万円以内が妥当です。ただし、この金額には管理費や共益費も含めて考えましょう。貯金を増やしたい場合や趣味にお金を使いたい場合は、8万円より低い家賃の物件を探すのがおすすめです。
詳しくは、「手取り24万円で無理なく払える家賃の目安は8万円」をご覧ください。 - 家賃8万円でも毎月貯金可能
- 単身世帯の平均的な生活費は約13.5万円です。家賃を8万円に設定した場合、手取り24万円から生活費と家賃を引いても、毎月2万5,000円程度を貯金に回せます。そのため、家賃8万円は決して無理のない設定といえるでしょう。
詳しくは、「手取り24万円の生活費モデルケース」をご覧ください。 - 都心か郊外かで借りられる部屋は大きく変わる
- 同じ家賃8万円でも、エリアによって借りられる部屋は異なります。都心部ではワンルームや1Kが中心ですが、市部まで視野を広げると1LDK以上の広い部屋も見つかります。広さや築年数など、希望する条件に合わせてエリアを選びましょう。
詳しくは、「家賃8万円だとどんな部屋が借りられる?」をご覧ください。
家賃は毎月必ず発生する固定費なので、収入やその他の出費を踏まえて、無理なく支払える金額を慎重に判断しましょう。
今回は「手取り24万円」のケースにおいて、無理なく支払える家賃がどのくらいなのかを詳しく解説します。また、どのような物件を借りることができるのかも併せて見ていきましょう。
手取り24万円ってどのくらいの水準?

手取り24万円とは、一般的にどのくらいの水準にあたる収入なのでしょうか。
手取り24万円は年収360~384万円程度
「手取り」とは、給与から社会保険料や所得税、住民税などが天引きされた金額を指します。金額の割合としては、額面収入の75~80%程度になるのが一般的です。
「自由に使えるお金」と言い換えることもできるので、家賃などを計算するときには手取りを基にシミュレーションするのが基本です。
手取り24万円を額面収入に逆算すると、月収なら30万~32万円、年収ならボーナスを含めずに計算して360万~384万円程度となります。
20代後半から30代前半の平均収入と同程度
国税庁の2020年「民間給与実態統計調査」(※)によれば、25~29歳の平均年収は362万円、30~34歳の平均年収は400万円とされています。
このデータを踏まえると、手取り24万円(年収360万~384万円)は、20代後半から30代前半の平均年収と同程度であることが分かります。
※ 国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告」
東京都内でも問題なく一人暮らしができる水準
東京都は日本でもっとも地価が高く、ほかの道府県と比べて家賃も高いのが特徴です。しかし、手取りが24万円あれば、東京都内でも問題なく一人暮らしができる収入と判断できます。
ここからは、その理由について具体的に見ていきましょう。
手取り24万円で無理なく払える家賃の目安は8万円

一般的に、無理なく捻出できる家賃は「手取りの3分の1以内」とされています。この基準から考えると、手取り24万円の適正家賃は8万円以内と判断できます。
総務省統計局の2018年「住宅・土地統計調査」(※)によれば、東京都の平均家賃は8万1,001円とされています。このデータには、2人以上世帯の統計も含まれているので、一人暮らしで家賃8万円は、十分な金額だと判断できます。
そこで、まずは家賃8万円を基準として、実際に物件探しをスタートしてみるといいでしょう。
ただし、家賃上限を設定する際には「管理費や共益費を含める」ことが大切です。また「できるだけ貯金をしたい」「外食などの出費が多い」といった場合には、8万円より家賃を下げる必要もあります。
より正確に家賃設定をするのであれば、想定される毎月の生活費を手取りから引いて、具体的な数字を基に計算しましょう。
※ 総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査」
家賃・賃料8万円以下の物件
手取り24万円の生活費モデルケース

手取り24万円の場合、家賃を除いた生活費はどのくらいになるのでしょうか。
総務省統計局の2021年「家計調査」(※)によれば、年収300万~400万円の単身世帯における平均的な生活費は以下のように示されています。
年収300万~400万円…単身世帯の平均生活費
費用項目 | 金額 |
|---|---|
食費 | 3万7,464円 |
水道・光熱費 | 1万811円 |
家具・家事用品費 | 5,556円 |
被服費 | 5,336円 |
保健医療費 | 8,569円 |
交通・通信費 | 2万528円 |
教養・娯楽費 | 1万8,022円 |
その他 | 2万8,274円 |
合計 | 13万4,560円 |
あくまで平均額ではありますが、家賃を除いた生活費の合計は13万4,560円と計算することができます。そのうえで、家賃として8万円を加えると、合計は21万4,560円となります。
つまり手取り24万円の場合、家賃を8万円に設定して、生活費を平均的な一人暮らし程度に抑えると、毎月2万5,000円程度は貯蓄に回せるということです。
そのため、家賃8万円は決して無理のない設定だと判断できるでしょう。
※ 総務省統計局「家計調査 家計収支編 単身世帯<用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 年間収入階級別(2021年)」
家賃8万円だとどんな部屋が借りられる?

同じ家賃設定でも、住みたいエリアによって借りられる物件には大きな違いが生まれます。
ここからは、東京都を3つのエリアに分けて、家賃8万円で実際にどのような部屋を借りられるのか見ていきましょう。
東京都心部の場合
東京都心部(千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、渋谷区)は、都内でも特に家賃相場が高く、平均を大きく上回るエリアが多いのが特徴です。
家賃8万円は決して低い水準ではありませんが、都心部で部屋を探すなら、条件を工夫する必要があるといえます。
LIFULL HOME’Sで物件検索をしたところ、2022年8月時点では以下のような傾向が見られました。
- 家賃8万円の物件は662件
- 専有面積25平米(※)以下の物件が全体の75%以上
- 間取りはワンルームか1K
- 駅近の物件が多い(約98%が駅徒歩10分以内)
- 半数以上が築25年以上
※一人暮らしの最低居住面積水準を参照(国土交通省「住生活基本計画における居住面積水準」)
23区(都心部以外)の場合
続いて、都心部以外の東京23区で物件検索をしてみましょう。
都心部以外に目を向ければ、家賃8万円は十分に幅広い条件から物件探しが行えることが分かります。
- 家賃8万円の物件は4,088件
- 専有面積25平米以上の物件が60%以上
- ワンルームと1Kが全体の約60%
- 数は少ないが1LDKや2K、2DKも見つかる
- 駅近の物件が多い(約85%が駅徒歩10分以内)
- 新築や築浅物件もそれなりに見つかる(25%以上は築10年以内)
東京都の市部エリア
東京都でも市部にまで視野を広げれば、かなり幅広い条件で物件を探すことができます。
家賃8万円は、二人暮らし以上向けの間取りでも十分に探せる設定といえるでしょう。
- 家賃8万円の物件は639件
- 専有面積25平米以上の物件が90%以上
- 1LDKや2K、2DKの間取りが70%近く
- 数は少ないものの一戸建てタイプも見つかる
- 駅近の物件は約半数
- 一人暮らし向け物件には新築・築浅が多い
家賃を抑えるための部屋探しのコツ

ここまで見てきたように、手取り24万円で一人暮らし用の部屋を探すのであれば、それほど条件設定などを工夫しなくても、自然と理想的な部屋が見つかる場合もあるでしょう。
ただし、「都心部エリアに住みたい場合」や「家賃を抑えて車を持ちたい」といった場合には、家賃を抑えるための部屋探しのコツを意識することも大切です。
築年数が経過した部屋も検討する
家賃を安く抑えたいときには、新築や築浅といった人気の物件にこだわると、なかなか該当する候補が見つからないケースもあります。条件に合う部屋が出てこないようなら、少し築年数が経過した物件にも目を向けてみましょう。
築年数がたっていても、リフォームやリノベーションによって内装がきれいに生まれ変わっていることもあります。「築古=内装・設備が古い」という先入観にはとらわれず、広い条件で探してみるといいでしょう。
リノベーション・リフォーム物件
最寄り駅を変更してみる
住むエリアを見直してみるだけで、家賃設定を下げても問題なく部屋が見つかることがあります。急行や快速が止まる駅でなかなか部屋が見つからなければ、隣の駅も条件に入れて探してみましょう。
徒歩所要時間を緩めてみる
徒歩所要時間とは、駅などの公共機関までの距離を示す数値であり、「1分=80m」で計算されています。物件が見つからない場合は、徒歩所要時間を少し広げてみることも大切です。
どのくらいの距離を近いと感じるかは人それぞれであり、自転車や自家用車をメインに使うのであれば、徒歩15分以上でもあまり不便に感じられないケースもあるでしょう。
広さや設備、築年数にこだわりたい人は、少し駅から離れた物件も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ

- 手取り24万円は東京都内でも十分に一人暮らしできる水準
- 無理なく捻出できる家賃の目安は8万円
- 平均的な生活費なら家賃8万円でも毎月2万5,000円程度の貯金が可能
- エリアごとに借りられる物件の特徴を押さえておく
- 家賃を抑えるなら築年数や徒歩所要時間の条件を見直してみよう
賃貸物件を探す 家賃・賃料8万円以下の物件
よくある質問
Q.1 手取り24万円の場合、毎月の家賃はいくらくらいが適切ですか?
A.1 一般的に、無理なく払える家賃は「手取りの3分の1」が目安です。手取り24万円なら8万円以内が基準となります。物件を探す際は、家賃だけでなく管理費などを含めた「総家賃」で判断することが大切です。
Q.2 手取り24万円で一人暮らしをすると、生活費はどれくらいかかり、貯金はできますか?
A.2 はい、貯金は可能でしょう。単身者の平均的な生活費は、家賃を除いて約13万5,000円です。仮に家賃を8万円とすると、手取り24万円から家賃と生活費を引いても、毎月2万5,000円ほど貯金できる計算になります。
Q.3 「手取り」と「額面」はどう違うのですか? 家賃を考えるときはどちらを基準にすればいいですか?
A.3 家賃や生活費は、実際に自由に使えるお金である「手取り」を基準に考えましょう。「額面」は税金などが引かれる前の給与総額のことで、「手取り」はそこから社会保険料などが引かれて実際に振り込まれる金額を指します。
Q.4 家賃8万円だと、東京都内でどのような部屋を借りられますか?
A.4 同じ家賃8万円でも、エリアによって借りられる部屋は大きく変わります。
- 都心部(新宿区、渋谷区など):ワンルームや1Kが中心
- 23区(都心部以外):少し広めの部屋や、築年数の浅い物件も見つかる
- 市部(八王子市、立川市など):1LDKなど、二人暮らしもできる広さの部屋を探せる
Q.5 希望のエリアで探すと家賃が高いです。家賃を抑えるために、部屋探しの条件で工夫できることはありますか?
A.5 はい、以下の3つの条件を見直すことで、家賃を抑えられる可能性があります。
- 築年数の条件を緩める:築年数が古くても、リフォームされて内装がきれいな物件もあります。
- 最寄り駅を変えてみる:急行停車駅の隣の駅にするだけで、家賃が手頃になることがあります。
- 駅からの徒歩時間を延ばす:駅から少し離れると、同じ家賃でもより良い条件の部屋が見つかりやすくなります。
更新日: / 公開日:2022.09.15










