住み替えローンとは？

転勤や家族構成の変化などにより、現在住んでいる家を売却して新たに家を購入したいと考える人もいるのではないでしょうか。

 

しかし、自宅を売却するといっても、必ずしもローンが完済できるわけではありません。そんなときに利用できるのが、住み替えローンです。

 

住み替えローンとは、自宅を売却しても住宅ローンを完済できないときに、残債と新居購入費を併せて借り入れできるローンのことです。

 

金融機関によっては「買い替えローン」とも呼ばれ、売却代金よりもローン残高が上回ってしまうオーバーローン状態であっても、住み替えローンを利用すれば新たに家を購入することが可能です。

住み替えローンのメリットとデメリット

住み替えローンのメリットは、ローン残債がある状態で自己資金が足りなくても、新たに家を購入できる点です。

 

ローン完済後に住み替えを検討するのが理想ですが、転勤などの事情により住み替えをしなければならないタイミングがきてしまった場合に、希望するタイミングで住み替えが可能になります。

 

一方、住み替えローンには以下のようにいくつか注意点があります。

ローンの残債と新居購入費で必然的に借入金額が多くなり、通常の住宅ローンよりも審査が厳しくなる点に注意が必要です。

 

また、住んでいた家を売却して残債を決済するのと同じ日に、住み替えローンの決済も実施するのが一般的なため、スケジュールがタイトで新居探しにかける時間が短くなります。

 

住み替えローンは金融機関によっては取扱いがないこともあり、取り扱っているところでも通常の住宅ローンよりも金利が高く設定されています。金利は返済総額に大きく関わってくるため、複数の金融機関を比較して検討する必要があるでしょう。

住み替えローンの金利相場はどのくらい？

前述したように、住み替えローンの金利は通常の住宅ローンと比較すると高い傾向があります。

 

まずは、住み替えローンを取り扱っているメガバンクの金利（2022年4月時点）について見ていきましょう。

金融機関名	ローン金利
三井住友銀行	2.170%～3.550%
みずほ銀行	1.590%～3.450％
りそな銀行	2.475%～

上記はあくまでも一例ですが、住み替えローンを利用する場合の金利は2～3％前後となっています。

 

通常の住宅ローンの金利は、住宅金融支援機構の「【フラット35】借入金利の推移」（2017年10月～2021年3月まで）では1.110％～2.230％と示されており、やはり住み替えローンの金利は高めであるといえます。

 

金利は実際に借り入れをした日のレートで計算され、金利の種類によっても異なります。各金融機関のレート情報については必ず確認するようにしましょう。

 

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住み替えローンを利用する際の主な流れ

住み替えローンは、自宅の売却と新居の購入という2つの取引をします。

 

先に自宅を売却してから新居を購入する「売り先行型」と、新居を購入してから自宅を売却する「買い先行型」のどちらかの方法で進めることになりますが、どちらも自宅の売却（住宅ローンの完済）と新居の購入の決済日は合わせる必要があります。

 

一般的には午前中に売却の手続きをし、午後に新居の購入手続きを行います。必要な書類や清算方法などは不動産会社の指示に従って進めることになるので、手続きや手順については事前に確認しておきましょう。

売り先行型と買い先行型、どちらがいい？

売り先行型は、新たに住む家が決まっていない状態で先に売却するパターンです。

 

 

ローン残債が確定するため資金計画が立てやすく、あまり売り急ぐ必要がないので落ち着いて買い手とのやり取りができるメリットがあります。新居に住むまでの仮住まい費がかかるデメリットはありますが、買い先行型よりも資金面においては安全です。

 

一方、買い先行型は売却前に次に住む家を見つけるパターンです。

 

 

仮住まいをする必要がなく、自宅の売却は空き家になってからすることができるため、居住中よりも売りやすいことがメリットです。ただし、デメリットとして家が売れるまではダブルローンを組まなければなりません。

 

どちらを選択するかは住む人の状況によって異なりますが、先に自宅の売却が決まっている売り先行型のほうがリスクが少ないといえます。どちらも融資実行までの時間がタイトになりがちなので、専門家にも相談しながら進めていきましょう。

住み替えローンを利用する際の注意点

住み替えローンはこれまで紹介してきたとおり、通常の住宅ローンよりも審査が厳しく、金利が高いという特徴があります。また、自宅の売却と新居の購入を同時に進めるため、新居を検討する時間があまりない点にも注意が必要です。

 

住み替えの時期を見直すことができる場合は、住み替えローン以外の方法で資金面の負担を解決できる可能性があります。たとえば、家族からの援助や貯金で残債を完済できれば、その分負担が少なくて済みます。

 

また、住み替えローンを利用する際に注意したいのが、ローンの審査です。新居の購入後に審査が通らないという事態を防ぐために、住み替えローンの事前審査を受けておきましょう。

 

借入金額や返済期間は慎重に検討し、新居購入後にローンの返済ができなくなるといった事態にならないよう、無理のない返済計画を立てることが大切です。

 

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