住宅費の適正範囲を計算するときには、年収だけでなく「手取り額」にも注目することが大切です。年収200万円から1,000万円の手取りの目安を表にまとめました。無理なく暮らしていくために、生活費のシミュレーションや、適正家賃や住宅ローン借入額の目安についても押さえておきましょう。
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給与明細

 

まずは年収と手取り額の違いを簡単におさらいしておきましょう。年収とは、給与明細に記載された「総支給額」の年間合計のことです。年収には毎月の給料だけでなく、手当やボーナスなども含まれます。

 

一方、手取りとは年収から「必ず支払わなければならない税金や保険料などを差し引いた金額」のことです。実際に手元に残るのは手取り額なので、生活費や住居費の計算をするときには、年収だけでなく手取りにも目を向けておくことが大切です。

年収から差し引かれる項目としては、「厚生年金保険料」や「健康保険料」「雇用保険料」「介護保険料」「所得税」「住民税」などが挙げられます。引かれる項目や具体的な金額は年齢や職種、居住エリアなどによっても異なるものの、年収から引かれる割合は、一般的には年収の15~25%が目安とされています。

年収と手取り

 

年収から正確な手取り額を計算するためには、年齢や業種といった細かな条件を反映させる必要があります。ただ、年収から差し引かれる金額の割合をもとに、おおまかな目安を計算することは可能です。

 

仮に差し引かれる金額が年収の15~25%とすると、年収別の手取り額は以下のようになります。

年収

手取り額

200万円

150万~170万円程度

300万円

225万~255万円程度

400万円

300万~340万円程度

500万円

375万~425万円程度

600万円

450万~510万円程度

700万円

525万~595万円程度

800万円

600万~680万円程度

900万円

675万~765万円程度

1,000万円

750万~850万円程度

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一人暮らし

 

賃貸物件の家賃を決めるときには、手取り月収から毎月の生活費などを考慮して、無理のない上限を設定することが大切です。ここでは、一人暮らしの1ヶ月あたりの生活費目安と手取り別の適正な家賃について詳しく解説します。

一般的に無理のない家賃の目安は、「月収の4分の1以下」とされています。一方、手取りから計算するのであれば、「3分の1以下」が目安となります。

 

ただ、これらはあくまでも目安であり、正確にはライフスタイルや住みたいエリアによっても適正範囲が異なります。たとえば、都市部に住む場合は家賃の平均値が地方よりも高くなるので、収入に対する割合も大きくなりやすいです。

総務省統計局の「家計調査報告」(2020)によれば、単身世帯における1ヶ月あたりの平均生活費は、住居費を除くと「12万9,558円」とされています。

費用項目

金額

食費

3万8,257円

水道・光熱費

1万1,686円

家具・家事用品費

5,293円

被服費

4,692円

保険・医療費

7,029円

交通・通信費

1万8,217円

教養・娯楽費

1万5,452円

その他の費用

2万8,932円

合計

12万9,558円

このデータはあくまで平均値なので、自身の生活状況と比較しながら適正な値に調整していくといいでしょう。そのうえで、現在の手取り月収から合計額を差し引いて、無理のない家賃の範囲を計算してみてください。

以下の記事では、家賃の設定金額によって生活費がどのように変化するのか、手取り額別にご紹介しています。具体的なケースを参考にしてみると、家賃設定のコツや生活費のイメージを膨らませやすいでしょう。

手取り13~17万円

手取り18~22万円

手取り23~30万円

ファミリー世帯

 

続いて、ファミリー世帯の生活費や適正家賃についても見ていきましょう。

ファミリー世帯の場合も、基本的には一人暮らしと同じように収入から適正範囲を計算していくことになります。ただ、一人暮らしよりも広い部屋が必要となるため、家賃そのものは高くなるのが一般的です。

 

また、夫婦共働きの場合は、双方の収入を合算した「世帯年収」で考えられる点も一人暮らしとの違いです。

総務省統計局の「家計調査報告」(2020)によれば、4人家族の1ヶ月あたりの平均的な生活費(住居費は除く)は以下のように示されています。

費用項目

金額

食費

8万7,071円

水道・光熱費

2万4,121円

家具・家事用品費

1万3,919円

被服費

1万2,095円

保険・医療費

1万2,778円

交通・通信費

4万7,009円

教育費

2万6,091円

教養・娯楽費

2万8,900円

その他の費用

4万8,100円

合計

30万84円

このデータもあくまで平均値ではあるものの、月々の収入と家賃のバランスを考慮するうえで参考にしてみてください。たとえば、手取り額の世帯合計が50万円の場合、平均的な4人暮らしの生活では約20万円が手元に残るので、そこから家賃を逆算することができます。

住宅を購入するときには、家賃を住宅ローンの毎月返済額に置き換えて計算する必要があります。ただし、持ち家の場合は固定資産税などの税金や維持費についても目を向けておきましょう。

 

一般的に、無理のない毎月返済額は「年収の48分の1以下」とされています。まずはこの基準をもとに計算してみましょう。また、共働き世帯で住宅ローンを組むときには、以下の3つの選択肢があります。

  • 片方の収入で契約する
  • 夫婦の収入を合算する(収入合算契約)
  • ペアローンを組む

収入合算とは、夫婦の収入を合わせて住宅ローンを借りる方法のことです。どちらか一方のみで借りるよりも借入限度額の枠を増やせるのがメリットであり、世帯年収から住宅ローン借入額を計算するときには、基本的に収入合算とペアローンのうちどちらかの方法を選ぶことになります。

 

収入合算とペアローンの違いは、「契約方法」にあります。収入合算では一方が債務者、もう一方が連帯保証人や連帯債務者となって1本のローンを借りるのに対し、ペアローンでは夫婦それぞれが1本ずつローンを組みます。

 

以下の記事で収入合算とペアローンの違いをまとめているので、詳しく知りたい人は参考にしてみてください。

前述のように、ファミリー世帯では世帯年収から家賃や住宅ローン返済額を計算することができます。以下の記事では、世帯年収ごとに適正家賃や借入額を紹介しています。

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  • 細かな条件によって異なるものの、手取り額は年収の「75~85%程度」が目安
  • 一人暮らしの場合、無理のない家賃の適正範囲は「手取りの3分の1以下」とされている
  • 一人暮らしの生活費を踏まえて、現在の手取りから捻出できる家賃を計算しておく
  • ファミリー世帯で共働きの場合は、片方の収入ではなく世帯年収で家賃や住宅ローン借入額を計算する
  • 共働きで住宅ローンを組む際には、収入合算とペアローン契約の仕組みを理解しておく
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更新日: / 公開日:2021.11.10