マンションの固定資産税の仕組み
マンション購入後に毎年支払う固定資産税は、物件の購入価格ではなく固定資産税評価額を基に計算されます。税率は原則1.4%ですが、お住まいの地域によっては都市計画税が加算される場合もあります。
詳しくは、「固定資産税とは?」をご覧ください。
固定資産税を抑えるための知識
固定資産税には様々な軽減措置があります。新築マンションでは一定期間、税額が減額されます。また、土地部分には広さに応じた特例が適用されるため、事前に条件を確認しておくことが大切です。
詳しくは、「マンションの固定資産税を考えるときのポイントは?」をご覧ください。
購入価格で見る固定資産税の目安
4,000万円の新築マンションの場合、軽減措置が適用される期間は税額が抑えられますが、措置が終了する築6年目以降は一度税額が上がります。その後は築年数の経過とともに徐々に下がっていくのが一般的です。
詳しくは、「4,000万円のマンションの固定資産税をシミュレーション」をご覧ください。

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マンションを購入すると、毎年固定資産税を納める必要があります。固定資産税はマンションそのものの価格だけでなく、さまざまな要素によって決まります。

 

今回は、固定資産税に関する基本的な知識をお伝えしたうえで、4,000万円のマンションの場合では固定資産税がいくらくらいになるのか、シミュレーションしてみましょう。

マンションの固定資産税

 

マンションなどの不動産を購入すると、所有する不動産の価値に応じて、固定資産税を支払うことになります。

 

固定資産税は、所得税や消費税のように国が課税する「国税」ではなく、市区町村などが課税する「地方税」のひとつです。

 

固定資産税は、その年の1月1日時点で、土地や建物などの不動産を所有している人に課せられ、原則として所有が続く限り毎年払い続けるものです。

 

地方税ではありますが、その金額は「固定資産評価基準」という全国統一のルールの下に決定されます。課税率(標準税率)は原則として1.4%で、税額は以下の計算式で求められます。

固定資産税の計算式

固定資産税=課税標準額×税率(標準は1.4%)

ただし、自治体によっては1.4%を超える税率を設定しているところもあります。

 

固定資産税の課税標準額は、土地や建物について、どれだけの価値があるのかを地方自治体が評価して算出するもので、物件の購入価格そのものではありません。

 

おおよその目安としては、土地であれば「地価公示価格の70%程度」、建物は「実勢価格(時価)の50~70%程度」といわれています。

 

マンションの場合、土地は居住者全員で共有しているとみなされますので、土地全体の価値に持ち分割合をかけて、一戸当たりの所有する土地が計算されます。

 

また、土地や建物に対する評価は、原則として3年おきに見直されます。

 

さまざまな要因によって地価が上下したり、経年劣化によって建物の価値が下がったり、リフォームなどで建物の価値が上がったりすることで、税額も上下することがあります。

 

地域によっては、固定資産税とともに「都市計画税」という税金がかかることもあります。

 

都市計画事業や土地区画整理事業(道路の建設、上下水道や公園の整備など)を行うために徴収される税金で、「市街化区域」に属する土地や建物を所有している場合、納税の義務が生じます。

 

市街化区域とは「すでに市街地となっている区域、または10年以内に優先的に市街化を計画している区域」のことです。

 

購入しようとしているマンションが市街化区域に属するかどうかを調べるには、インターネットなどで調べるか、不動産会社に問合せをしましょう。

 

都市計画税の税率の上限は0.3%で、税額は「都市計画税課税標準額×0.3%」で計算できます(地域によっては、0.3%よりも低い税率を設定)。

 

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マンション

 

ここまでは、固定資産税の基本的な考え方について紹介しました。しかし、条件によっては軽減措置や経年減価補正などが適用されて減額される場合があります。

 

マンションでも一戸建てでも、新築で購入した場合、建物部分の固定資産税には軽減措置が適用されます。

 

具体的には、120平米までの居住部分の固定資産税が1/2に軽減されるものですが、その期間は建物の状態によって下記のようになります。

  • 耐震性や耐久性に関して一定の基準を満たした「長期優良住宅」:5年間
  • その他、一般の住宅(床面積が50平米以上280平米以下):3年間
  •  
  • ※さらに、3階建て以上かつ耐火・準耐火建築物の場合は軽減措置が2年間延長される

マンションの多くは耐火・準耐火建築物となるので、5〜7年間の軽減措置が受けられます。

 

住宅を建築する土地には「住宅用地の特例」というものが適用され、固定資産税の軽減措置の対象となります。広さによって適用される割合が以下のように異なります。

  • 200平米以下の部分(小規模住宅用地)…1/6を掛けて計算
  • 200平米を超える部分(一般住宅用地)…1/3を掛けて計算

マンションの1部屋だけを購入した場合、保有している土地が200平米を超えることは少ないでしょう。そのため、基本的には1/6を掛けて計算すると考えていいでしょう。

 

マンションの固定資産税は、建物(家屋)の評価によって大きく変わってきます。

 

評価のひとつの基準となるのが築年数で、年数がたっているほど損耗によって価値が下がると判断されます。どのくらい価値が下がるのかは「経年減価補正率」という数値が定められています。

 

ただし、大がかりなリフォームや改装工事をした場合は経年劣化を超える価値上昇があったとみなされ、評価が上がる場合があります。つまり、固定資産税の額は必ずしも築年数だけで決まるわけではないので注意しましょう。

 

物件の購入価格が同じ場合、マンションは一戸建てよりも固定資産税が高くなりやすい傾向にあります。

ポイント1. マンションは築年数による建物の価値が下がりにくい

 

まず、先述のように建物の評価は、築年数によって変わってきます。

 

このとき、鉄筋コンクリートなど非木造のマンションは、木造などが多い一戸建てと比較して頑丈(耐用年数が長い)と判断され、建物の評価額が高くなりやすい傾向にあります。

 

実際に、税法上の価値がゼロになるまでの期間(減価償却期間)も鉄筋コンクリート造のマンションは47年かかるのに対し、木造の一戸建ては22年と定められています。

 

そのため、マンションは建物の価値が下がりにくく、固定資産税も高い状態が続くことになります。

ポイント2. 土地と建物の比率

 

さらに、「土地と建物の比率」も関係しています。

 

地域によっても異なりますが、物件の価格を「土地の価格+建物の価格」と考えると、一戸建てでは、その内訳は「土地70%、建物30%」くらいの割合が一般的だといわれています。一方、マンションは「土地30%、建物70%」程度になっています。

 

つまり、マンションのほうが土地の割合が少なく、建物の割合が多くなります。しかし、建物に関してマンションは耐用年数が長いのでなかなか価値が下がりません。

 

さらに、住宅用地の場合、土地については軽減措置が受けられるので、固定資産税は1/6または1/3となります。そのため、土地の割合が少なくなれば、減額される分も少なくなるのです。

 

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固定資産税をシミュレーションする

 

では、実際に新築で4,000万円のマンションを購入した場合の固定資産税の税額を、経年ごとにシミュレーションしてみましょう。

 

例として東京都内、鉄筋コンクリート造の新築マンションの場合を考えます。

 

まずは、税額の計算方法を確認します。建物でも、土地でも、基本的な計算式は「固定資産税=課税標準額×1.4%」となります。

 

次に、課税標準額の求め方ですが、家屋の場合、正確には次のような計算式となります。

家屋(建物部分)の課税標準額(評価額)=単位当たり再建築評点×経年減価補正率×床面積×評点一点当たりの価額

再建築評点というのは、仮にその家屋と同じ建物を建てる場合にかかる建築費を点数化したものです。

 

しかし、この点数は個別の物件でどのような資材を使っているか、どのような設備があるのかなど細かな条件によって決まり、複雑な計算になるので、今回は簡便的に「建物の評価額(課税標準額)=実勢価格の70%」という目安を使って計算します。

 

土地の課税標準額は、その土地がどのくらい価値を持つと判断されるかによって変わりますが、今回は簡便的に「公示価格の約70%」とします。

 

さらに、住宅用地の特例による軽減措置を考慮して計算しましょう。ここでは計算の都合上、購入金額4,000万円のうち、建物=70%、土地=30%とします。

 

建物については、新築で120平米以下、長期優良住宅ではないものとして、最初の5年間は軽減措置によって税額が1/2になります。土地は、住宅用地の特例により1/6の軽減措置が適用されます。

 

建物の評価額は築年数の経過とともに変わっていくので、新築から築20年経過までの固定資産税の変化を「新築、築6年、築11年、築21年」の4つの時点でシミュレーションしましょう。

 

4,000万円のうち、建物が70%、土地が30%とすると、建物=2,800万、土地=1,200万となります。課税標準額はその70%と設定すると、以下のように計算されます。

建物:(2,800万×70%)×1/2×1.4%=13万7,200円

土地:(1,200万×70%)×1/6×1.4%=1万9,600円

合計:13万7,200円+1万9,600円=15万6,800円

土地部分に対しては、住宅用地の特例として軽減措置が適用されて1/6となっています。これは期間の制限はないので、今後も同様です。建物部分は新築のマンションであれば5年間は税額が1/2となります。

 

建物部分に対する、新築時の軽減措置の適用が終わります。一方で、築年数の経過とともに、価値は徐々に下がっていきます。

 

建物の評価額はさまざまな条件によって決まりますが、今回は、東日本不動産流通機構のデータ(※)を基に、築年数が経過すると物件の価格がどのくらい変わるのか、平均の変動率を算出しました。

 

築0〜5年時点の価格と、築6〜10年時点の価格を比べると、およそ-14%(小数点以下は切り捨て)となっています。この変動率を基に、築6年時点の実勢価格を計算すると、以下のようになります。

建物:(2,800万-{2,800万×14%})×70%×1.4%=23万5,984円

土地:(1,200万×70%)×1/6×1.4%=1万9,600円

合計:23万5,984円+1万9,600円=25万5,584円

新築時の軽減措置がなくなったことで、建物部分の税額は、新築時に比べると上がります。築年数が経過すれば、建物の評価も下がっていきますが、築6年ではまだそれほど減額されません。

 

(※)東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2020)」

 

築6年時よりも建物の評価は下がります。先ほどと同じ方法で、建物の価格の変動率を算出すると、築11〜15年時点では、新築(築0〜5年)時と比べておよそ-28%(小数点以下は切り捨て)となります。

建物:(2,800万-{2,800万×28%})×70%×1.4%=19万7,568円

土地:(1,200万×70%)×1/6×1.4%=1万9,600円

合計:19万7,568円+1万9,600円=21万7,168円

築6年時よりは安くなりますが、まだ新築当時の固定資産税に比べると高い税額になります。つまり、中古マンションを購入する場合は、新築時の軽減措置を受けられない分、最初の頃の負担が大きくなりやすいといえるでしょう。

 

築21年になると、建物の価格の変動率は、新築(築0〜5年)時の-46%(小数点以下は切り捨て)程度となります。それを基に計算すると以下の金額になります。

建物:(2,800万-{2,800万×46%})×70%×1.4%=14万8,176円

土地:(1,200万×70%)×1/6×1.4%=1万9,600円

合計:14万8,176円+1万9,600円=16万7,776円

以上、シミュレーションの結果をまとめると、4,000万円のマンションの固定資産税の目安は次のとおりです。

新築…15万6,800円

築6年…25万5,584円

築11年…21万7,168円

築21年…16万7,776円

築20年を超えると、新築時に近い税額まで下がることが分かります。とはいえ、実際には土地の評価額の変化、リフォームなどの工事による建物の評価額の変化など、さまざまな要因によって固定資産税は変わります。

 

また、築年数による価格の変動率も、今回は2020年の首都圏のデータを基にしており、実際は年や地域、物件の条件によって変わってきますので、すべてのケースに適用できるわけではありません。

 

物件ごとの条件に合わせて、詳細なシミュレーションを行うようにしましょう。

 

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固定資産税とは何ですか?

マンションなどの不動産を所有している人が、その資産価値に応じて毎年市区町村に納める税金のことです。その年の1月1日時点の所有者に支払い義務があり、所有し続ける限り毎年かかります。

固定資産税は、マンションの購入価格で決まるのですか?

いいえ、購入価格ではなく、市区町村が算出する「固定資産税評価額」という公的な評価額を基に計算されます。目安として、土地は時価の約7割、建物は購入価格の5〜7割程度です。

固定資産税のほかに「都市計画税」もかかると聞きました。

はい。購入したマンションが、計画的に市街地をつくる「市街化区域」内にある場合、固定資産税とあわせて都市計画税も課税されます。

新築マンションは固定資産税が安くなるというのは本当ですか?

はい、本当です。新築マンションは、一定の要件を満たすと建物の固定資産税が5年間(長期優良住宅の場合は7年間)、2分の1に減額される軽減措置が受けられます。

マンションと一戸建てでは、固定資産税に違いはありますか?

同じ価格帯であれば、マンションの方が一戸建てよりも固定資産税は高くなる傾向があります。一般的に、マンションは鉄筋コンクリート造で価値が下がりにくく、土地の持ち分が少ないためです。

4,000万円の新築マンションだと、年間の固定資産税はいくらくらいですか?

あくまでシミュレーション上の目安ですが、東京都内の新築マンションの場合、軽減措置が適用される最初の5年間は年間約16万円です。措置がなくなる6年目以降は約26万円となり、その後は築年数に応じて徐々に下がっていきます。

中古マンションを購入した場合、固定資産税はどうなりますか?

中古マンションは、新築時のような軽減措置の対象外となるため、購入当初の税額が新築マンションより高くなることがあります。ただし、築年数が経っているほど建物の評価額は下がっているため、税額も低い傾向にあります。

タワーマンションの高層階と低層階で、固定資産税は変わりますか?

2017年1月2日以降に建てられたタワーマンション(高さ60m超)は、分譲価格に応じて高層階ほど固定資産税が高くなるように調整されています。それ以前に建てられたマンションでは、原則として階数ではなく床面積によって税額が決まります。

固定資産税はいつ、どのように支払うのですか?

毎年4月〜6月頃に市区町村から納税通知書が届きます。支払いは年4回の分割払いか一括払いが選択でき、その年の1月1日時点の所有者に支払い義務があります。

もし固定資産税の支払いを忘れてしまったら、どうなりますか?

支払期限を過ぎると延滞金が発生します。そのまま滞納を続けると、最悪の場合、所有しているマンションが差し押さえられる可能性もあるため、納税通知書が届いたら速やかに支払いましょう。

更新日: / 公開日:2021.07.06