住宅ローンを利用する際には、返済計画を立てながら、借入額を慎重に検討する必要があります。

今回は無理のない借入額を設定するうえで、何を基準として判断すべきか、具体的なポイントを解説します。

また、借入額を決める際に知っておくべき注意点についても見ていきましょう。
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住宅ローンを計算する

住宅ローンの借入可能額を決める際には、さまざまな指標が使われます。ここでは、借入額に影響を与えるポイントについて見ていきましょう。

返済負担率とは、「返済額が年収に対してどのくらいの割合を占めているか」を示す数字です。

 

返済負担率が低いほど、安定して支払いを続けていけると判断され、反対に一定の基準を超えると審査で落とされてしまう場合もあります。

 

なお、この場合の「年収」とは、手取りではなく額面のことを指しています。

 

たとえば、年収500万円の人が、毎月10万円ずつ返済する計画を立てた場合には、「120万円(10万円×12ヶ月)÷500=0.24」となり、返済負担率は24%となります。

 

返済負担率はとても重要な指標のため、後ほど詳しく説明します。

融資率とは、「住宅の購入価格に対する借入額の割合」を指す数字です。

 

たとえば、3,000万円の住宅を頭金なしのフルローンで購入した場合には、融資率は100%となります。また、同じケースで500万円の頭金を用意した場合には「2,500万円÷3,000万円=83.3%」となります。

 

住宅ローンの種類によっては、融資率が高いと金利も高くなってしまうものがあるため、借入可能額に大きな影響を与える数字のひとつです。

住宅ローンは長期にわたって返済をしていくものであるため、利用者の支払い能力がとても大きなポイントとなります。年収や勤め先、勤続年数などに応じて、借入金額や金利が左右されるのです。

 

公務員などの安定性がある職種や、年収の多い大企業などでは審査が有利に運ぶ一方、安定性の欠く職種では利用額が減額されてしまうケースもあります。

担保価値とは、購入する住宅の価値のことを指します。

 

通常、住宅ローンを借りる際には、万が一支払いができなくなってしまったときに備えて、金融機関が担保物件に抵当権の設定を行います。

 

そして、実際に支払いが滞ってしまったときには、担保物件を売却して債権を回収する仕組みなのです。

 

そのため、購入する住宅にどのくらいの価値があるのかといった点も、借入額を左右する重要なポイントとなります。

住宅ローンの借入額については、金融機関ごとに上限が定められています。

 

たとえば、住宅金融支援機構の「フラット35」では8,000万円まで、財形住宅融資では4,000万円まで、一般的な民間銀行は1億円までが上限とされているのです。

 

そのため、高額の融資を受けたいと考えている場合には、利用する金融機関の限度額にも目を向けておく必要があります。

住宅ローン

前述の5つの指標のうち、住宅ローンの審査において特に重要視されるのが返済負担率です。ここでは、審査に通過する返済負担率の基準について見ていきましょう。

返済負担率に関する審査基準は、年収や金融機関ごとに異なります。

 

多くの金融機関では「年収400万円未満の場合は30%以下」「年収400万円以上の場合は35%以下」など、年収ごとに返済負担率の上限が設定されています。

 

ただ、審査基準はあくまでも「借りられる最大限の金額」を想定して設けられているものです。

 

無理のない返済負担率は20~25%程度とされているため、家計におけるその他の支出とのバランスを慎重に考慮することが大切です。

 

たとえば、子どもの教育費などに力を入れたいと考えている場合には、通常よりも返済負担率を下げる必要があります。

 

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住宅ローン

これまでに見てきた指標を基に計算すれば、審査に通りやすい計画を立てることができます。

 

しかし、返済負担率やその他の指標においては特に問題がなくても、何らかの理由で希望額の融資を断られてしまうことがあるのです。

 

ここでは、その理由のひとつでもある「審査金利」について見ていきましょう。

返済負担率の計算には、実際の金利である適用金利ではなく、審査金利が使われることもあります。

 

審査金利とは、住宅ローン審査において利用される金利であり、適用金利よりも3~4%高く設定されるのが一般的です。

 

審査金利が用いられるのは「返済期間内に金利が上昇するリスク」が考慮されているためだといえます。

 

審査を行う金融機関は、実際よりも高く見積もって計算をすることで、金利が上昇しても返済が続けられる計画かどうかを判断しているのです。

住宅ローンは高額の融資であるため、少しの金利の違いが、最終的に大きな差となって表れます。

 

ここでは「適用金利を1.5%」「審査金利を4%」として設定し、以下の条件で住宅ローンシミュレーターを使って計算してみましょう。

 

前提条件

  • 年収500万円
  • 頭金なし
  • 返済負担率25%
  • 返済期間35年

このケースの借入可能額は「適用金利の場合で3,397万円」「審査金利の場合で2,349万円」となり、両者には1,000万円近くの差が生じます。

 

そのため、適用金利でギリギリの返済計画を立てると、審査金利では返済が難しいと判断されてしまう可能性があるのです。

住宅ローンの返済

借入可能額の上限は、無理なく返済できる金額を示すわけではありません。

 

ここでは、安定的に支払いを続けられる計画を立てるうえで、具体的に注意すべきポイントを解説します。

マイホームの購入においては、住宅の購入費以外にもさまざまなコストが発生します。

 

たとえば、毎年の固定資産税や都市計画税といった税金、メンテナンスの費用などが挙げられます。

 

これらのお金は、賃貸物件では発生しないコストとなるため、安易に「家賃と同じくらいのローン負担額なら問題ない」と判断すべきではありません。

 

住宅ローンの支払いとは別に確保しておく必要があるため、ゆとりのある返済計画を立てることが大切です。

住宅ローンの借入額を試算する際には、ボーナスを利用して支払うかどうかを選択することができます。

 

しかし、ボーナスを見込んで計算をしてしまうと、万が一減額されたり支給がなくなったりしたときに対応ができません。

 

そのため、借入可能額の設定は、できるだけボーナスがない状態でも返済できる範囲にとどめるのが無難です。

住宅ローンとともに、自動車ローンや教育ローンの返済も行う場合には、通常よりも借入可能額を下げて設定すべきだといえます。

 

住宅ローンの審査においては、ほかのローンの有無についても確認されるため、よりゆとりのある返済プランが求められるのです。

住まいの窓口に資金計画を相談する 家計から住宅購入予算を試算する

住宅ローンをシミュレーションする

住宅ローンの借入可能額は、インターネット上のサービスを利用して簡単に試算することができます。

 

ここでは、LIFULL HOME’Sの「住宅ローンシミュレーター」と「おうち予算シミュレーション」の具体的な使い方を見ていきましょう。

住宅ローンシミュレーター 購入可能額を調べる

 

住宅ローンシミュレーターは、必要項目を入力するだけで、手軽に借入可能額を計算できます。

 

「前年度の世帯年収」「毎月の返済額」「頭金」「年齢」「返済期間」「返済金利」を入力すれば、融資を受けられる限度額の目安を確かめられます。

 

 

住宅ローンシミュレーター 月々の返済額を調べる

 

また、住宅ローンシミュレーターでは、融資を受ける金額から「毎月の返済額」を調べることもできます。

 

こちらは、年収と住宅ローン利用額、返済期間、金利などの条件から、細かな返済負担率を調べるのに便利なツールです。

おうち予算シミュレーション

 

おうち予算シミュレーションは、毎月の生活費や貯蓄に回すお金とのバランスから具体的な住宅購入費の目安を計算するツールです。

 

「年齢」「配偶者や子どもの有無」「収入」「住宅ローン以外の借入額」「自己資金」を入力すると、住宅の購入予算が自動的に算出されます。

 

さらに、おうち予算シミュレーションの魅力は、住宅ローンの返済負担率や生活費の割合なども細かく診断してくれる点が大きな魅力です。また、診断結果として表れた数字は、手動で自由に変えることができます。

 

そのため「もう少し食費は抑えられそうだから、ローン返済にお金を回そう」といった調整も可能です。住宅購入後の生活を具体的にイメージするために、一度利用してみるといいでしょう。

住宅ローンについて話す

  • 借入可能額を決めるうえでは、5つの指標を基に検討していく
  • 無理のない返済負担率の目安は20~25%
  • 適用金利と審査金利の違いに注意しておく
  • 住宅購入費用以外のコストも意識しておく
  • 具体的な返済計画を立てる際には、各種シミュレーターの利用がおすすめ
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更新日: / 公開日:2021.03.09