- 住宅ローンの諸費用とは?
- 住宅ローン利用時には物件価格とは別に、手数料や税金などの「諸費用」が必要です。新築や中古といった物件の種類で異なりますが、物件価格の3~9%が目安です。
詳しくは、「住宅ローンの諸費用とは」をご覧ください。 - 諸費用を節約するコツ
- 火災保険の補償内容の見直しや、手数料が安い金融機関を選ぶことで諸費用は節約できます。ローン保証料や繰り上げ返済手数料が無料のプランを選ぶこともポイントです。
詳しくは、「住宅ローン諸費用の節約方法」をご覧ください。 - 諸費用もローンで借りられる
- 諸費用の支払いが難しい場合は、住宅ローンに上乗せするか、別途ローンを組む方法も。ただし、利用には審査があり、金利が高くなる可能性もあるため慎重に検討しましょう。
詳しくは、「諸費用を借りるための住宅ローン」をご覧ください。

マイホームを購入するとき、多くの人が利用するものが住宅ローンです。住宅ローンは数千万円単位の買い物を計画的に行える便利なローンですが、諸費用(諸経費)としてはいくらくらいかかるものなのでしょうか。
今回は、マンションや一戸建ての購入価格以外にかかる諸費用を網羅して、住宅ローンの利用にかかる費用を取り上げます。また、諸費用を節約するための方法や諸費用をローンに組み込む方法などについても詳しくご紹介します。
住宅ローンの諸費用とは

住宅ローンの諸費用は住宅の種類によっても異なる
まずは、住宅ローンにかかる諸費用の種類と目安となる金額を紹介します。ベースとなるのは不動産の概算価格です。マンションや土地、一戸建て住宅を購入した場合にかかる諸経費と金利の合計は、一般的に中古住宅や新築一戸建て(建売住宅)の場合で6~9%、新築マンションや注文住宅の場合は3~6%を見込む必要があります。
手数料と保証料
住宅ローンを組む際には、いくつかの手数料・保証料が必要です。最初に必要となるのが融資手数料です。融資手数料は、住宅ローンを借りる銀行などの金融機関に対して支払う手数料になります。この金額は3~5万円になることが一般的です。ただし低金利な住宅ローンでは融資額に対して2.2%などと設定されていることもありますので、いくら払うか事前に確認しておきましょう。
次に仲介手数料です。中古物件を購入する際に、売買を仲介した不動産会社に対して支払います。通常、仲介手数料は購入価格が800万円を超える場合、購入価格×3%+6万円+消費税となります。
ローン保証料は、保証人を保証会社に依頼する際にかかる費用です。こちらは売買金額1,000万円に対し20万円ほどが相場となることから、4,000万円の物件を購入する場合は80万円を見積もっておきましょう。
各種保険料
住宅ローンの審査に通過するためには、火災保険への加入も条件の一つになります。費用は保険のプランによって変わりますが、安い場合は15万円、高い場合は50万円程度が必要です。通常、火災保険は一戸建てで木造のように燃えやすいと高く、マンションのように鉄筋コンクリートで燃えにくいと安くなります。地震保険を追加する場合には、別途10万円前後が加算されます。
団体信用生命保険(団信)は、あらかじめ金利に上乗せされていることがほとんどです。こちらの費用は10万円前後になります。団信は、返済途中に死亡してしまった場合にローンの残債をゼロにできる保険なので、不動産購入には必須です。
その他の諸費用
不動産を購入した後は登記手続きを行わなければなりませんので、登録免許税がかかります。不動産登記は司法書士に依頼することになるため、司法書士への報酬がかかります。合わせて10万~15万円程度の費用が必要です。
契約書を作成する際に必要となる印紙代は、住宅ローンの借入額は1,000万円~5,000万円の間なら1万円、5,000万円~1億円の間なら3万円になります。印紙は銀行側が用意することが通常なので、事前の準備は不要です。
また、中古物件の場合には、前所有者が修繕積立金や管理費を滞納している場合があることに注意しましょう。売買代金から未納分の修繕積立金を差し引いて清算することが通常の流れですが、事前に気づけなかった場合はトラブルになってしまいます。
住まいの窓口に資金計画を相談する 住宅ローンについて調べる住宅ローン諸費用の節約方法

住宅ローンの契約時には火災保険への加入が必須ですが、内容を見直すことで初期費用の金額を抑えられます。たとえば、海や川から遠く、台風や豪雨の被害も少ない地域の物件を選ぶ場合は、風災や水害の補償内容を薄くするという手段が有効です。
より安い火災保険を選びたいという場合は、JA共済やろうきんといった金融機関から商品を選ぶこともおすすめです。ただし補償内容は限定されますのでよく内容を見て、検討しましょう。
諸費用については一律で定められているものではなく、金融機関によって金額が変動します。金利が高めの金融機関の場合、実は諸費用が抑えられていることもあります。ネット銀行の金利は低いことが多いですが、諸費用も見て検討しましょう。

諸費用を借りるための住宅ローン

ここまでの金額を合計すると、節約したとしても諸費用だけで100万円単位の出費になることも少なくありません。一括で支払う資金を用意できない場合には、諸費用ローンを組むことによって分割払いができ、負担を減らせます。
諸費用ローンには、物件を購入する際にかかる費用と合算して借りるオーバーローンという方法、別枠で融資を受ける方法のいずれかを選びます。後者の場合は別途審査や手数料が必要となるため、オーバーローンを活用する方が多いです。
諸費用ローンの相談ができ、実際に借りられる金融機関の例を挙げました。
- ARUHI(アルヒ)
- イオン銀行
- auじぶん銀行
- ジャパンネット銀行
- 新生銀行
- 住信SBIネット銀行
- ソニー銀行
- みずほ銀行
- 三井住友銀行
- 三井住友信託銀行
- 三菱東京UFJ銀行
- 楽天銀行
- りそな銀行
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諸費用ローンを借りる際の注意点
諸費用ローンを借りるためには審査が必要で、これに落ちてしまうとローンを組むことができません。住宅ローンの審査に通っていれば不動産を購入することは可能ですが、諸費用については一括で準備する必要が出てきます。
仮に審査に通過したとしても、別途諸費用ローンのための融資手数料や金利を支払わなければなりません。スムーズに売買を進めるためにも、諸費用は初期費用として現金で全額を用意することがおすすめです。
住まいの窓口に資金計画を相談する住宅ローン諸費用を含めて組み込みを行えるおすすめの金融機関
今回例示した住宅ローンに諸費用を組み込める金融機関の中から、借入金利が低い順にランキング形式でご紹介します。なお、金利は2020年6月現在の数値です。
※変動金利、35年、ボーナス払いなし
※提示しているのは最低金利となり、借入金額や収入などの条件によって変更する場合があります。最新情報は各金融機関のホームページをご確認ください。
1位 ジャパンネット銀行
借入金利 | 0.399% |
|---|---|
事務手数料 | 借入額×2.2% |
保証料 | 0円 |
適用できる 諸費用 | 事務手数料、仲介手数料、固定資産税、登記費用 火災保険料、地震保険料、修繕積立一時金など |
実質金利が最も安い金融機関です。新たに申し込みを行う際の保証料もかかりません。適用できる諸費用はシンプルですが、特に穴が見当たらず、バランスの取れた内容といえるでしょう。
2位 auじぶん銀行
借入金利 | 0.410% |
|---|---|
事務手数料 | 借入額×2.2% |
保証料 | 0円 |
適用できる 諸費用 | 事務手数料、仲介手数料、印紙税、登録免許税 火災保険料、地震保険料、引越し費用など |
実質金利では1位にはおよびませんが、適用できる諸費用は優れています。引越しにかかる費用もローンに組み込むことができるので、数十万円という単位の現金を初期費用として用意せずに済みます。
3位 新生銀行
借入金利 | 0.450% |
|---|---|
事務手数料 | 借入金額がいくらでも5万5,000円~ |
保証料 | 0円 |
適用できる 諸費用 | 仲介手数料、保証料、修繕積立金、固定資産税 火災保険料、地震保険料、上下水道加入負担金など |
共働きの家庭に適したプランや自然災害時債務免除特約付きのプランなど、ライフスタイルに合ったプランを選べます。また、一人ひとりの顧客に対して、専任のスタッフがつきます。
4位 住信SBIネット銀行
借入金利 | 0.457% |
|---|---|
事務手数料 | 借入額×2.2% |
保証料 | 0円 |
適用できる 諸費用 | 事務手数料、印紙代、固定資産税、登記費用 火災保険料、地震保険料、リフォーム費用など |
住信SBIネット銀行が取り扱う「ミスター住宅ローンREAL」では、諸費用を含め2億円までの住宅ローンを組むことができます。金利上乗せなしで、先進医療特約の付いた団信にも加入することが可能です。
4位 ソニー銀行
借入金利 | 0.457% |
|---|---|
事務手数料 | 借入額×2.2% |
保証料 | 0円 |
適用できる 諸費用 | 事務手数料、登記費用 火災保険料、仲介手数料など |
同金利でソニー銀行がランクインしました。自己資金が10%以上の場合、こちらの借入金利を利用することができます。電子取引の場合、印紙代も0円となります。繰り越し返済時の手数料もなく、借りた後の負担が少ない点もメリットです。
6位 りそな銀行
借入金利 | 0.470% |
|---|---|
事務手数料 | 借入額×2.2%+3万3,000円 |
保証料 | 0円 |
適用できる 諸費用 | 仲介手数料、火災保険料、家具、付帯設備費用、修繕積立金など |
諸費用として家具が含まれるなど、幅の広さも特徴です。オプションの団信革命は医療従事者にも人気のプランです。

まとめ
住宅ローンの諸費用には、仲介手数料や保険料、修繕積立金、そして登記費用などが必要になります。金額としては中古住宅や新築一戸建て(建売住宅)の場合で6~9%、新築マンションや注文住宅の場合は3~6%が目安となり、諸費用の合計金額は数百万円に及ぶことが多いようです。たとえば2,000万円前後の中古住宅なら、150万円から200万円。新築マンションなら140万円となります。
現金一括での支払いが難しい場合は、諸費用ローンを組むことができます。住宅ローンに諸費用を上乗せした「オーバーローン」を提供する金融機関も多く、引越し代などを諸費用の一部として組み込める金融機関も登場しています。

よくある質問
Q1:住宅ローンを組む際にかかる「諸費用」とは、具体的にどのような費用が含まれるのですか?
A1: 住宅ローンの諸費用には、主に金融機関に支払う「事務手数料」や、不動産会社に支払う「仲介手数料」、保証会社に支払う「ローン保証料」などがあります。その他、火災保険料や地震保険料、登記にかかる登録免許税や司法書士への報酬、契約書の印紙代なども含まれます。
Q2:住宅ローンの諸費用は、物件価格の何%くらいを見ておけば良いでしょうか?
A2: 住宅ローンの諸費用は、不動産の種類によって目安が異なります。一般的に、中古住宅や新築一戸建て(建売住宅)の場合は物件価格の6~9%、新築マンションや注文住宅の場合は3~6%程度を見込んでおく必要があります。
Q3:住宅ローンの諸費用を少しでも安く抑える方法はありますか?
A3: 諸費用を抑える方法としては、火災保険の補償内容を見直すことが有効です。お住まいの地域の特性に合わせて、不必要な補償を外すことで保険料を節約できます。また、金融機関によって諸費用の設定が異なるため、複数の金融機関を比較検討することも重要です。
Q4:住宅ローンの諸費用は、いつまでに支払う必要がありますか?
A4: 仲介手数料は、不動産会社によって異なりますが、契約時に半金、引き渡し時に半金と分けて支払うのが一般的です。その他の諸費用については、住宅ローンが実行されるタイミングで支払うことになります。
Q5:諸費用も合わせて住宅ローンに組み込むことはできますか?
A5: はい、諸費用も住宅ローンに組み込むことができる金融機関は多く存在します。住宅ローンに諸費用を上乗せする「オーバーローン」という方法や、諸費用専用のローンを利用する方法があります。ただし、別途審査や手数料が必要になる場合があります。
Q6:諸費用をローンに組み込む際に、何か注意すべき点はありますか?
A6: 諸費用ローンを借りるには別途審査が必要です。審査に落ちた場合は諸費用を現金で用意する必要があります。また、ローンを組むことで事務手数料や金利が別途発生することもありますので、全体の支払い総額で比較検討することが大切です。
Q7:住宅ローンでカバーできる範囲は、物件の購入費用だけですか?引越し費用なども含められますか?
A7: 住宅ローンでカバーできる範囲は、土地の取得費、本体工事費、別途工事費、オプション工事費、設計管理費用が主な対象です。諸費用ローンに関しては、金融機関によって含まれる範囲が異なります。仲介手数料や各種保険料は一般的にローンに組み込めますが、引越し費用などは認められる場合とそうでない場合があります。
更新日: / 公開日:2020.06.18










