- リフォームローンと住宅ローンの違いが一目でわかる
- 担保の有無、金利水準、借入可能額、返済期間、審査や諸費用の違いを比較表で整理します。両者の差がなぜ生まれるのかという仕組みまで理解できるため、金融機関の商品説明を読むときにも「どこを見ればよいか」が自分で判断できるようになります。用語に不慣れな方でも読み進められる構成です。
- 金利だけで選ぶと損をする「落とし穴」がわかる
- 返済期間が短いことによる月々負担の重さ、住宅ローン返済中に借り入れる際の返済負担率の問題など、契約後に気づきやすい注意点を先回りして解説します。500万円を借りた場合の返済シミュレーション例を通じて、総返済額と月々の返済額のバランス感覚が身につきます。
- 自分はどちらを選ぶべきかの判断軸が手に入る
- 工事の規模・自己資金・現在のローン状況という3つの軸で考えるチェックリストを用意しました。中古住宅を購入してリフォームする場合の「一体型ローン」、2026年度から適用期間が延長されたリフォーム減税や省エネ補助金も含めて、次に取るべき行動が明確になります。
キッチンの使い勝手が年々気になる、外壁の傷みが目立ってきた。それでもリフォームに踏み切れない理由の多くは、工事の内容よりも「お金の段取り」ではないでしょうか。まとまった資金を現金で用意するのは簡単ではありませんし、かといって「住宅ローンのようなローンをもう一度組むのは大変そう」というイメージが先に立つ人も少なくありません。
実は、リフォーム資金のためのローンは住宅ローンとは仕組みが大きく異なり、手続きのハードルはぐっと低い一方で、金利や返済期間には別の注意点があります。この違いを知らないまま「借りられたから」と契約してしまうと、月々の返済が想像以上に重くなることもあるのです。本記事では、リフォームローンの基本から住宅ローンとの違い、そして後悔しないための判断軸まで、順を追って整理していきます。
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リフォームローンとは? まず押さえたい基本のしくみ

リフォームローンとは、自宅の増改築や設備交換、修繕といったリフォーム工事の費用に使途を限定したローンのことです。銀行や信用金庫、労働金庫、住宅金融支援機構など多くの金融機関が取り扱っており、見積書や工事請負契約書で「リフォームに使うこと」を示して申し込むのが基本の流れになります。
無担保型と有担保型の2タイプがある
リフォームローンには、自宅などを担保に入れずに借りられる「無担保型」と、担保を設定する「有担保型」があります。一般に「リフォームローン」と呼ばれるのは無担保型で、抵当権の設定が不要なぶん手続きが簡単でスピーディーな反面、借入限度額は低め、金利は高め、返済期間は短めという特徴があります。有担保型はその逆で、借入限度額が高く金利や返済期間の条件も有利になりやすい代わりに、抵当権設定の手間と費用がかかります。
借入額・返済期間の一般的な水準
無担保型リフォームローンは、借入限度額を最高500万〜1,000万円、返済期間を最長10〜15年としている金融機関が多く見られます。水回りの交換や内装の改修といった数十万〜数百万円規模の工事であれば十分カバーできますが、間取り変更を伴うフルリノベーションのように1,000万円を超える工事では、無担保型だけでは足りないケースも出てきます。まずは工事の見積もりを取り、必要額を把握することが出発点です。
なお、実際のリフォームは意外と手の届く規模のものが多いのも事実です。国土交通省の調査では、リフォーム資金は平均137万円で、そのうち自己資金が112万円(自己資金比率81.9%)という結果が出ています(出典:国土交通省「令和5年度住宅市場動向調査」)。裏を返せば、自己資金で足りない差額部分を無担保型ローンで補う、という使い方が現実的な選択肢になりやすいということです。
利用条件と申し込みの流れ
利用条件は金融機関によって異なりますが、「申込時の年齢が20歳以上、完済時70〜80歳未満」「安定した収入があること」「保証会社の保証を受けられること」といった項目が一般的です。申し込みから融資実行までは、仮審査→本審査→契約→工事業者への支払いという流れで、無担保型なら書類も比較的少なく、Webで完結する商品も増えています。
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リフォームローンを理解する近道は、住宅ローンとの違いを並べて見ることです。両者の差は、突き詰めれば「担保があるかないか」から生まれています。
一目でわかる比較表
| 項目 | リフォームローン(無担保型) | 住宅ローン |
|---|---|---|
| 資金使途 | リフォーム工事費用 | 住宅・土地の購入、建築費用など |
| 担保 | 原則不要 | 購入する住宅・土地に抵当権を設定 |
| 金利水準 | 住宅ローンより高め | 低め |
| 借入限度額 | 最高500万〜1,000万円程度が中心 | 数千万円〜1億円程度 |
| 返済期間 | 最長10〜15年が中心 | 最長35年(商品により最長50年も) |
| 抵当権設定費用・司法書士報酬 | 不要 | 必要 |
| 審査・必要書類 | 比較的少なく、審査期間も短い | 多く、審査に時間がかかる |
※金利・限度額・期間は金融機関や商品によって異なります。申し込み前に必ず各商品の商品概要説明書で最新の条件を確認してください。
違いが生まれる理由は「担保」にある
住宅ローンは、購入する住宅と土地を担保に取るため、金融機関は万一返済が滞っても資金を回収しやすく、その分低い金利で大きな金額を長期間貸せます。一方、無担保型リフォームローンにはその裏付けがないため、貸せる金額は小さく、期間は短く、金利は高くなる。この構造を理解しておくと、個々の商品の条件の意味が読み解きやすくなります。
併用や「一体型」という選択肢もある
リフォームローンと住宅ローンは併用が可能です。さらに、中古住宅の購入とリフォームを同時に行う場合は、購入資金とリフォーム資金をまとめて住宅ローンとして借りられる「一体型ローン」を扱う金融機関もあります。一本化すれば住宅ローン水準の低金利・長期返済が適用され、月々の負担を抑えやすくなります。「今の家を直す」だけでなく「中古を買って自分好みに直す」ことも視野に入れているなら、まずどんな物件が市場に出ているかを眺めてみると、資金計画の解像度が上がります。
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おすすめ特集から中古マンションを探す おすすめ特集から中古一戸建てを探す意外と知られていない落とし穴—「借りられる」と「無理なく返せる」は別物
リフォームローンは手軽さが魅力ですが、その手軽さゆえに見落としやすいポイントがあります。契約後に「こんなはずでは」とならないよう、3つの落とし穴を押さえておきましょう。
落とし穴1:返済期間が短い=月々の返済が重い
同じ金額を借りても、返済期間が短いほど毎月の返済額は大きくなります。仮に500万円を借りた場合の試算例を見てみましょう(元利均等返済・ボーナス返済なし。金利・期間は説明用の仮定値です)。
| 借入条件(試算例) | 毎月返済額 | 総返済額 |
|---|---|---|
| 金利3.0%・返済期間10年 | 約48,300円 | 約579万円 |
| 金利1.5%・返済期間10年 | 約44,900円 | 約539万円 |
| 金利1.5%・返済期間15年 | 約31,000円 | 約559万円 |
金利が高めの無担保型で短期間に返すと、月々5万円近い負担が10年続くことになります。教育費や老後資金と重なる時期であれば、家計への影響は小さくありません。契約前に必ず返済シミュレーションを行い、「毎月いくらなら無理なく払えるか」から逆算する姿勢が大切です。
落とし穴2:住宅ローン返済中の借入は「返済負担率」に響く
住宅ローンを返済中の人がリフォームローンを追加で組む場合、審査では両方の年間返済額を合算した「返済負担率(年収に占める返済額の割合)」が見られます。住宅ローンだけで負担率に余裕がない場合、希望額を借りられないことがありますし、仮に借りられたとしても家計の余力を大きく削ることになります。借りる前に、現在の住宅ローンの年間返済額と合わせて負担率を自分でも計算してみてください。
落とし穴3:金利表示だけで比較すると判断を誤る
同じ「リフォームローン」でも、変動金利か固定金利か、保証料や事務手数料が別途かかるか、団体信用生命保険(団信)への加入が任意か必須かで、実質的なコストは変わります。表面上の金利が低くても、諸費用を含めた総支払額で比べると逆転することもあるため、複数の金融機関の商品を「総額」で比較するのが鉄則です。
月々の返済額を調べる 家計から住宅購入予算を試算するリフォームローンと住宅ローン一体型、どちらを選ぶ? 後悔しないための判断軸

ここまでの内容を、実際の判断に落とし込んでいきましょう。ポイントは「工事の規模」「自己資金」「現在のローン状況」の3つです。
5項目の判断チェックリスト
次の項目に多く当てはまるほど、無担保型リフォームローンが向いています。
- 工事費用が500万円以下におさまる見込みだ
- 自己資金である程度まかなえ、借入額を小さくできる
- 10年程度の返済期間でも月々の負担に無理がない
- 自宅に抵当権を(追加で)設定したくない
- 工事開始までの時間が限られており、手続きを早く済ませたい
逆に、工事が1,000万円規模になる、返済期間を長く取って月々を軽くしたい、中古購入とリフォームを同時に行う。こうした場合は、有担保型や住宅ローン一体型を含めて金融機関に相談する価値があります。
減税・補助金も忘れずにチェック(2026年度の最新動向)
一定の要件を満たすリフォームでは、税の優遇や補助金を利用できる場合があります。令和8年度(2026年度)税制改正では、耐震・省エネ・バリアフリー改修などを対象とする「リフォーム促進税制」の所得税の特例が3年間延長され、適用期間は2026年1月1日〜2028年12月31日に、固定資産税の軽減措置は2026年4月1日〜2031年3月31日まで延長されました。増改築に対する住宅ローン減税も2030年12月31日まで5年間延長されています(出典:国土交通省「住宅をリフォームした場合に使える減税制度について」)。
補助金では、断熱窓への交換や高効率給湯器の設置といった省エネリフォームを支援する国の「住宅省エネ2026キャンペーン」の一環として「みらいエコ住宅2026事業」が実施されています(出典:国土交通省「みらいエコ住宅2026事業」)。補助額や対象工事の要件は年度ごとに見直され、予算の消化状況によって受付が締め切られることもあるため、工事契約の前に公式サイトと自治体の制度を確認し、リフォーム会社にも「使える制度はないか」と尋ねてみてください。控除やローンの種類について詳しくは、以下の記事もあわせてお読みください。
迷ったら「見積もり→シミュレーション→相談」の順で
判断に迷うときは、①複数のリフォーム会社から見積もりを取って必要額を確定させる、②金融機関のWebシミュレーションで月々の返済額を試算する、③そのうえで金融機関や住まいの相談窓口に持ち込む、という順番が効率的です。金額が固まっていないままローンの相談をしても、話は前に進みにくいものです。
リフォームVS建て替え講座 リノベーション会社を探すまとめと次のステップ
リフォームローンは、担保不要で手続きが簡単な代わりに、住宅ローンより金利が高く返済期間が短い。この構造さえ理解すれば、あとは自分の工事規模と家計に合わせて選ぶだけです。「そのうち直そう」と先延ばしにしている間にも、建物の傷みは静かに進み、工事範囲が広がって費用がかさむことは珍しくありません。減税や補助制度には期限や年度予算があることも踏まえると、検討を始めるなら情報収集は早いに越したことはないはずです。
まずは費用感をつかむために、リフォーム・リノベーションの事例や会社を眺めてみることから始めてみてはいかがでしょうか。
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よくある質問
Q1. リフォームローンの審査は住宅ローンより通りやすいですか? A. 一般に、無担保型リフォームローンは必要書類が少なく審査期間も短い傾向があります。ただし「審査がない」わけではなく、年収や勤続年数、他の借入状況(住宅ローンを含む返済負担率)は確認されます。住宅ローン返済中の場合は、合算した負担率に余裕があるかが重要です。
Q2. 住宅ローン返済中でもリフォームローンは組めますか? A. 組めます。両者は併用可能で、実際に住宅ローン返済中の人が水回り交換や外壁塗装のために利用するケースは多くあります。ただし審査では両方の返済額が合算されるため、希望額を借りられない場合もあります。金利負担が気になるときは、借り換えと同時にリフォーム費用を上乗せして一本化できる商品がないか、金融機関に相談してみましょう。
Q3. リフォーム費用はどのくらいの人がローンを使っているのですか? A. 国土交通省「令和5年度住宅市場動向調査」では、リフォーム資金は平均137万円で、うち自己資金が112万円(自己資金比率81.9%)と、自己資金中心でまかなう世帯が多い結果でした。一方で、間取り変更や全面改修など数百万円〜1,000万円超の工事ではローン活用が現実的な選択肢になります。
Q4. 無担保型と有担保型はどう使い分ければよいですか? A. 目安として、工事費が500万円以下で10年程度の返済に無理がなければ無担保型、1,000万円規模の大がかりな工事や、返済期間を長く取って月々の負担を抑えたい場合は有担保型(または住宅ローン一体型)が候補になります。抵当権設定の費用と手間、総返済額を含めて比較することが大切です。
更新日: / 公開日:2020.01.24










