住宅ローンの審査では、さまざまな項目がチェックされます。そのなかには雇用形態や勤続年数なども含まれているため、自営業の人にとっては不安に感じることもあるでしょう。
今回は自営業者が住宅ローン審査受けるときに注意すべきポイントや自宅兼事務所を購入する際の注意点などを解説します。
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自営業でも基準を満たしていれば住宅ローンは利用可能

自営業の場合、一般的な給与所得者や公務員と比べて住宅ローンを組みにくいとされる面があります。審査を受けるうえでは、まずその理由について知っておくと、対策を立てやすくなるでしょう。
自営業者が住宅ローンを組みにくいとされる理由
住宅ローンは長期にわたって返済を行うという点で、通常のローン以上に収入の安定性が求められます。
会社員の場合は、勤務先が信用能力の一部を担ってくれる面もあり、基本的には借入以降も安定的な収入が得られると考えられます。
一方、自営業者は自身の信用能力で審査を受けなければなりません。会社員や公務員と比べると収入の安定性・継続性が低いとみなされ、金融機関側にとっては判断が難しいとされるのです。
安定かつ継続した収入が審査のカギ
自営業者は住宅ローン審査において不利な面があるのも確かですが、決して利用が認められないというわけではありません。安定かつ継続した収入があり、借入額や返済計画に無理がなければ審査に通過することは可能です。
ここからは、自営業者で住宅ローン審査を受ける際に意識しておきたいポイントを確認しましょう。
自営業で住宅ローン審査を受けるときに注意すべき4つのポイント

住宅ローンを利用する際には、審査に通過するための注意点を押さえておくことが大切です。ここでは、意識したい4つのポイントを解説します。
直近の所得が安定していること
前述のとおり、自営業者は自身で所得が安定していることを証明しなければなりません。そのため、多くの金融機関では「直近の3期連続での安定した黒字」が条件とされています。
なお、自営業者の場合は、年間の売り上げから経費を引いた「所得」が対象となるため、節税のために多くの経費計上を行っている場合は、住宅ローン審査では不利になってしまいます。
また、審査の基準は、直近3期すべての所得である点にも注意が必要です。3期の平均値が審査対象になるケースだけでなく、金融機関によってはもっとも低い期を基準とする場合もあります。
税金やローンの滞納はNG
自営業者に限られる話ではありませんが、住宅ローン審査では個人信用情報も重要な項目となるため、税金や自動車ローンなどの滞納があると結果に大きな影響を与えます。
自営業者の場合は、特に納める税金の種類が多いため、納付忘れがないかをきちんとチェックしておきましょう。信用情報に不安がある人は、信用情報機関から自身の情報を取り寄せて確認しておくのもひとつの方法です。
自己資金を用意する
住宅ローンを利用する際には、多くの人が一定割合の自己資金(頭金)を用意しています。頭金が多ければ多いほど、住宅ローン借入額を減らすことができるので、審査にも通りやすくなります。
また、「フラット35」のように、一定以上の頭金を用意することで金利が安くなる住宅ローン商品もあります。自営業者は収入の安定性という点でどうしても不利になりやすいため、頭金の重要性は通常以上に高いといえます。
金融機関選びも慎重に行う
日頃から付き合いのある金融機関がある場合は、そこで相談してみるのも有効な方法です。信用金庫や地方銀行を事業用のメインバンクにしている場合は、状況によってほかの金融機関よりもスムーズに融資が受けられる可能性もあります。
また、後述する「フラット35」は、通常のローンと審査の仕組みが異なる点から、自営業者でも利用しやすいローンとされています。
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自営業者が住宅ローンを申し込む際の必要書類

自営業者は通常の給与所得者よりも証明しなければならない項目が多いため、必要書類も増える点に注意が必要です。ここでは、自営業者が住宅ローンを申し込む際の必要書類について紹介します。
本人確認の書類
本人確認書類は、住宅ローン審査を受けるすべての人に共通して必要な書類です。基本的には健康保険証が必須とされ、もう1点は運転免許証やパスポート、個人番号カードなどから用意することとなります。
収入審査のための書類
給与所得者の場合は、前年度の源泉徴収票のみで済むケースが多いのに対し、自営業者では多くの書類が必要です。
その理由は、これまで解説したように、自営業者で住宅ローン審査を受ける際に直近3期分の所得を証明しなければならないためです。
直近3期分の確定申告書や決算書、所得税の納税証明書など、さまざまな書類が必要となるので漏れがないように気をつけましょう。
返済中の借り入れがある場合に必要な書類
自動車ローンや事業性ローンなど、返済中の借り入れがある場合には、そちらも審査項目のひとつとなります。そのため、審査には返済予定表や返済口座の通帳、直近の返済状況を確認できる書類などが必要です。
物件に関する書類
住宅ローンを借りる際には、購入する物件が担保となるため、物件そのものに関する審査も行われます。
売買契約書や重要事項証明書など、金融機関によって必要とされる書類は異なるので、購入をサポートしてくれる不動産会社の担当者にも相談しておくと安心です。
自営業でも利用しやすい? フラット35の仕組みとメリット

一般的な金融機関での審査が難しい場合には、フラット35の利用を検討してみるのもひとつの方法です。ここでは、フラット35の基本的な仕組みについて見ていきましょう。
フラット35の仕組み
フラット35とは、独立行政法人住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携して取り扱う住宅ローンです。
自営業者がフラット35を利用するメリット
最大のメリットは、収入に関する審査にあります。フラット35では、所得の審査対象が直近1期分のみのため、近年で所得が改善した場合や開業後3年経過していない人でも利用できるのです。
また、通常の住宅ローンとは異なり、保証料や保証人も必要ありません。さらに、全期間固定金利のため、安定した返済計画を立てやすいのも特徴です。
固定金利は、変動金利と比べると当初金利は高いため、一見すると借り入れ条件が不利に感じられることもあるでしょう。しかし、変動金利は途中で返済額が上昇してしまう可能性もあり、自営業者にとっては大きなリスクとなります。
そのため、安定性や審査条件を考慮するなら、フラット35は自営業者にとって比較的利用しやすいローンといえます。
フラット35の注意点
フラット35は自営業者にとって利用しやすいローンではありますが、実際には重要視される項目が異なるだけであり、決して審査が甘いというわけではありません。
フラット35では、通常の住宅ローンよりも物件の担保価値が重要視されるのです。住宅金融支援機構が紹介する適合証明機関による細かな物件検査にクリアしなければ、住宅ローンを借りることができません。
購入する物件を見極める際には、通常の住宅ローン以上に検討しなければならない項目が増えるので、あらかじめ不動産会社などに相談しておくといいでしょう。
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自宅兼事務所を購入する場合の注意点

自宅を住居兼事務所にする場合は、居住部分の床面積割合に注意が必要です。なぜなら、住宅ローンはあくまでも「利用者本人が居住するため」の住居を購入するために整えられた制度であるためです。
住宅という生活に必要なものを目的とした融資であることから、住宅ローンは通常の事業性融資よりも金利が低く設定されています。そのため、あまりにも事務所の割合が大きければ、事業性融資で資金を調達しなければならないとみなされてしまうのです。
具体的な割合は、居住用面積が「2分の1以上」と決められています。上記の条件は、住宅ローン控除を利用する際にもクリアする必要があるので、設計段階から十分に注意しておきましょう。
まとめ

- 自営業で住宅ローンを利用する場合は、収入の安定性や継続性を証明する必要がある
- 一般的には確定申告書や決算書などの書類をそろえて直前3期分の黒字を証明する必要がある
- 売り上げではなく所得が審査対象となる点にも注意が必要
- フラット35は直近1期分のみの条件で審査を受けられる
- 自宅兼事務所で住宅ローンを利用するなら、居住用面積は2分の1以上確保しなければならない
更新日: / 公開日:2019.10.07










