マンションを購入する際には、多くの人が一定の頭金を用意したうえで予算を組んでいます。今回はマンション購入時の頭金の目安や平均額、頭金ゼロのリスクについて解説します。
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頭金を支払う理由とは?

頭金とは、住宅の購入金額のうち、自己資金で準備する部分を指します。ここではまず、住宅購入における多くのケースで頭金が用意されている理由について見ていきましょう。
総返済額や毎月返済額が減る
もっとも重要なポイントは、総返済額が少なくなる点にあります。
頭金として支払った部分については、当然ながら利息が発生しないため、全額住宅ローンを借り入れる場合(フルローン)に比べて総返済額が小さくなるのです。
また、借入額自体も少なくなるため、毎月の返済負担も軽くなります。
住宅ローンの金利が変動するケースもある
住宅ローン商品のなかには、頭金の割合によって異なる金利が適用されるタイプのものもあります。
たとえば、全期間固定金利の住宅ローン「フラット35」では、以下の表のように融資率(住宅購入額に対する住宅ローン利用率)に応じて適用される金利が異なります。
融資率 | 金利の範囲 | 最頻値 |
|---|---|---|
9割以下 | 年1.480%~年2.540% | 年1.480% |
9割超 | 年1.740%~年2.800% | 年1.740% |
※2022年5月時点、借入期間:21年以上35年以下のケース
金融機関の審査に通りやすくなる
頭金を一定以上用意している場合、金融機関によっては住宅ローンの審査に通りやすくなることがあります。
「頭金が用意できる=貯蓄ができる」と判断できるため、金融機関が設けている審査項目によっては有利に働く可能性も高いです。
頭金の目安・平均額はどのくらい?

住宅金融支援機構「2021年度フラット35利用者調査」によると、住宅購入時に用意されていた頭金の平均額と平均割合は、以下のとおりです。
住宅の種類 | 平均購入価格 | 頭金の平均額 | 頭金の平均割合 |
|---|---|---|---|
新築マンション | 4,528.5万円 | 785.9万円 | 17.4% |
中古マンション | 3,025.8万円 | 418.9万円 | 13.8% |
土地付き注文住宅 | 4,455.5万円 | 412.3万円 | 9.3% |
注文住宅(建物の建築のみ) | 3,569.7万円 | 596.6万円 | 16.7% |
建売住宅 | 3,604.9万円 | 270.0万円 | 7.5% |
中古一戸建て | 2,614.4万円 | 214.9万円 | 8.2% |
上記の結果を見る限り、住宅購入時には1~2割程度の頭金を用意しておくのが一般的であると判断できます。
ただ、マンションの場合は一戸建てと比べて、平均的に頭金の割合が大きくなる傾向にあります。特に、新築マンションは東京都心を中心に価格が高騰していることもあり、頭金の平均額は高い水準になっています。

頭金に関する注意点

頭金については、いくつか事前に押さえておきたい注意点があります。ここでは、特に重要度の高いポイントを中心に解説します。
頭金ゼロのリスク
現在の収入や購入予算によっては、頭金なしのフルローンで購入することも可能です。しかし、借入金額が大きくなることで、返済ができなくなってしまうリスクが高まる点には注意しましょう。
住宅ローンを利用する際には、購入する物件に対して金融機関が抵当権を設定し、万が一に備えた担保にします。仮にローン返済ができなくなり、滞納が続いた場合には、最終的に購入した物件が差し押さえられて競売にかけられます。
競売に関する詳しい流れは割愛しますが、通常は競売によって物件が換金され、ローンの返済に充てられます。このとき、競売にかけられた物件の売却価格は、相場の8割程度まで下がってしまうのが一般的です。
そのため、最悪の場合は、住宅を手放してもまだローンが残っているといったケースに陥ってしまうこともあるのです。フルローンはギリギリの返済計画になるケースも多いので、返済不能リスクには通常以上に注意を払う必要があります。
「頭金ゼロで買える=貯金ゼロで買える」は間違い
前述のとおり、頭金ゼロで住宅を購入することは可能です。しかし、厳密に言えば「貯金ゼロ」で住宅を購入することは難しいといえます。
なぜなら、マンションの売買契約時には、一定金額の手付金を支払う必要があるためです。一般的に、住宅ローンの融資が下りるのは売買契約を結んでから1ヶ月以上経過したタイミングであり、売買契約時には資金を借りることができません。
つまり、「手付金は自己資金で用意しなければならない」ということです。マンションの手付金は、物件価格の5~10%と決して小さくはない金額なので、前もって用意しておく必要があります。
諸費用に注意する
頭金を用意する際には、手元にいくらかの資金を残しておくことが重要です。なぜなら、住宅の購入時には仲介手数料やローン手数料、各種税金といった「諸費用」がかかるためです。
諸費用の金額は購入する物件の種類によっても異なり、マンションの場合は以下の割合が目安とされています。
諸費用の目安割合
新築マンション:物件価格の3~6%
中古マンション:物件価格の6~9%
そのため、諸費用を踏まえた予算計画を立てるのであれば、以下のようなパターンが理想的といえます。
理想的な予算計画のパターン
- 頭金:物件価格の2割
- 諸費用:物件価格の1割
- 住宅ローンの借入額:物件価格の8割
頭金以外に住宅ローン返済を無理なく行うポイントは?

住宅ローンの返済を無理なく行うためには、一定以上の頭金を用意するとともに、ほかにも押さえておきたいポイントがあります。ここでは、無理のない返済計画を立てる方法について、3つのポイントから解説します。
総返済額を減らすなら「繰り上げ返済」
繰り上げ返済とは、住宅ローンの返済中に一定以上のまとまったお金を別枠で返済する方法です。手元資金にゆとりが生まれた段階で、前倒しで返済を行えるため、「総返済額を減らせる」のが大きな特徴です。
返済条件を有利に変えるなら「条件変更」
条件変更とは、返済途中で毎月返済額を増やしたり、反対に減額したりする方法を指します。また、ボーナス払いの中止や減額といった選択肢もあります。
ただ、この方法は基本的に金融機関に事情を相談したうえで許可をもらう必要があります。
金利の低いローンに乗り換えるなら「借り換え」
住宅ローンは返済中であっても、改めて審査に通過すれば、より好条件のローン契約に切り替えることが可能です。現在のローン金利よりも低い金利のローン商品があるときには、借り換えによって負担額を減らすことができます。
ただし、住宅ローンの借り換えには新たに手続きが必要であり、それにともなってさまざまな費用が発生します。そのため、利用する際には必要な経費と軽くなる負担分を明確にして、比較検討することが大切です。
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頭金の割合で返済額はいくら変わる? 具体例でシミュレーション

最後に、頭金の割合によって実際に返済額がどのくらい変わるのか、LIFULL HOME’Sの「住宅ローンシミュレーター」を使ってシミュレーションしてみましょう。
今回は、試算にあたって以下の条件を設定します。
条件
- 物件価格:4,000万円
- 返済期間:35年
- 金利条件:全期間固定金利1.5%
- 頭金:0~1,000万円を200万円刻みで設定する
上記の条件でシミュレーションを行うと、結果は以下のようになりました。
| 毎月返済額(※1) | 総返済額(※2) | 総支払額(頭金+ローン返済額) |
|---|---|---|---|
頭金なし | 12.2万円 | 5,144万円 | 5,144万円 |
頭金200万円 | 11.6万円 | 4,887万円 | 5,087万円 |
頭金400万円 | 11.0万円 | 4,630万円 | 5,030万円 |
頭金600万円 | 10.4万円 | 4,372万円 | 4,972万円 |
頭金800万円 | 9.8万円 | 4,115万円 | 4,915万円 |
頭金1,000万円 | 9.2万円 | 3,858万円 | 4,858万円 |
※1:小数点第2位を四捨五入 / ※2:小数点第1位を四捨五入
フルローンで購入する場合と頭金を1,000万円用意する場合とでは、最終的な総支払額に300万円近くの差が生まれました。
この差は金利が高くなればなるほど大きくなるので、住宅ローンの利用計画を立てる際には、実際に利用する商品の金利を基に計算してみてください。

まとめ

- 頭金を用意することには、総返済額を小さくする以外にもさまざまなメリットがある
- フラット35のように一定以上の頭金を用意することで金利が下がるローン商品もある
- 頭金の平均割合は1~2割程度であり、新築マンションでは750万円近くが平均水準
- フルローンを組む場合は、リスクと注意点を十分に意識する
- 手付金や諸費用についても正しく理解しておく

更新日: / 公開日:2019.04.10










