一般に年齢が若くないと、住宅ローンの審査に通りにくいといわれています。

今回紹介する事例は、「54歳」という年齢がネックになって2社の住宅ローンの審査に通らなかったCさん(現在59歳男性)の体験談です。

結果的にCさんはネット銀行で住宅ローンを借りることができましたが、どのようにして借りることができたのでしょう? その一部始終を語っていただきました。
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職業:団体職員
年収:約1000万円
家族構成:妻59歳(専業主婦)。子ども2人(33歳長女、30歳次女)は両親のもとを離れ、独立。

 

【住宅ローン】
審査を依頼した金融機関:4社(都市銀行1社、第2地方銀行1社、ネット銀行2社)
借りることができた金融機関:ネット銀行
頭金:500万円
借入金額:5300万円
金利タイプ:固定期間選択型(10年)
返済額(月):18万円(毎月払い18万円と、ボーナス払いとの併用)
返済年数:20年

 

【購入した住まい】
エリア:東京都小金井市→東京都小金井市(市内での住み替え)
立地:最寄り駅から徒歩5分
購入した物件:新築分譲一戸建て(2階建て)
間取り:4LDK(床面積89m2・敷地面積108m2)
物件の名義:Cさん
購入価格:5800万円
購入した時期:2011年6月

里帰りに備え、庭付きの広い一戸建てに住み替えようと考えたと話すCさん(イメージ)

里帰りに備え、庭付きの広い一戸建てに住み替えようと考えたと話すCさん(イメージ)

団体職員として勤続27年になるCさん。5年前、54歳のとき、東京都小金井市に新築分譲一戸建てを購入しました。敷地面積108m2に建つ4LDK(床面積89m2)。購入価格5800万円の物件でした。定年の60歳に近づいているなか、なぜ家を購入しようとしたのでしょう?

 

Cさんのそれまでの住まいは、同じ小金井市内の分譲マンション。30年ほど前に住宅ローンを組んで購入した3LDK(約70m2)でした。購入価格は約3000万円。

 

「ここで妻と子ども2人の4人で住んでいましたが、長女も次女も就職し、通勤に便利な23区内の賃貸アパートで一人暮らしを始めたんです。数年前から妻と2人暮らしでした」

 

マンションのローンを払い終え、定年後の暮らし方を考えるようになったCさん。そんな矢先に長女が結婚し、この出来事が新たな家購入のきっかけになりました。

 

「近い将来、長女に子どもができるでしょう。そうすると、孫たちを連れてお盆や正月に遊びにくるかもしれないな、なんてことを考えるようになったんです。そうなったときにそれまでのマンションでは狭いなと。次女もいずれは結婚して子どもができるだろうから、娘たちが子連れで里帰りしたときに備え、庭付きの広い一戸建てに住み替えようと思ったんです。妻も賛成してくれました」

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問題は一戸建ての購入資金をどう工面するかです。住んでいたマンションを売るという選択肢もあったのですが、Cさんはマンションは売らずに貸すことにし、新たに住宅ローンを組もうと決めました。

 

「うちは築30年ものの中古マンションなので売却価格は2000万円を切ってしまうということでした。購入価格は約3000万円だったのに…。また、売却すると譲渡所得税もかかるので、損だと思ったのです。ならば思い切って住宅ローンを組むのもありだと。資金的にもローンの返済は可能でした」

 

Cさんは年収約1000万円。しかし、定年の60歳まで残すところあと6年。どんな返済計画を描いていたのでしょう?

 

「マンションを貸し、その家賃を月々のローン返済に充てる計画でした。借りてくれる人がいなくて空き室状態が続くようだったら、退職金をつぎ込もうと思ったのです。退職金は2000万円くらいもらえる予定ですので。加えてマンションを売れば2000万円程度は手に入るので、なんとかなるかなと」

 

住んでいたマンションの活用について、Cさんが情報源にしたのはインターネットでした。住宅情報サイト、不動産会社のサイトなどをくまなくチェック。そして新居の住宅ローンについてもインターネットを徹底チェックしたのでした。

 

インターネットで各銀行の住宅ローンを調べ、金利を比較するサイトにも目を通していたCさん。

 

住宅ローンの借入先については、購入する新築分譲一戸建てを仲介してくれた不動産会社から「提携している都市銀行を紹介します」と言われたそうですが、自分で見つけられる自信があったので、それには頼りませんでした。

 

「金利が低いのはネット銀行。店舗をもたない分、人件費などがかからないから金利を低くできるんでしょうね」

 

こう話すCさんですが、まず住宅ローン審査の申し込みをしたのは、大手都市銀行のZ銀行でした。

 

「私は古い人間なので、店舗のある銀行のほうが安心するんです。担当者と会って相談ができるわけですから。まっさきにZ銀行に審査を申し込んだのは、給与振込に使っている銀行だからです。職場の近くにZ銀行の支店があるので、昼休みに足を運びました。給与振込の口座があるから何かと相談にのってもらえるのではと思ったのですが、先方の対応は期待はずれでした。口には出さないけど、『え?その年齢で住宅ローン?ホントなのか?』みたいな反応だったんです。もっとも僕の場合、頭金ゼロで購入価格の5800万円全額を住宅ローンでまかなおうとしていたので、Z銀行の人には無謀に思えたかもしれません。僕がマンションを持っているといっても当時はまだ借り手がつくがどうかわからない時期でしたしね」

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「頭金ゼロ」で住宅ローンを組もうとしたのにはCさんなりの考えがありました。

 

「その頃、政府がインフレ政策を打ち出していました。そうすると、物価が上昇しますよね。老後に備えて、現金をできるだけたくさん手元に置いておかなければと思ったのです」とCさん。

 

そうして「頭金ゼロ、5800万円全額を住宅ローンに」という希望で、Z銀行の審査に出したCさん。結果は郵送で届き、書面には審査に通らなかったことが記されていました。

 

「審査に落ちた理由は書かれていなくて、抽象的な説明でした。ただZ銀行に相談に行ったときに対応してくれた人の反応を考えると、年齢がネックになったかなと思いました」

着実にお金を貯めてきたと評価

着実にお金を貯めてきたと評価

Cさんが次に住宅ローン審査を申し込んだのは、第2地方銀行のY銀行。この銀行では預金高に応じて住宅ローン金利が優遇されるというサービスがあったことから、Cさんが興味をもったといいます。

 

Z銀行と同じく、Cさんが店舗へ出向いての申し込みでしたが、「Y銀行の担当者はその場で『全額お貸しできます』と言ってくれました。先方に伝えたのは、私の勤務先、勤続年数、年収。それとマンションのローンは完済しているという情報です。私の勤務先は安定した公益法人だから、Y銀行の担当者は私のことを『着実にお金を貯めてきた人』などと思ったみたいです」とふり返るCさん。

 

後日、正式な審査結果が出て、Y銀行の審査に通りました。でも、金利の低いネット銀行のことが気になっていたCさん。

 

Y銀行で住宅ローンの契約をするかどうかは保留にし、W銀行とV銀行の2社のネット銀行へほぼ同時に審査の申し込みをしたのでした。結果はW銀行の審査は落ちましたが、V銀行の審査には通りました。

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W銀行とV銀行、ネット銀行という形態は同じなのに先方の対応や審査内容に違いがあったのでしょうか。

 

「W銀行もV銀行も、ローンの希望額は購入価格5800万円全額としていました。ただ2社で大きな違いがあったんです。W銀行はインターネットで申し込み、審査結果はメールでの連絡。先方の担当者とは一度も会っていません。でもV銀行は、申し込みこそインターネット経由でしたが、すぐに先方から電話があって、店舗で担当者に会って話をすることができたんです。その対応の違いが審査結果に現れていると思います」

 

W銀行の場合はWebサイトに表示された審査申し込み画面に必要事項を入力して送信するという手続きですが、年齢、収入、借入希望額、借入期間といった項目はあるものの、資産状況を入力する項目はなかったそうです。

 

「私がマンションをもっていることや、退職金の見込み額、貯蓄額など資産状況を入力する項目があれば、ローンを借りることができたかもしれません。でも、申し込みフォームにある入力項目だけでしか審査してもらえない。そうなると、私は年齢的に不利です。審査結果を伝えてきたメールには通せない理由は書かれていなかったけど、多分、年齢が原因でしょう」

 

一方、V銀行では店舗で先方担当者と話すことができました。資産状況を具体的に伝えることができたことで年齢の壁を超えられて、審査に通してもらえたとCさんは話します。V銀行の担当者から「マンションなど資産状況を確認させていただいた結果、お貸しすることにしました」と言われたのだそうです。

 

インターネットは便利なツールですが、住宅ローン審査という人生を左右する関門をくぐりぬけるには、店舗に出向いて銀行の人と話すのが一番だとあらためて実感したCさんでした。

 

さて、銀行2社の審査に落ちたものの、結果的に第2地方銀行のY銀行と、ネット銀行のV銀行という2社の審査に通ったCさん。住宅ローンの借入先銀行に選んだのはV銀行でした。

 

「金利が低く、何かあれば店舗に駆け込んで相談できる点が気に入ったのです」と、Cさん。住宅ローン契約の際に「頭金を少し入れていただくことは可能ですか」と先方から打診されたことから、頭金として500万円を入れ、5300万円で住宅ローンを組みました。月々の返済額は18万円、ボーナス払い20万円。返済年数は20年ですから74歳で返済が終わることになります。

 

V銀行から住宅ローンを借りることができ、ほどなく、マンションの借り手も見つかりました。Cさんのもくろみ通り、マンションの家賃収入(16万円)をローン返済に充てることができているそうです。

 

新居購入から5年が過ぎた今、住宅ローンの返済計画の見直しは考えているのでしょうか?

 

「最初の10年が固定金利でそれが過ぎたら金利を見直せるという契約なので、次は変動金利にしようと思っています。V銀行は繰上返済の手数料がかからないので、退職金を使って繰上返済をするのもいいかもしれません。ただ、この先、私に何かあったときには生命保険でローン残高をまかなえます。そう考えると、退職金は手元に置き、妻と娘にために残すという選択肢もあるかなと思い始めています」

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更新日: / 公開日:2016.11.20