ユニバーサルデザインへの関心が高まってきています。住宅におけるユニバーサルデザインとバリアフリーとは、どのように違うのでしょうか。それぞれの考えかたを知って、快適な住まいづくりに生かしていきましょう。
物件を探すバリアフリー物件

ユニバーサルデザインとは、年齢や性別、国や言語、文化、能力などの違いに関わりなく、すべての人にとって使いやすいことを考えた製品・施設などのデザインや設計を指します。「Universal Design」の頭文字から「UD」と表記されることもあります。バリアフリーが高齢者や障がい者を対象として考えられたものであるのに対して、ユニバーサルデザインはすべての人を対象としている点が大きく異なります。

 

操作が簡単で直感的に分かること、誰でも公平に使えること、使用上のミスがあっても安全なことなど、ユニバーサルデザインに求められる視点はいくつもあります。普段の生活で身近なものとしては、シャンプーボトルの突起(リンスやコンディショナーとの区別)、エレベーターのボタンや家電品などの絵文字(ピクトグラム)表示、各種のアイコンを使った製品などが挙げられるでしょう。ユニバーサルデザインの概念は製品づくりだけでなく、家づくりや街づくりにも応用されています。

 

ユニバーサルデザインからバリアフリーを考える

ユニバーサルデザインからバリアフリーを考える

住宅のユニバーサルデザインでは、使いやすいこと、安全であること、柔軟であること、価格が妥当であることなどが求められます。使いやすさとしては、レバー式の水栓やドアハンドル、洗面台やキッチンの高さの選択性、可動設備の自動化などを始めとして、いくつもの観点があるでしょう。安全面では、室内の段差を解消するなどといったバリアフリーの視点だけでなく、階段の幅や勾配に配慮した設計、水回りや廊下での余裕のあるスペースの確保などがあります。住宅の柔軟性としては、家族構成が変化したときに増改築や間取りの変更がしやすいか、必要に応じて手すりなどを取り付けやすい構造になっているか、環境問題にも配慮したうえで長く使える住宅になっているかなどが問題となります。

 

しかし、これらを実現するための負担が大きく、一部の人しか使えないのではユニバーサルデザインにはなりません。ごく一般的な人が導入することのできる価格であることが重要です。さらに、使いやすければ武骨なデザインでも良いということはなく、見た目の美しさも大切な要素です。また、浴槽の立ち上がりの高さなどでは、高齢者が使いやすい高さと小さな子どもでも安全な高さとが相反する場合もあります。このようなときに他の解決手段をどう取り入れるのかも、ユニバーサルデザインでは欠かせない視点です。

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従来のバリアフリー住宅は、段差をなくしたり、廊下や階段に手すりを設置したりすることによって、住宅内での移動時における安全性を確保することが主な目的となっていました。しかし最近では、キッチンの流し台の下に空間を設けて車椅子のままで調理ができるようにしたり、車椅子から便器へ、あるいは車椅子からベッドへの移動を楽にしたりといった工夫がされています。高齢者や障がい者が「積極的に住まう」ことに視点が移ってきているともいえるでしょう。車椅子のまま、あるいは寝たままで窓の開閉や施解錠ができる電動窓、電動シャッターなどもあります。進んだ機能のものは各種のセンサーを備え、雨や風、温度、騒音などによって窓の開閉を制御することができます。

 

さまざまなIT技術やロボット技術を活用した製品の開発も進められています。車椅子の生活では、バリアフリー住宅であっても移動は平面内に留まりがちですが、ロボット技術を応用して人の動きをサポートするシステムでは、階段を使った移動も楽になり、自由に住宅内を歩き回ることも可能となるようです。

 

最新の機能を採用したバリアフリー住宅は導入コストが高額になりがちで、その点がユニバーサルデザインとは異なります。しかし、ユニバーサルデザインを住宅へ積極的に取り入れることは、高齢者や障がい者の毎日の暮らしをサポートすることにもつながるでしょう。

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更新日: / 公開日:2013.12.02