ここ数年、ますます都心回帰の傾向が強まり、首都圏でも特に東京に人口が集中しています。
そんな中、一体どのような人達が都心に移り住んでいるのか? そしてどのエリアが人気なのか、ちょっと気になるところです。
そこで2012年~2015年までの住民基本台帳の移動データから、この4年間で実際に東京23区に移り住んできた人々、その地を去った人々を10代から60代以上までの年代別に分析して紐解いていきます。
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中央区、千代田区は断トツ。その周辺のベイエリアも人気

※東京23区の転出人口に対する転入人口の超過率を上位からランク付けした結果です
東京23区の転入者を年代別に上位から見てみると、10代から60代までの全ての年代において、転入の人口が見事にプラスに傾いたのは中央区と千代田区でした。
幅広い年齢層からの支持が顕著にあらわれたこの2区は、公共施設や商業施設、交通網の充実など利便性を重視し、職場や学校、遊び場に近いところに住まいを構え、コンパクトな都会暮らしを望む人にはもってこいのエリアです。この先も、このコンパクトシティでの暮らしを望む人が中心部に集まっていくのではないでしょうか。
続いて台東区、港区も60代以上こそ数字が下がりましたが、その他の年代で超過率がプラスになりました。さらにはその近隣の墨田区、江東区と順位が続き、都心部やベイエリアの人気の高さがうかがえます。
2020年の東京五輪開催に向けて、今後もますます数字が伸びていきそうです。

通勤ラッシュを避けるには、中心部に住むしかないのか
子育て世代の傾向は?
それでは、子育て世代でもある30代~40代に注目してみましょう。

30代、40代の23区超過率
まず30代が移り住む街に選んだ人気のエリアは、1位に千代田区、2位に中央区、3位に台東区、続いて、4位に江東区、5位に港区という結果になりました。人気の都心3区とそこに隣接する区が見事上位にランクインです。
40代は、1位が同じく千代田区、2位に台東区、3位に中央区、続いて、4位に江東区、5位に墨田区がランクインしています。
両世代共に都内でも中心部に近いエリアや湾岸エリアに人気が集中しています。共働き夫婦が子育てをしやすい環境にあること、また、働き盛りの男女が暮らしの利便性の高さを求めている傾向のあらわれともいえます。
それとは相反して人気の無いエリアはどうでしょうか。
30代のワースト3区は1位に江戸川区、2位に杉並区、3位が中野区でした。
また、40代も同じくワースト1位に江戸川区、2位は練馬区、3位も同じく中野区という結果になりました。

仕事と子育ての両立に適したエリアはどこ?
物件を探す 街の情報を見るリタイアする60代からの世代は都内に住み続けられるの?
一方で、その子育て世代のさらなる親世代でもある60代以上に注目してみましょう。

※60代の23区超過率
中央区、千代田区、足立区以外は軒並みマイナス。つまり転居する人がとても多い現象がみられます。
コンパクト化が進む一方で、リタイアした人、またはその目前にある世代で都内に住み続ける人は限られているようです。
現役で働く世代とは違い、年金暮らしをスタートさせる人も多く、それぞれのライフスタイルの選択の違いが浮き彫りになっています。
この傾向は50代から徐々に見られ、最終的にはこのように大幅に都内から転出する人口が増える結果となっています。

都会暮らしと田舎暮らし、どちらを選ぶ?
都内の人口を下支えする20代
それでは、社会人として新生活を送り始める20代はどうでしょうか。

※20代の23区超過率
23区全体を通して、他の年代に比べて移り住む人が圧倒的に多い結果が出ました。
この年代が移り住む場所に選ぶ人気のエリアは、1位に中央区、2位に港区、3位に品川区、4位に墨田区、5位に渋谷区と、オフィス街や繁華街に近く、仕事と遊びを両立させたい、若い世代の勢いのある暮らしが垣間見えます。この年代が東京を下支えしていることが
顕著にあらわれた結果となりました。
この先、少子高齢化が進み、東京に移り住む人々にも益々変化があらわれてくるでしょう。
日本の経済の中心にある街は、活気に満ち溢れています。

We Love TOKYO.
出典:
政府統計の総合窓口(e-Stat)(http://www.e-stat.go.jp/)
住民基本台帳人口移動報告を加工して作成
都道府県(市区郡)ごとに、2012年から2015年の他都道府県(市区郡)への転出人数、他都道府県(市区郡)からの転入人数を算出しました。更に、転出人数と転入人数の差から超過率を算出しました。
更新日: / 公開日:2017.01.13










