『リライフプラス』presents リノベ界の新しいヒーロー(ときどきヒロイン)を探せ! vol.4

リノベーション専門誌『リライフプラス』が注目する、リノベーション界の新しいヒーロー(ときどきヒロイン)にインタビュー。リノベーションを仕事として選んだ理由や手掛けてきた家のこと、仕事以外で好きなこと、などざっくばらんにお話を伺っていきます。リノベ魂あふれるオフィスもバッチリご紹介します!


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vol.4 エム・デザイン株式会社代表 藤原真紀子さん
(写真左。右は会社のパートナーでもある妹の朋子さん)


profile


1976年 島根県出雲市生まれ
2000年 短大卒業後、実家の仕事を手伝っていたが、24歳のとき「インテリアの仕事をしたい!」と上京。お台場のインテリアショップで2年間働く
2002年 賃貸物件の原状回復工事を行う会社に入社。約2年間働く
2004年~2011年 中古マンションの買取・再販をメインとする会社に入社。リフォーム部で7年間働く。
2011年 エム・デザイン設立
http://m-design-renovation.com/


2013年3月から、コープオリンピアに事務所を移転した藤原さん。原宿駅からすぐ、という立地にもかかわらず、まるでクラシックなホテルのような独特のオーラを放つ、言わずと知れたヴィンテージマンションだ。赤いカーペットの内廊下を通ってドアを開けると、打って変わって明るく伸びやかな空間が現れた。雁行型のマンションならではの独特の形状の窓を生かしたサンルーム的スペースや、ツール類をディスプレイしながら収納するコーナーなど、リノベのヒントになりそうなコーナーがあちこちに散りばめられている。


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Office
ヴィンテージマンションの事務所は効果大!?


-コープオリンピアに事務所を移転した理由は?
以前は戸塚の自宅マンションの一室をリノベして事務所にしていたのですが、遠いので、お客さんに打ち合わせに来ていただくのも申し訳なくて(笑)。来年あたり移転できたらいいな、ぐらいの気持ちだったのですが、たまたま紹介されてここを見に来たら気に入ってしまって。リノベーションの会社なので、オフィスがヴィンテージマンションにあるのもいいかなっていうのは、以前からなんとなく考えていたんですが、自分が原宿の駅前にオフィスを構えているなんて信じられない! なんて思ってしまうときが今でもあります。-オフィスはモデルルームも兼ねているんですよね?
モデルルームというほどではないんですが、お客様との打ち合わせスペースとしても使っています。独特の窓の形状を生かしてサンルーム的なスペースをつくったり、柱の幅に合わせてパーティションを兼ねた本棚をつくったり、思いつきでちょこちょこ手を加えています。黒板塗装は妹が2~3日がかりで塗りました。細かい部分でいうとスイッチパネルは真鍮です。少し値は張りますが、やっぱり雰囲気がいいので。-入居してみてどうですか?
自宅からはちょっと遠いのですが、とにかく駅が近いから便利ですし、都内の現場にも行きやすいので、立地の良さはすごく感じていますね。管理も24時間体制できちんとしているので安心です。お客さんも「いちど入ってみたかった」と言ってくださる方が多くて、そういった意味でもここにして良かったな、と感じています。最初の頃は明治神宮に散歩に行ったり、美味しいランチのお店を探したりしていましたが、最近はなかなか時間の余裕がなくて、あまり開拓できていないです。-コープオリンピア的トリビアがあるそうですが
入居者は1階にある南国酒家さんから出前を取れるんです。1人前からでも持って来てくれて、お昼を食べに行く時間がないときなども助かっています。また、入居者専用ですがゲストルームがあったり、地下にコインランドリーがあったり、いろいろ面白いです。屋上から神宮の花火を見られたのも楽しかったですね。

Past
再販のためのリフォームを多数手掛けることで鍛えられた


-ご実家が工務店なんですよね?
もともとは祖父が材木商だったのですが、父の代からその材木を使った家づくりを始めたんです。子どもの頃、現場で大工さんにカンナがけを手伝わせてもらったり、棟上げで餅まきをするときに拾いに行ったり、オープンハウスに同行したり、と楽しい記憶が多いです。高校生ぐらいになると自分の部屋に棚をつけたり、いろいろ改造したりもしていましたね。やはり父の仕事の影響は大きいと思います。-では当然建築学科へ進学したんですか?
それが全然違って。兵庫県の短大の体育科にテニス推薦で入たんです。短大卒業後は島根の実家に帰って父の会社の事務を手伝ったりしていました。でも、24歳のときふと「インテリア系の仕事がしたい!」と思い立って上京したんです。-何かあてがあったんですか?
それが全然。住む場所も決まってないし、両親も反対していました。最初は友達の家に居候させてもらって、インテリア雑誌を見て片っ端から「働かせてもらえませんか」って電話しました。運良くアートスタイルマーケットっていう会社でアルバイトとして働かせてもらえることになって。ステンレスを使ったインダストリアルな雰囲気の家具がメインで、男性が好きそうなかっこいい感じのお店でした。-念願かなってよかったですね
はい。でも2年ぐらいたった頃、だんだん接客だけでは物足りなくなってきて。もう少し住まいに関わける仕事をしたくなって、賃貸の原状回復工事をやっている会社に転職しました。クロスをはがしたり、パッキンを交換したり、と地道な作業が多いんですが、基礎的なことをしっかり勉強させてもらいました。その後、もっと家を丸ごといじりたい、と思うようになって中古マンションの買取・再販の会社に転職したんです。-その会社には何年ぐらいいたんですか?
7年ほどいましたが、かなり鍛えられました。とにかく数をこなさなければならないですし、コストも抑えなければならない。多い時は月に8物件のリフォームをしたことも。大変でしたが、自由にやらせてもらえたので勉強になりましたね。ただ、コストのこともあるし、幅広い層に受れ入れられるためには見た目がいいツルピカ系の建材やキッチンを使わなければならなくて。個性を出すのではなく、無難に、万人受けする内装にするためにはメーカー品をどう組み合わせるか、みたいなことがメインになってくるので、また物足りなくなってきてしまって。-どんなタイミングで独立されたんですか?
34歳のとき、年齢的に転職は難しいだろうし、だったら思い切って独立してみようかなと。この仕事って、在庫を抱える訳でもないし、先にまとまった資金を用意しなければならないという訳でもないし、気楽といえば気楽ですよね。ひとまず自宅を仕事場にして、始めてみることにしました。-最初から仕事があったんですか?
それが意外とあったんですよね。以前勤めていた会社で知り合った不動産仲介業者さんからのお仕事などをやらせてもらっているうちに少しずつ事例が増えてきて、そうこうするうちにHPからの問い合わせも増えてきて、という感じで思いのほか順調でした。今もパートナーとしてお仕事させてもらっていますが、その仲介業者さんと出会えたことは大きかったです。
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転機になったというオフィスのリノベーション。コンセプトは「遊び心のあるオフィス」

-転機になったプロジェクトはありますか?
独立して間もない頃、南青山のヴィンテージマンションをオフィス用にリノベーション(写真右)するというプロジェクトがあったのですが、まだ事務所としての方向性が定まっていない頃だったので、なんとなく無難な感じにまとめようとしてしまったんです。でも、仲介を担当した例の仲介業者の方に「こんな無難なことがやりたかったんだっけ?」って指摘されて、ハッとしたんですよね。それでもう一度プランを練り直して、けっこう大胆に方向転換したら、クライアントにも喜んでもらえて。そのときに殻が破れたというか、自信がつきましたね。       

Now
現場調査では汚いほど「直したらよくなりそう!」と燃えます(笑)


-工事費がかなり良心的ですよね
よくそう言われるんですけど、今まで通りやっているだけなんですよね。コストの抑え方や効率の良い工事の進め方などは、以前いたマンション再販の会社で鍛えられましたから。やみくもに工事費を安くしたい、という訳ではなく適正価格で提供したい、と思っています。-工事中できるだけお客さんに来てもらうようにしているそうですが
打ち合わせをして工事してポンと引き渡し、ではこちらも不安だし、お客さんも不安だと思うんですよね。なかなか図面だけでは理解しにくいことも多いと思うので、節目ごとになるべく見に来てもらうようにしていて、好評です。マンションのリノベーションだと平均3、4回ぐらいかな。お客さんだけで見に来ても分からないと思うので、いまどういう段階かとか、納まりのことなどについて現場で説明するようにしています。自分の家なんだし、せっかくなら積極的に家づくりに参加してほしいっていう気持ちもあります。-現在は妹さんと2人で会社を経営しているんですよね
妹は、以前務めていたマンション再販の会社でも何年か一緒に働いていて、その後アパレルの仕事に就いていたのですが、今年に入ってからまた手伝ってもらうようになりました。一人でやっていたときよりも、自分が気付かなかったことを言ってもらえたりするので、助かっています。-リノベーションのヒントはどんなところから得ることが多いですか?
インテリア系の雑誌はよく見ますね。気になったページに片っ端から付箋をつけて積んであるんですけど、夫に「これいつ捨てるの?」ってよく聞かれます(笑)。気になるカフェやインテリシッョプなどにも行くこともあります。やはり外から刺激を受けることが多いですね。-同業者であるお父様にアドバイスをもらったりすることもあるんですか?
よくあります。やはり木に詳しいので、木の使い方や選び方についてよく相談します。先日もそば打ち台をつくりたいというお客様がいて、父に相談したところ「そば打ち台には、まな板にも使える厚みのあるイチョウの木がいいんだよ」って教えてもらいました。-仕事をしていて楽しい、と感じるのはどんな時ですか?
現場調査に行って、汚いんだけどこんなふうに直したら良くなりそう!っていうイメージがわーっと涌いてくるとき、ですかね。汚いほど燃えるというか(笑)。
あと、プレゼンの資料をつくっているときに、いいアイディアが浮かぶと妹と二人で盛り上がったりします。-今後やってみたいことはありますか?
できる範囲で、店舗もやってみたいですね。家全体の雰囲気を変えられる外構やガーデンデザインにも興味があります。仕事以外の楽しみは?
最近久しぶりにテニスを再開したんです。週に1回なんですけど、すごく気分転換になります。最初のテストのとき、以前やっていたのでちょっと自信があったんですが、初級クラスという判定でした。最近クラスがランクアップしますっていう連絡があったのでやっと上級に行けるかなと思ったら、初中級クラスでした(笑) 

撮影/難波雄史 聞き手/『リライフプラス』編集部 君島喜美子


『リライフプラス』ブログ http://blog.livedoor.jp/relifekk/『リライフプラスvol.13』(扶桑社刊)|リライフプラス連載|リノベーションお役立ち情報|HOME'S/ホームズ『リライフプラスvol.13』(扶桑社刊)好評発売中!
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work01 マンションリノベーション@浜田山


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before

物件探しの条件は「築20年から30数年の、ほどほどのヴィンテージ物件」だったという。大きな間取り変更はせず、暮らしやすさを考えてキッチンを対面式にし、水回り空間を調整した。エイジング加工した無垢フローリングやドア、アイアン製の棚などでインテリアの面でもヴィンテージ感をプラスした。

所在地:東京都杉並区
専有面積:95.67㎡
築年:1977年 竣工:2012年5月
家族:夫婦+子ども1人
物件価格:3900万円 工事費:900万円(設計料込み)
撮影:中村風詩人


 

work02 マンションリノベーション@桜新町


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before

「持ち物が管理しやすく、共働き夫婦が生活しやすい家」というリクエストを受け、回遊性が高く、家事が効率よくできる、生活動線の良いプランに。3.5畳のウォークスルークロゼットなども設け、収納計画も万全。17.5畳のLDKは、チークの床と白く塗装した壁でシンプルに仕上げた。

所在地:東京都世田谷区
専有面積:78.53㎡
築年:2002年 竣工:2012年1月
家族:夫婦
工事費:417万円(設計料込み)
撮影:中村風詩人


 

work03 マンションリノベーション@目黒本町


マンションリノベーション@目黒本町|エム・デザイン|リライフプラス連載|リノベーションお役立ち情報|HOME'S/ホームズ
マンションリノベーション@目黒本町|エム・デザイン|リライフプラス連載|リノベーションお役立ち情報|HOME'S/ホームズ閑静な住宅街の中にあり、喧騒とは無縁の立地にあるヴィンテージ・マンションをラフな雰囲気にリノベ。南向きの角部屋で、遮るものは何もなく、日当りも良好。間仕切りなしのワンルームとし、クローゼットや収納にも扉はつけず、オープンな空間に。念願だったというハンモックも、ざっくりとした雰囲気の空間に馴染んでいる。

所在地:東京都目黒区
専有面積:52㎡
築年:不明 竣工:2013年
家族:夫婦
工事費:800万円(設計料込み)
撮影 中村風詩人


 

work04 APART Gallery&Library


APART Gallery&Library|エム・デザイン|リライフプラス連載|リノベーションお役立ち情報|HOME'S/ホームズ
APART Gallery&Library|エム・デザイン|リライフプラス連載|リノベーションお役立ち情報|HOME'S/ホームズ2013年9月、世田谷区用賀にオープンした「300冊の写真集と300冊の建築関係書が揃う交流型空間」がコンセプトの多目的スペース。すでにリノベーションセミナーや写真展、ワークショップなど、多数のイベントを開催している。不動産エージェント・青山物産の福永夕太さんと、写真家・中村風詩人さんの2人が「共同館長」を務め、青山物産、リノベーション会社のエム・デザイン、空間社、写真家の中村さんの4者が出資して運営している。

所在地:東京都世田谷区瀬田4-29-11 833ビルディング3F
URL:http://www.833apart.com
撮影:中村風詩人