『リライフプラス』presents リノベ界の新しいヒーロー(ときどきヒロイン)を探せ! vol.7

リノベーション専門誌『リライフプラス』が注目する、リノベーション界の新しいヒーロー(ときどきヒロイン)にインタビュー。リノベーションを仕事として選んだ理由や手掛けてきた家のこと、仕事以外で好きなこと、などざっくばらんにお話を伺っていきます。

アイダホ|株式会社AIDAHO|リライフプラス連載|リノベーションお役立ち情報|HOME'S/ホームズ


vol.7 株式会社AIDAHO


「あいだ」を考え「あいだ」をつくる建築設計事務所。だからAIDAHO。物静かな澤田淳さんと、エネルギッシュな長沼和宏さんのコンビは漫才のボケとツッコミのようにバランスが良く、このふたりとなら楽しく家づくりができそう、と感じさせる安心感と親しみやすさがある。(左・澤田淳さん、右・長沼和宏さん)


profile


長沼和宏さん|株式会社AIDAHO|リライフプラス連載|リノベーションお役立ち情報|HOME'S/ホームズ


長沼和宏さん


「父は老舗ホテルのメニュープランナー、母はピアノの先生でした。父が有名なホテルで働いているっていうのは、小さい頃はすごい自慢でしたね。母は、毎回オープンハウスに友人知人を連れてきてくれます(笑)」


1979年 東京都生まれ
2001年 日本大学生産工学部建築工学科卒業
2001年~2011年 工務店、設計事務所等に勤務。
インテリアショップでのアルバイトや大工の仕事も経験した。
2011年 長沼デザイン事務所主宰
2012年 澤田淳と共に株式会社AIDAHO設立


 澤田淳さん|株式会社AIDAHO|リライフプラス連載|リノベーションお役立ち情報|HOME'S/ホームズ

澤田淳さん


「両親が公務員で、兄、僕、弟の3人兄弟。小5のときに3畳くらいの子供部屋をつくってもらったのが嬉しくて、基地づくりに没頭しました。元々手を動かすのは好きなんです」。
澤田さんは自他共に認めるラーメン好きで、年間365杯以上は食べているとか。


1980年 千葉県生まれ
2003年 日本大学生産工学部建築工学科卒業
2003年~2012年 設計事務所勤務
2012年 長沼和宏と共に株式会社AIDAHOを設立


 

http://aidaho.jp/


 オフィス|株式会社AIDAHO|リライフプラス連載|リノベーションお役立ち情報|HOME'S/ホームズ
 

Office
悩みまくってつけた事務所名は、
カッコ良すぎないところが自分たちらしい


-AIDAHOという事務所名はどのような理由でつけたのですか?長沼:事務所名はすごく悩みました。ふたりで悩みまくって一周してしまったというか。
澤田:「マグネット」「コンパス」なんて案もありましたが、すでに何社も使われていたり。
それぞれ宿題にして持ち帰ったとき、たまたま会った友人が「こんなのどう?」ってポロッと言ってくれまして。偶然ですが、うちの兄はデザインの会社を経営していて、会社名が「テキサス」っていうんです(笑)。アメリカ好きの兄弟みたいですよね。
長沼:最初に聞いたとき「いいかも!」って。カッコ良すぎないところが自分たちらしいかなって。他とカブらないのも良かった。検索するとアイダホ州とはカブるんですけどね(笑)。あと「A」とか「ア」で始まると見つけやすいんじゃないかという姑息な気持ちもありました。
澤田:「いろんなもののアイダになりたい」「アイダを考えるといい建築ができる」っていう意味合いもあります。-こちらの「ショートケーキビル」は設計事務所やデザイン事務所がたくさん入居されているんですよね。澤田:建物が三角形で、ほんとにケーキみたいな形なんです。4階まで吹き抜けになっていて、中も面白いつくりになっています。中庭でイベントが行われることもあります。
長沼:ここを見つける前に、別のシェアオフィスの下見に行ったらシーンとして物音ひとつしなくて、ここはちょっと無理かなと思って、もう一回探したらここが見つかって。最後の1室だったので「早く入んなきゃ」みたいな感じでしたね。-中庭には馬が2頭いるとHPにありましたが長沼:オーナーさんが青森県十和田市のご出身で、その地方の馬だそうです。オーナーさんの会社が、都内で乗馬体験のイベントをやったりすることもあるみたいです。普段は1階の中庭で生活してます。
月子とりんご|株式会社AIDAHO|リライフプラス連載|リノベーションお役立ち情報|HOME'S/ホームズ

ショートケーキビルのアイドル馬、月子とりんご


Past
海水浴中にかかってきた1本の
電話が運命を変えた!?


-お二人の最初の出会いは?長沼:大学の研究室が一緒だったんです。ただ、澤田は2コ下なのでそんなに交流はなかったんですけどね。卒業後はそれぞれ別の会社で働いてました。
澤田:不思議な先輩っていう印象でした。いい意味で(笑)-その後同じ会社で働いていたんですよね?澤田:3年半勤めた会社を辞めた2日後くらいに長沼から電話がかかってきまして。
長沼:僕が勤めていた会社が急に忙しくなって、上司から人を探すように言われてたんです。研究室の連絡網を使って「ヒマな人いる?」って何人かに電話をかけたら、ある人が「隣にいるよ」って。
澤田:伊豆の海で友人と海水浴中でした(笑)。ちょうどお盆の時期で、同じ研究室だった友人の実家に遊びに行ってたんです。-即オッケーしたんですか?澤田:事務所が「鷺沼」って聞いて、家からすごい近いからいいかなって。当時実家のある船橋市に住んでいたのですが、「鷺沼」って地名があるんです。てっきりそこかと思ったら、神奈川県の「鷺沼」だった(笑)。遠くて、通うのが大変でしたね。
長沼:僕も実家のある千葉に住んでいて、澤田の家が近かったので、いつも二人で車で通ってました。電車で帰ろうとするとかなり早く会社を出なくちゃいけないし、朝から現場がある日なんかは大変なので、週に何回かは会社に泊まってましたね。-その事務所ではどんなお仕事を?長沼:その時々でいろいろと変化していったので、一言では言い表せないです(笑)。僕が入ったばかりの頃はビルや医療施設などの大きめのプロジェクトをたくさんやっていました。2007年くらいからは建築プロデュース会社のコンペによく応募していました。
澤田:その後、建築家と工務店をネットワークしている会社と一緒に仕事をし始めて、それをきっかけにまた集合住宅や住宅の提案をしたりしていました。
長沼:僕はその会社の中でもちょっと変わったポジションで、半独立というか、自分で取ってきた仕事もやったりしていて、自由にやらせてもらってました。-独立のきっかけは?長沼:建築業界で仕事をしてきて感じたことは、仕事の量が景気に大きく左右されるということ。だから、変化し続ける世の中で、常に求められるものをちゃんと提供できるような事務所がつくれたらいいなって。自分がいいと思える仕事が出来て、お金もちゃんともらえて家族を養っていける、という状態を継続できるようにしていきたい。
澤田:建築って一人では完結しない仕事なので、みんなが絡みやすい環境をつくりたい、という気持ちもありました。いろんな人たちとのつながりを大事にして、建築に還元できたらいいなと思っています。

Now
今までにない設計事務所の
あり方を試してみたい


-設立して2年弱ですが、どんな会社にしていきたいですか?長沼:ゆくゆくは人を増やしていきたいと思っています。どういう環境なら働きやすいか、面白いかっていうことを追及して、今までにない設計事務所のあり方を試してみたいですね。
澤田:お客さんが「ほしい」というものを提供できるようになっていきたい。それと、リノベーションのセミオーダーみたいなこともできたらいいなと思っています。
長沼:わかりやすく言うとR不動産のtoolboxみたいな感じですね。ただ、イチから全部自分たちだけでやると開発に時間がかかりすぎるので、お客さんの要望によってはサンワカンパニーの製品をフル活用したり、ニトリのキッチンをアレンジしてかっこよく見せるなど、既製品をうまく取り入れた提案をいろいろとやっています。-言いにくいと思いますが(笑)、お互いのことをどう思っているのでしょうか?長沼:澤田は知識も多いし、建築に突進しているというか。「これがカッコいい」っていうものをきちんと持っている。僕は割と「それはそれでいいよね」っていうタイプなので。
澤田:長沼は外向きで行動力があって、自分にないもの持っている。正直、一人だったら続けられていなかったかもしれないです。-役割分担はどのように?澤田:例えばマンションをリノベーションする場合、僕が既存図を書き起こしながら全体の骨格をつくり、その間に長沼がイメージ写真などを集めたりして、その後二人で方向性を決める作業をする、という感じですね。-設計のアイディアはどのようにして生まれることが多いですか?澤田:ひとり建物探訪、かな(笑)。普通の住宅街をフラフラ散歩して、道の感じとか、屋根の形とか、いろいろ観察するのが好きなんです。
長沼:本屋さんはよく行きます。代官山のツタヤは建築関係の本が充実していて、夜中もやってるので、仕事で煮詰まったときに行くこともあります。建築の本も、それ以外の本も、いろいろ見ますね。民族衣装の写真集を見たり、料理本を読んだり、小説を読んだり、建築と平行していろいろなジャンルの本を読むことで頭を体操させています。-不動産のCtoC(個人間取引)をやってみたいそうですが長沼:リノベーション等、お客さんのニーズが多様化する中で不動産業界がカバーできないことも今後出てくると思っていて、不動産のCtoCのコーディネートみたいなことができたら面白いのではと思っています。設計事務所がCtoCの間に立つことで、仲介手数料を設計料でカバーできるので、仲介手数料を無料にすることもできる。そうすることで、よりリノベーションしやすい世の中になったらいいなと思っています。 

撮影/難波雄史 聞き手/『リライフプラス』編集部 君島喜美子


『リライフプラス』ブログ http://blog.livedoor.jp/relifekk/


『リライフプラスvol.14』(扶桑社刊)|リライフプラス連載|リノベーションお役立ち情報|HOME'S/ホームズ

『リライフプラスvol.14』(扶桑社刊)好評発売中!

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work01 テラスハウスリノベーション@新浦安


テラスハウスリノベーション@新浦安|株式会社AIDAHO|リライフプラス連載|リノベーションお役立ち情報|HOME'S/ホームズテラスハウスリノベーション@新浦安|株式会社AIDAHO|リライフプラス連載|リノベーションお役立ち情報|HOME'S/ホームズ築35年の団地の中にあるテラスハウスをリノベ。クライアントは5年後くらいを目処に転居を考えており、その際は賃貸に出す予定なので、個性的になりすぎず、借り手がつきやいようなデザインにしてほしいという要望もあったという。廊下とLDKとを仕切っていた壁を無くし、LDKを広く開放的な空間につくりかえた。

所在地:千葉県浦安市
専有面積:88.50㎡
築年:1979年 竣工:2014年3月
家族構成:夫婦+子ども3人
工事費:730万円(設計料込み・税別)
施工:大燿リノベーション株式会社
撮影:本多康司/本多康司写真事務所


 

work02 団地リノベーション@たまプラーザ


団地リノベーション@たまプラーザ|株式会社AIDAHO|リライフプラス連載|リノベーションお役立ち情報|HOME'S/ホームズ団地リノベーション@たまプラーザ|株式会社AIDAHO|リライフプラス連載|リノベーションお役立ち情報|HOME'S/ホームズ妻の実家でもある築46年の団地をリノベ。1階なので階段の上り下りもなく、庭付きという好条件。クライアントは都内に一戸建てを所有していたが、子育てがひと段落し、あえてコンパクトな家へと住み替えることを決めた。LDKの南側には庭を望む大きな窓があり、日がたっぷりと入る。夫婦それぞれの個室を設けてプライバシーも確保した。

所在地:横浜市青葉区
専有面積:53.11㎡
築年:1968年 竣工:2014年3月
家族構成:夫婦
工事費:930万円(設計料込み・税別)
施工:株式会社ルーヴィス
撮影:本多康司/本多康司写真事務所


 

work03 マンションリノベーション@東陽町


マンションリノベーション@東陽町|株式会社AIDAHO|リライフプラス連載|リノベーションお役立ち情報|HOME'S/ホームズマンションリノベーション@東陽町|株式会社AIDAHO|リライフプラス連載|リノベーションお役立ち情報|HOME'S/ホームズ間口に対して奥行方向が長い一般的な3LDKの間取りだったため、間仕切り壁を取り払い、必要に応じてガラス入りの建具で仕切ることで、南側の窓から入った自然光が、キッチン、リビング、ダイニング、寝室、玄関へと行き渡るようにした。広いリビングの一部は、子供部屋として仕切れることもできるようになっている。

所在地:東京都江東区
専有面積:66.85㎡
築年:1986年 竣工:2014年1月
家族構成:夫婦+子ども1人
工事費:850万円(設計料込み・税別)
施工:株式会社ルーヴィス
撮影:本多康司/本多康司写真事務所


 

work04 一戸建てリノベーション@鵜の木


一戸建てリノベーション@鵜の木|株式会社AIDAHO|リライフプラス連載|リノベーションお役立ち情報|HOME'S/ホームズ一戸建てリノベーション@鵜の木|株式会社AIDAHO|リライフプラス連載|リノベーションお役立ち情報|HOME'S/ホームズAIDAHOとしての最初の仕事。築40年、旗竿敷地に建つ、再建築不可の木造住宅をリノベした。「キレイにして賃貸に出したい」というクライアントの要望を受け、余分な壁を取り払い、明るく開放的なLDKとなるようデザインした。ある程度築年数も経っている為、補強を兼ねて内部壁面は構造用合板を貼り、白く染色して仕上げた。

所在地:東京都大田区
専有面積:98.66㎡
築年:1972年 竣工:2012年11月
形態:賃貸住宅
工事費:570万円(設計料込み・税別)
施工:大燿リノベーション株式会社
撮影:本多康司/本多康司写真事務所