追い焚き機能付きの物件は、いつでも温かいお風呂を楽しめる便利な設備ですが、すべての賃貸物件に備わっているわけではありません。
追い焚き機能のない物件を検討している人の中には「後付けはできるの?」「そもそも必要なの?」と疑問に感じることもあるでしょう。
この記事では、追い焚き機能付き物件のメリットや注意点、後付けの可能性について詳しく解説します。
追い焚きができる物件
追い焚き機能付き物件の割合は?

参考までに、LIFULL HOME’Sに掲載されている物件(2025年1月時点)を間取り別に見てみると、東京都、大阪府、宮城県、福岡県、北海道および沖縄県における賃貸マンションの追い焚き機能の設置率は以下のとおりです。
地域 | ワンルーム、1K | 1LDK | 2LDK | 3LDK |
|---|---|---|---|---|
東京都 | 7,252件/56,609件(12.8%) | 16,611件/22,088件 (75.2%) | 11,798件/13,723件(86%) | 3,551件/4,317件 (82.3%) |
大阪府 | 3,627件/64,491件(5.6%) | 8,144件/17,601件(46.3%) | 5,271件/10,705件(49.2%) | 2,495件/6,501件(38.4%) |
宮城県 | 864件/3,079件(28.1%) | 728件/945件(77%) | 396件/534件(74.2%) | 189件/257件(73.5%) |
福岡県 | 963件/9,635件(10%) | 3,322件/6,253件(53.1%) | 3,216件/5,185件(62%) | 1,280件/2,815件(45.5%) |
北海道 | 49件/4,990件(1%) | 863件/10,806件 (8%) | 2,555件/6,835件(37.4%) | 1,009件/2,738件 (36.9%) |
沖縄県 | 2件/326件(0.6%) | 47件/323件 (14.6%) | 18件/233件(7.7%) | 6件/78件 (7.7%) |
基本的には、単身向けよりもファミリータイプの物件に追い焚き機能は多く設置されていることが分かります。
また、東京都では、他県と比べて、単身用とファミリータイプともに追い焚き機能のある物件が多いです。これは、首都圏で快適性を重視する需要が高いことを反映していると考えられます。
一方で温暖な気候である沖縄では湯温を保つ必要が少ないためか、全体的に追い焚き機能付きの物件は少ないことが分かります。
このように、追い焚き機能が設置されているかどうかは間取りや地域によって大きく異なります。
追い焚き機能付き賃貸の探し方をチェック

LIFULL HOME’Sでは「追い焚きができる物件」に絞って検索ができます。
たとえば、東京都内で物件を探す場合、「東京都」のエリアを選択し、さらに沿線や地域を細かく絞り込むことで、条件に合った物件一覧が表示されます。
追い焚きができる物件
追い焚き機能の後付けは可能?

追い焚き機能を賃貸住宅に後付けすることは可能ですが、現実的には難しいといえます。
理由は以下のとおりです。
- 管理会社や大家の許可が必要
- 工事費用が高額
まず給湯器の交換や配管工事が必要となるため、管理会社や大家さんの許可が必要です。また、工事費用が高額になる傾向があり、費用対効果の観点から賃貸住宅への後付けは一般的ではありません。
仮に設置できたとしても、追い焚き機能は物件価値を向上させる設備と見なされることはまれであるため、退去時に原状回復を求められる可能性も考えられるでしょう。
後付けの代替手段として、市販の「追い焚きアイテム」を利用する方法があります。たとえば、水中用のヒーターを使用することで、お湯を温めることが可能です。
ただし、水中用のヒーターを使用する際は安全性と機能性に十分に配慮する必要があります。浴室の近くにコンセントがあるか、使用可能な電圧・電流に対応しているかなどを事前に確認しましょう。
追い焚き機能付き物件のメリット

追い焚き機能付き物件には、快適な暮らしを支える多くのメリットがあります。ここでは、具体的な3つのメリットを詳しく解説します。
いつでも温かいお風呂に入れる
追い焚き機能があれば、時間を気にせずいつでも温かいお風呂を楽しめます。仕事で帰りが遅くなった日や朝風呂でリフレッシュしたいときにも、お湯を再加熱するだけで快適な温度に戻せます。
新たにお湯を沸かす手間も省けるため、時間の節約にもつながり、忙しい毎日を送る人にとって大きなメリットといえるでしょう。
また、家族がそれぞれ異なる時間帯に入浴する場合でも、常に快適な温度のお湯を維持できる点は、追い焚き機能ならではの魅力です。
水道代の節約につながる
追い焚き機能は、ガス代はかかりますが、水道代の節約につながる大きなメリットがあります。
一度浴槽にためたお湯を再加熱して使用するため、新たに水を補充する必要がなく、効率的にお湯を使用できます。
以下の表は、「新しいお湯を使う場合」の風呂水にかかる水道代の例です。
項目 | 新しいお湯を使う場合 |
|---|---|
水道代(1日あたり) | 48円 |
風呂水にかかる年間水道代(365日) | 1万7,520円 |
※入れ替える量が一般的な浴槽の容積である200Lとして、1Lあたりの単価を0.24円とした場合
たとえば、毎日新しいお湯を用意して入浴する場合、年間で約1万7,520円もの水道代が発生しますが、追い焚き機能を使えば、水道代を抑えることが可能です。
特に入浴時間がバラバラな家庭や、頻繁に入浴する家庭では、追い焚き機能の経済的メリットがさらに大きくなります。
家族構成やライフスタイルに合わせて追い焚き機能付き物件を選ぶことは、家計に優しい選択といえるでしょう。
自動足し湯など便利な機能が充実している
追い焚き機能には、ほかにも以下のような便利な機能が付いている場合があります。
機能 | 特徴 |
|---|---|
保温機能 | ・浴槽のお湯を一定の温度に保てる ・湯冷めを気にする必要がなく、好きなタイミングで入浴できる ・家族が順番に入浴する際にも、再加熱の手間が省ける ・複数人での利用にも適している |
自動足し湯機能 | ・入浴中にお湯が減った際、自動で適量のお湯を補充する機能 ・家族全員が入浴する場合や、長時間入浴する場合でも、浴槽内の湯量が一定に保たれる ・入浴中にお湯が少なくなったり、冷たくなったりすることを防げる ・自動で補充されるため手間がかからない |
これらの便利な機能が付いた追い焚き機能付き物件を選ぶことで、日々の入浴がさらに快適で便利になります。
特に、家族全員の入浴スタイルやライフスタイルに合った物件を選ぶ際には、こうした付加機能にも注目することをおすすめします。
追い焚きができる物件
追い焚き機能付き物件を契約する際の注意点

追い焚き機能付き物件は多くのメリットがありますが、契約する際には注意すべきポイントもいくつかあります。ここでは、想定外のトラブルを避けるために知っておきたい注意点を詳しく解説します。
家賃が割高になる
追い焚き機能は物件の設備として魅力的ですが、その分家賃がやや高めに設定される傾向にあります。そのため、頻繁に追い焚きを使用しない場合は家賃に見合うメリットを感じにくいでしょう。
たとえば、一人暮らしでお風呂の利用頻度が低い方は、家計への負担が大きくなる可能性があります。契約する前に、自身のライフスタイルと照らし合わせ、追い焚き機能が必要かどうかを慎重に決めましょう。
定期的な掃除が必要
追い焚き機能を持つ浴槽は、配管内部に汚れやカビがたまりやすいため、定期的な掃除が必要です。掃除を怠ると、配管が詰まる、異臭が発生するといった問題が生じる可能性があります。
最悪の場合、これらの問題を放置したまま退去すると、原状回復費用を請求されるケースもあるため注意が必要です。
こうしたトラブルを防ぐためには、専用のクリーナーを使用し、定期的に配管の内部を洗浄することが大切です。追い焚き機能の使用頻度が高いほど、掃除に手間がかかる点についても留意しておきましょう。
好きな入浴剤を使えない場合がある
追い焚き機能付き物件では、配管を傷める恐れがある成分を含む入浴剤の使用が禁止されている場合があります。
特に塩化ナトリウムや酸化チタンを多く含む入浴剤は、配管や給湯器を劣化させ、設備の寿命を縮める可能性が高いため注意が必要です。
使用する前に必ず注意事項を確認し、追い焚き対応の入浴剤を選ぶようにしましょう。万が一、制限を知らずに使用してしまうと、設備が損傷し、修理費用を負担しなければならない場合もあります。
入浴剤を選ぶ際には、パッケージや説明書をよく読み、設備を保護しつつ快適に入浴を楽しみましょう。
まとめ

追い焚き機能付き物件は、忙しい日々を送る方や家族での利用にとって便利で快適な設備ですが、契約前に注意すべき点もあります。
ライフスタイルに合った物件を選ぶためには、追い焚き機能の必要性を考え、メリットと注意点を理解することが重要です。後付けや市販アイテムの活用も視野に入れながら、適した選択をしましょう。
物件探しの際は、LIFULL HOME’Sの「追い焚きができる物件」検索ページを活用するのがおすすめです。追い焚き機能をうまく活用して、日々のバスタイムをより快適に楽しみましょう。
追い焚きができる物件
公開日:










