賃貸住宅で主流となっているフローリングは、掃除の手間がかからなかったりダニが発生しにくかったりと、さまざまなメリットがあります。その一方で、フローリングの上にものを落とすとキズが付いてしまう点や、水に弱いといった点はデメリットといえます。
特に賃貸住宅では、フローリングにキズがつくと退去時に原状回復を求められる可能性があります。そのため、賃貸住宅のフローリング保護をどうすればよいのか、気になる人は多いでしょう。

この記事では、フローリングをキズから守る方法や、どの程度キズがつくと退去時に修繕費を請求されるのかなどについても説明します。賃貸住宅のフローリングをどうすべきか悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
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キズの防止を目的とした場合、賃貸住宅のフローリングに何かを敷くことは有効です。

 

カーペットやラグ、クッションフロアなどを敷くことで、家具や日常生活での摩擦によりキズがつくことを防ぎ、退去時の修繕費用を抑えられる可能性があります。

 

それだけでなく、快適性の向上も期待できます。特に冬場はフローリングが冷たく感じるため、ラグや防寒シートを敷くことで暖かさを保てるでしょう。小さな子どもやペットがいる家庭では、防音や安全性を考慮し、クッション性のある素材を選ぶのがおすすめです。

 

ただし、通気性の悪い敷物を使用すると湿気がこもり、カビの原因になることもあるため、定期的な掃除と換気が必要です。

 

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フローリングに敷くものとして選ばれることが多いのが、カーペットです。

 

しかし、ダニやカビの原因となったり、素材によってはフローリングにキズがついたりするなどのデメリットもあります。フローリングにカーペットを敷く際には、こうしたデメリットも把握しておくことが大切です。

 

ここからは、フローリングのキズ防止のためにカーペットを敷くメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。

フローリングのキズ防止に、カーペットを敷くメリットは以下のとおりです。

  • 家具の移動や椅子のキャスターによる擦りキズを防げる
  • 落下物による衝撃を吸収し、フローリングへのダメージを軽減してくれる

ダイニングでは、ご飯を食べるときにダイニングテーブルの椅子を動かすことが多いでしょう。フローリングのままでは、椅子を動かす際に擦りキズがつく可能性があります。しかし、カーペットを敷いていれば、キズを防ぐことが可能です。

 

また誤ってものを落としたときも、カーペットが衝撃を吸収してくれるため、フローリングへのダメージが軽くなるメリットもあります。

フローリングにカーペットを敷くデメリットとしては、以下が挙げられます。

  • ダニやカビが発生しやすい
  • 定期的に掃除する必要がある
  • 家具の跡が残ることがある

カーペットは布製のため湿気が溜まりやすく、ダニやカビが発生しやすいのがデメリットです。ふさふさとした繊維はダニの温床となりやすいでしょう。そのため、喘息や鼻炎などのアレルギー症状に悩まされる可能性もあります。

 

また、ダニやカビの発生を防ぐには定期的に掃除をしなければなりません。カーペットは、フローリングよりも入念に掃除機をかける必要があり、手間がかかります。

 

さらにカーペットの素材によっては、フローリングよりも家具の跡が残りやすいケースもあります。定期的に家具の位置を移動することで軽減できるでしょう。

カーペットの種類には、ウールや綿麻などの天然素材と、石油から人工的につくられた化学繊維があります。カーペットを敷く際は、フローリングに優しい素材である天然素材のカーペットを選ぶとよいでしょう。

 

化学繊維が原材料であるカーペットは吸水性が低いため、暑い時期になるとフローリングが蒸れる可能性があります。カーペットの上で寝転ぶことが多い場合は、体温でさらに湿気がこもりやすくなります。

 

湿気がこもらないよう、定期的にカーペットを外して掃除や換気を行うことが大切です。

 

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賃貸住宅のフローリングにキズをつけると、貸主から原状回復費用を請求される可能性があります。そのため、日常生活でフローリングにキズをつけないように注意することが必要です。

 

ここでは、賃貸住宅のフローリングをキズから守る方法について解説します。

カーペットの性能や種類にはさまざまなものがあるため、場所ごとに適した敷物を活用しましょう。

 

たとえば、キャスターつきの椅子の下にはチェアマットを敷き、キッチン・ダイニングなどものを落としやすい場所にはラグやクッションフロアを敷くのがおすすめです。ダイニングにはカーペットを敷くと、椅子を引き出すときの音やキズを軽減できるでしょう。

 

子どもが遊ぶ場所には、ジョイントマットやタイルカーペットがおすすめです。汚れた場所のみを部分的に洗えるため、子どもが食べ物や飲み物をこぼしても掃除がしやすいでしょう。

フローリングのキズを防ぐ対策では、フェルトパッドやクッションシールなどの保護パッドを家具の脚に貼ることもおすすめです。家具の脚に保護パッドを貼っておけば、家具を引きずる際にフローリングとの摩擦を軽減できます。

 

透明な塩化ビニル製でつくられた目立たない保護パッドもあるため、目立つものをつけたくない人でも取り入れやすいでしょう。

 

ただし、家具の脚が細い場合、保護パッドだけではフローリングのキズを防ぐのは難しい可能性があります。保護パッドを貼りっぱなしにするのではなく、定期的にフローリングがキズついていないかチェックするようにしましょう。

 

キャスターつき家具にはキャスターストッパーを使用すると、転がりを防止し、滑り止め効果があるためキズ防止に効果的です。

フローリングにワックスをかけるのも、キズや汚れを防ぐのに効果的です。フローリングは乾燥するとキズがつきやすい状態になるため、ワックスを塗って乾燥を防ぐことが大切です。

 

ただし、ノンワックス仕様のフローリングはワックスを使用すると、密着不良によって一部分だけ抜けたように剥がれを起こすため、塗ってはいけません。ノンワックス仕様とは「ワックスを塗らなくてもよい」という意味ではなく、「ワックスを塗ってはいけない」床材のことです。

 

賃貸住宅のフローリングにワックスをかける際は、事前に大家さんや管理会社に確認を取ってから行うようにしてください。

国土交通省では「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を出しており、賃貸住宅の退去時における原状回復義務の責任範囲について、妥当と考えられる一般的な基準を示しています。

 

このガイドラインによると、通常の使用による自然な損耗や、経年劣化と判断されるキズについては、借主に修繕費が請求されないことが一般的です。

 

原状回復は、借主が借りた当時の状態に戻すものではないため、自然損耗や経年劣化による損傷は貸主が負担するとされています。

 

ただし、借主の過失や不適切な使い方によって生じたキズ(家具を引きずったことによる大きなキズ、ものを落としてできた大きなへこみなど)は、修繕費を請求される可能性があります。

 

賃貸住宅に住むときは他者の所有物件であるということを意識して、日頃から丁寧な暮らし方をすることが必要です。

 

参考:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」

 

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賃貸住宅のフローリングは、キズをつけると原状回復費用を請求される可能性があるため、キズを防ぐためにどうしているのか気になる人は多いでしょう。フローリングのキズ防止には、カーペットを敷くのが一般的です。

 

カーペットを敷いていれば、家具の移動や落下物によるフローリングのキズを防げるでしょう。しかし、カーペットは湿気がたまりやすく、ダニやカビが発生しやすいというデメリットもあります。そのため、定期的な掃除が必要となるでしょう。

 

また、キャスターつきの椅子の下にはチェアマットを敷き、ダイニングのように物を落としやすい場所にはラグやクッションフロアを敷くなど、場所に適した敷物を活用することも大切です。ほかにも、家具の脚に保護パッドを貼ったりフローリングにワックスをかけたりするなど、フローリングをキズつけないように心がけましょう。 

 

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