アパートやマンションでは、どうしても上の階の足音が気になってしまうことがあります。集合住宅での騒音トラブルは決してめずらしくなく、誰にでも起こり得る問題といえるでしょう。

今回は上の階の足音がうるさいと感じたときに、どのように対応するのがスマートなのか、具体的な対処法をご紹介します。また、自身がうるさいと言われてしまったときの対処法も詳しく見ていきましょう。

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アパートやマンションといった集合住宅において、生活音に関するトラブルは決してめずらしくない出来事です。国土交通省が公表した「令和5年度マンション総合調査結果報告書」によれば、マンションで起こったトラブルのうち、生活音に関するものは43.6%であり、もっとも大きな割合を占めていることが明らかにされています。

 

築年数との関係性を見ても、新しい物件の方が件数自体は減る傾向にあるものの、全体の比率で見れば、むしろその他の原因よりも増加しているのが特徴です。たとえば、2020(令和2)年以降に建てられたマンションでのトラブルのうち、生活音に関するものは57.4%となっています。

 

このように、新しい物件だからといって、必ずしも足音のトラブルを避けられるわけではありません。生活音は誰にとっても身近な問題であるため、個人レベルでも対策をとっておくことが重要といえるでしょう。

 

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上の階の足音がうるさいと感じたときには、どのように対処するのがよいのでしょうか。ここでは、基本的な注意点と対策の流れについて見ていきましょう。

上の階の足音が原因であると分かっていても、直接その居住者にクレームを伝えるのはNGです。騒音に関する考え方は人それぞれであり、建物の構造によっては、相手にまったく自覚がないほどの小さな音でも大きく響いてしまうことがあります。

 

騒音元に直接文句を言ってしまうと、不必要に相手を逆上させ、トラブルになる恐れもあるでしょう。また、物件のつくりによっては、騒音元が別の部屋の可能性もあります。

 

集合住宅では、音や振動が壁や床を伝わって、遠い部屋まで伝わってしまうこともめずらしくありません。そのため、決して安易な決めつけはせず、冷静に対処法を検討することが大切です。

さらなるトラブルに発展するのを避けるためにも、騒音が気になる場合は、とにかく管理会社に相談するのが近道です。管理会社は物件の管理を専門に行うプロフェッショナルであるため、個人で解決を図るよりもスムーズな働きかけが期待できます。

 

また、貸主が自身で管理をしている場合は、貸主に相談をして間に入ってもらうことが重要です。管理会社や貸主に相談をすると、まずは状況を把握したうえで、入居者全員に張り紙や手紙で通知してくれるのが一般的です。

 

それでも改善が見られない場合は、改めて騒音元に直接注意してもらうこととなります。丁寧に段階を踏んで進めてもらうため、自身で直接文句を伝えるよりはトラブルに発展しにくいといえるでしょう。

管理会社や貸主に連絡する際は、客観的な情報を伝えるためにも、「いつごろから」「どんな音が聞こえるか」などの記録を残しておくのが理想的です。また、動画撮影をしておくと、音の性質や時間帯なども記録できるので、正確な情報が伝わりやすくなるでしょう。

集合住宅の騒音トラブルは、本人に自覚がないまま発生してしまうケースも少なくありません。アパートやマンションで2階以上の部屋に住んでいる場合、自身が足音に関するクレームを受けてしまう可能性も考えられます。

 

ここでは、足音がうるさいと言われてしまったときの対処法についても確認しておきましょう。

騒音に関する自覚がない場合、歩き方の癖によって大きな足音が発生してしまっている可能性もあります。特にかかとから着地する「かかと歩き」は、全体重が一点に集中するため、思っている以上に衝撃音が発生しやすいです。

 

つま先から静かに着地させることを心がけるだけでも、足音の問題が解消される場合があるので、まずは歩き方を見直してみるとよいでしょう。ただし、小さな子どもがいる家庭では、歩き方の改善を徹底するのは現実的に難しいといえるため、次のような対策が有効です。

床に防音マットを敷き詰めることで、足音の問題が軽減される場合があります。その上に毛足の長いカーペットを敷けば、着地の衝撃が吸収され、さらに騒音が周囲へ伝わりにくくなります。

子どもが走り回る足音が気になる場合は、家具のレイアウトを調整してみるのも一つの方法です。部屋の真ん中にソファやテーブルを設置して室内の直線距離を短くするなど、配置換えを行うことで足音の問題が解消されるケースもあります。

自身の足音が気になる場合は、足音を吸収してくれるルームシューズを取り入れるのも効果的です。底にウレタンやポリエステルスエードなどの素材を使用したシューズであれば、パタパタ音が鳴りにくくなるため、足音の対策に役立ちます。

 

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足音は日ごろの注意によって軽減される部分もありますが、生活音の伝わりやすさは、物件の構造や状態に左右される面もあります。騒音トラブルを避けるためには、部屋探しの段階で、防音性の高い物件に条件を絞り込むのも一つの方法です。

 

ここでは、足音のトラブルを避けるための物件選びで重視したいポイントをご紹介します。

上階の足音を気にしたくない場合は、次のような条件を重視しながら部屋探しを進めてみるとよいでしょう。

  • RC造やSRC造の建物
  • 子育て世帯が少ない物件
  • 最上階にある部屋
  • 共用部分が綺麗な物件

■RC造・SRC造の建物

RC造やSRC造の建物は、建材にコンクリートが使われているため、防音性が高くなるのが特徴です。多くのマンションはRC造かSRC造で建てられているため、木造や軽量鉄骨造が多いアパートと比べると、防音性が高い物件が多いとされます。

 

■子育て世帯が少ない物件

子どもがいる世帯では、どうしても部屋を走り回る足音などで騒音が発生しやすく、注意しても改善が難しいのが実情です。一人暮らしであれば、単身世帯向けの物件や、ファミリー世帯向けの間取りが混在していない物件を選ぶのも足音を避けるコツといえます。

 

■最上階にある部屋

上階からの足音問題を避けるには、最上階の物件に絞り込んで部屋探しを進めてみるのも有効です。ただし、その場合も自身の足音対策や隣室からの防音対策は必要となります。

 

■共用部分が綺麗な物件

内見の際には、共用部分の使われ方にも目を向けておくことが重要です。なぜなら、共用部分の状態から物件の管理状況や入居者のマナーを探ることができるためです。

 

たとえば、「管理が行き届いていない」「駐輪場のマナーが守られていない」「エントランスに騒音トラブルを注意喚起する張り紙がある」などの気になる点があれば、管理状況や入居者のマナーに問題が隠されている可能性があります。

反対に、子どもがいる世帯などで、なるべく自室の足音を気にせずに済む物件を探す場合は、次のようなポイントを意識してみるとよいでしょう。

ポイント

  • RC造、SRC造の建物
  • 1階の部屋
  • 下階が共用部分あるいは店舗などになっている部屋

■RC造・SRC造の建物

RC造・SRC造の物件は、建物自体の防音性が高いため、自室の音も響きにくくなります。

 

■1階の部屋・下が共用部分あるいは店舗などになっている部屋

自室の足音を気にしたくない場合は、1階の部屋を探してみるのもおすすめです。1階は防犯性などを気にされる方もいますが、階下を気にする必要がないだけでなく、物件によっては専用庭を使える場合があるなど、上階にはないメリットがあります。

 

また、階下を気にする必要がないという点で、下が共用部分や店舗などになっている部屋もおすすめです。

LIFULL HOME’Sには、防音性の高い物件や足音のトラブルを避けやすい物件を効率的に探せる特集ページがあります。駅や路線、地域から簡単に希望の物件を絞り込めるので、理想の部屋探しにぜひご活用ください。

 

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最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。

Q:上階の足音がうるさいときはどのように対処したらよい?

A:さらなるトラブルに発展する恐れがあるため、直接騒音元へクレームを言うのは避けましょう。まずは騒音の状態を動画などで記録に残し、管理会社か貸主に相談をしたうえで対処法を検討してもらいましょう。

Q:足音を気にせずに済む物件探しのコツは?

A:基本的には防音性が高いRC造・SRC造の物件を中心に探し、そのうえで最上階の部屋や子育て世帯の少ない物件に絞り込むのがコツです。また、内見の際には共用部分もチェックし、管理状態や入居者のマナーを確かめておくとよいでしょう。

 

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