同棲や結婚を機に初めて二人暮らしをする人も多いですが、これまで一人暮らしや実家暮らしをしていた人にとっては食費や光熱費が大きく変わることになります。

その中でもガス代は、使用頻度やガス会社の契約内容によって高額になることもあり、ガス代が高くて悩む人もいます。

新生活の家計を圧迫しないためには、ガス代を節約しつつ快適に暮らせる方法を知っておくことが重要です。

今回は、二人暮らしでガス代が高くなる理由と節約方法について解説します。平均的なガス代も紹介しますので、これから二人暮らしをする人は参考にしてください。

都市ガスが使える物件新婚・同棲にぴったりな物件

 

総務省の「家計調査」によると、二人以上の世帯が2023年1月から12月までに支出したガス代の全国平均額は月5,209円でした。

 

2022年以前は4,000円台で推移していましたが、世界情勢の変化や急激な円安の影響を受けたことで燃料費が高騰し、5,000円を超える平均額となっています。

 

このように、国際的な情勢や原油価格の変動など、複合的な要因で燃料費が影響を受けているため、今後も価格が上昇する可能性は否定できません。

 

ガス代は季節によっても変動し、特に夏と冬では大きな差があります。

 

この章では、総務省が公開している「家計調査(家計収支編)時系列データ」を参考に、夏と冬の全国平均額を紹介します。

 

2023年6月から8月にかけてのガス代は、以下のとおりです。

6月

7月

8月

平均

ガス代

4,736円

3,999円

3,266円

4,000円

ガスを使用する主な家電として、ガスコンロや給湯器が挙げられます。夏は暑いため、自宅でのガスコンロの使用頻度が減る傾向にあります。

 

また、水温も高いので、お風呂のお湯を沸かすために必要なエネルギーが少なくて済み、結果的にガスの消費量が抑えられます。ただし、汗をかくことでお風呂の回数が増えるとガス代は高くなります。

 

2023年12月から2024年2月にかけてのガス代は、以下のとおりです。

12月

1月

2月

平均

ガス代

4,596円

5,904円

6,461円

5,654円

冬季は暖房機器と給湯器の使用が増えるため、ガス代は年間でもっとも高くなります。

 

入浴時間も長くなるほか、冷めた料理を温め直す頻度も増えるため、この季節のガス代には注意が必要です。二人のライフスタイルが異なる場合は、入浴時間に配慮する必要があるでしょう。

 

また、北海道や東北のような寒冷地では、さらにガス代が高額になる可能性があります。寒冷地への引越しを検討している人は、事前に住む場所の平均額を把握しておくと安心でしょう。

 

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ガス代が高くなる原因には、家電の使用頻度のほか、ガスの種類や契約プランも関係します。

 

また、自動モードや省エネモードの存在を知らず、効率の悪い設定で使ってしまい、必要以上にガスを消費しているケースも考えられます。

 

この章では、ガス代が高くなる原因についてより詳しく解説します。

 

供給されるガスには「都市ガス」と「プロパンガス」があり、次のような違いがあります。

都市ガス

自治体が整備したガス管を通じて自動的にガスが供給される

プロパンガス

指定会社がガスのボンベを各家庭に供給し、ボンベが空になる前に会社が交換する

プロパンガスは、ボンベの配送や交換に手間がかかるため、都市ガスよりもガス代が高くなります。

 

日本生活協同組合連合会「電気・ガス料金調査」(2019年)の調査結果によると、賃貸の集合住宅のうち、都市ガスを利用している割合は59.3%ですが、地域によってプロパンガスしか選べない場合があります。

 

そのため、プロパンガスではない賃貸を中心に探すことで、ガス代を抑えられるでしょう。

 

多くのガス会社では、ライフスタイルに合わせたプランを用意しています。そのため、二人のライフスタイルに合ったプランを選ぶことが重要です。

 

たとえば、日中の方が夜よりもガスの単価が安いプランで契約していても、日中には家に誰もいないといったライフスタイルでは、契約のメリットを生かすことができません。

 

単価の高い夜のガスばかりを使用してしまい、ガス代は高額になってしまいます。

 

また、季節によってガス使用量が大きく変わる人は、一定の使用量までは定額で利用できるプランを選ぶと、ガスを多く使う時期に定額範囲を超えてしまいます。

 

このように、契約内容とライフスタイルが合っていないと予想以上にガス代が高くなるので、ガス代が高いと感じた場合は一度契約プランを見直し、ライフスタイルに合っているか確認しましょう。

 

普段の生活の中で、ガスを無駄遣いしていることに気づいていない人も少なくありません。特に給湯器の温度設定が高すぎたり、弱火で料理を長時間保温したりする習慣がある人は注意が必要です。

 

ガス代が高いと感じる人は、普段の生活を見直しましょう。

 

たとえば、お風呂のお湯を沸かす際は必要な量だけ沸かす、ガスコンロを使う際には鍋の大きさに合った火力で調理するなど、ちょっとした心掛けでガス代を抑えられます。

 

ガス代を抑えることは大事ですが、ストレスにならないよう無理のない範囲で続けることが大切です。快適な二人暮らしを実現するために、ここからは生活の質を落とさずに実践できるガス代の節約術を紹介します。

 

節水シャワーヘッドに交換すると、水の使用量が大幅に減るため、水道代だけでなく、お湯を温めるためのガス代も節約できます。

 

特に冬場はシャワーのお湯の使用量が増えるため、節水シャワーヘッドへの交換は、大きなガス代の節約になるでしょう。

 

浴槽に保温シートを浮かべ、浴槽のお湯の熱を逃がさないようにすることで、追いだきの回数を減らし、ガス代の節約につながります。

 

特に二人暮らしでは、入浴のタイミングがずれることが多いため、浴槽の保温シートは大きな節約効果となるでしょう。

 

保温シートには、アルミ蒸着タイプや発泡ポリエチレンタイプなど、さまざまな種類があります。浴槽のサイズや形状、保温効果の高さなどに合わせて適した保温シートを選びましょう。

 

電子レンジは短時間で加熱できるため、湯せんするよりも光熱費は抑えられます。そのため、少量の料理を温める場合は電子レンジを利用し、ガスを使わないのもひとつの手です。

 

ただし、大きな鍋で調理したスープやカレーは電子レンジでうまく加熱できないことがあり、かえって電気代が高くなることがあります。この場合は、ガスコンロの方が短時間で効率よく加熱できるため、光熱費は安く済みます。

 

このように料理の量によって適した加熱方法は異なるため、注意が必要です。電子レンジの活用は少量調理で行いましょう。

 

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