賃貸物件を選ぶ際の基準の1つにどのくらいの初期費用が必要なのか確認する人は多いでしょう。初期費用が高いと入居者にとって大きな負担となります。そこで「初期費用なし」の賃貸物件を選択肢に入れている人もいるのではないでしょうか。
今回は、初期費用なしの賃貸物件は本当に初期費用がかからないのか、仕組みと併せて解説します。また、初期費用なしの賃貸物件のデメリットや注意点なども解説するため、賃貸物件を探している人は参考にしてください。
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「初期費用なしの賃貸物件」は本当にゼロ円?

大家さんや不動産会社が初期費用なしの賃貸物件を公開する理由として、なるべく早く入居してほしいという要望があるためです。大家さんや不動産会社にとって空室期間が長い部屋があると収益が悪化してしまうことから、入居者の問合せを増やすために、初期費用なし賃貸物件として公開することがあります。
ただし、初期費用のすべてがゼロ円になるわけではなく、敷金と礼金だけが無料となり、ほかの諸費用については費用が発生するケースが一般的です。
このことからも、想定外の費用がかからないよう、初期費用なし物件について正しく理解しておくことが大切です。
一般的な初期費用の内訳
先述したとおり、初期費用なしの賃貸物件では敷金・礼金が無料になり、そのほかの費用は発生するのが一般的です。賃貸物件を借りる際にかかる一般的な費用として、次のような内容があります。
初期費用の内訳 | 内容 | 相場 |
|---|---|---|
敷金 | 民法622条で定められる費用で、一時的に賃貸人へ預ける資金のこと。退去時に賃借人が負担すべき修繕費が発生した場合に使用する。賃借人の費用負担がない場合は返還される。 | 家賃の1~2ヶ月分 |
礼金 | 貸借人に部屋を貸してくれるお礼として支払う費用のことで、法律の定めはなく退去時に返還されない。 | 家賃の1ヶ月分 |
前家賃 | 入居する月と翌月分の家賃のことで、契約内容によっては事前に支払う必要がある。 | 家賃の2ヶ月分 |
仲介手数料 | 不動産会社へ支払う報酬のこと。国土交通省によって賃貸人と賃借人から支払われる報酬額の合計が「1ヶ月分の家賃+消費税」までと定められている。 | 1ヶ月分の家賃+消費税が上限額。ただしゼロ円のケースもある。 |
保証料 | 保証会社へ支払う保証料のこと。万が一賃借人が家賃を滞納した場合には、保証会社が家賃を立て替えることになる。 | 家賃の0.5~1ヶ月分。 ただし契約更新時に追加で請求されることもある |
鍵の交換費用 | ドアの鍵を交換する費用のことで、賃貸借契約書に賃借人の負担だと明記されていなければ拒否できるケースもある。 | 1万~2万円 |
初期費用なしの賃貸物件の仕組み

初期費用なしを謳っている賃貸物件には、以下のようなものがあります。
- 敷金、礼金ゼロ
- 一定期間家賃が無料(フリーレント物件)
敷金・礼金ゼロとは、先述したとおり敷金と礼金が無料になる仕組みです。敷金と礼金は、それぞれ家賃の1~2ヶ月分であるケースが多く、これらが無料の物件を選ぶことによって初期費用を抑えられます。
また、初期費用なしの物件には、一定期間家賃が無料になるフリーレント物件もあります。フリーレント物件では、1~3ヶ月分の家賃が無料になるケースが一般的です。家賃が無料になるため、初期費用の際に支払う前家賃が発生しないケースも多く、初期費用の節約につながります。
ただし、フリーレント物件は築年数が古かったり駅から遠かったりするなどの注意点もあるため、これらも考慮したうえで選ぶことが大切です。
初期費用なしの賃貸物件のデメリット

初期費用なしの賃貸物件は、入居者の負担が少なく魅力的です。しかし、次のようなデメリットもあります。
デメリット
- 家賃が割高になる可能性がある
- 人気のない物件が多い
- 退去時の費用が高くなる場合がある
ここでは、それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
家賃が割高になる可能性がある
初期費用なしの賃貸物件の場合、相場よりも家賃が高くなっていることがあります。特に敷金は部屋の修繕費用として利用されるため、無料にしてしまうと大家さんの負担が大きくなってしまうおそれがあります。
そこで、初期費用を想定入居年月で割り戻したうえで家賃に加算し、全体的な費用を確保しているケースがあります。このような物件では、長く住むほど負担が大きくなってしまい、初期費用を満額支払った方が総額は安くなることもあるため、注意しましょう。
人気のない物件が多い
初期費用なしにしている賃貸物件は、人気がない物件であるケースが多い傾向です。人気のある賃貸物件であれば、敷金・礼金が発生しても入居したいという人は多いでしょう。
一方で人気のない賃貸物件は、敷金・礼金を無料にすることで入居者の問合せを増やそうとすることがあります。そのため、初期費用なしの賃貸物件を検討する際には、以下を確認しましょう。
- 築年数
- 駅までの距離
- 間取り
- 日当たり
- 室内設備
たとえば、耐震性を重視するのであれば、築20年未満の物件がよいとされています。また、通勤に電車を利用するなら、駅までの距離も気にする必要があるでしょう。さらに初期費用なしの賃貸物件では、オートロックといった設備がないケースもあります。
このように初期費用なしの賃貸物件は、築年数や立地などの影響で人気がない物件であるケースが多いため、自身にとって外せない条件の優先順位をつけておくとよいでしょう。
退去時の費用が高くなる場合がある
入居者は、退去時に住んでいた部屋を原状回復する義務があります。原状回復を行ううえで、修繕が必要になったときには敷金から支払うのが一般的です。しかし、敷金が無料の賃貸物件では修繕に充てる費用がない状態になります。そのため、退去費用として修繕費を請求される可能性があります。
金額によってはすぐに支払うことができずトラブルになってしまうケースもあるため、初期費用なしの賃貸物件の場合は退去時にかかる費用を事前に確認しておきましょう。費用負担については賃貸借契約書に記載されていますので、契約する際には細かくチェックすることが大切です。
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初期費用なしの賃貸物件を契約する前の注意点

なるべくお金をかけずに賃貸物件を借りたい人にとって、初期費用なしの賃貸物件は魅力的ですが、家賃が割高になることで支払い総額が増えてしまっては意味がありません。
また、敷金を支払わないことで退去時に高額な修繕費を請求されることもあり、国土交通省がガイドラインを公開するほど大きな問題になっています。
初期費用なしの賃貸物件は築年数が古いことで耐震性が不明であったり、設備が劣化していたり、駅から遠くて立地が悪かったりするケースもあります。
そのため初期費用だけでなく、支払い総額と快適な暮らしが実現できるかどうかも踏まえて検討することが大切です。
まとめ

入居者が決まりにくい物件は初期費用なしの賃貸物件として公開されることがあり、初期費用を抑えたい人に向いている物件といえます。
しかしすべての初期費用がなくなるわけではなく、敷金・礼金が無料になるケースが一般的です。そのため、前家賃や仲介手数料などの一定の費用負担は必要となります。
また、家賃が割高になるケースや修繕費が高額になるトラブルもあるため、物件をしっかりチェックし、賃貸借契約書を熟読したうえで契約することをおすすめします。
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