水道光熱費は、毎月かかる生活費を構成する項目の一つです。工夫次第で費用を抑えられることから、水道光熱費の節約に励む方も少なくないでしょう。

そこで今回は、一人暮らしの生活に注目して、水道光熱費の平均額を紹介します。水道光熱費を節約する方法や、実際に一人暮らしをしている方の水道光熱費に関するアンケート結果なども併せて紹介するので、一人暮らしをしている方やこれから一人暮らしを始めようと考えている方は参考にしてください。

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総務省が行った2023(令和5)年家計調査によると、単身世帯における水道光熱費の1ヶ月当たりの平均金額は、以下のとおりでした。

項目

金額

電気代

6,726円

ガス代

3,359円

上下水道代

2,239円

ほかの光熱費

720円

 

出典:総務省「2023(令和5)年家計調査」より

 

一人暮らし世帯における電気代の1ヶ月当たりの平均金額は6,726円です。電気代は季節によって差が出やすく、特に暖房を多用する冬場は料金が高くなる傾向にあります。近年は電気料金の高騰により平均金額も高くなっており、今後もその傾向が続く可能性があります。

一人暮らし世帯におけるガス代の1ヶ月当たりの平均金額は3,359円です。ガス代はおもに、給湯器やガスコンロなどのガス機器の使用状況に応じて金額が変動します。

一人暮らし世帯における水道代の1ヶ月当たりの平均金額は2,239円です。水道代は過去15年間、ほぼ横這いで推移しています。また、水道代は管轄する水道局によって料金設定が異なるため、地域によって価格に差が生まれるという特徴があります。

その他の光熱費とは、灯油やまきなどの燃料代を指し、一人暮らし世帯における1ヶ月当たりの平均金額は720円となっています。しかし、灯油やまきは賃貸物件ではあまり利用されないため、基本的には考慮しなくてよいでしょう。

 

その他の光熱費は料金の地域差が大きいのが特徴で、特に北海道・東北とそれ以外の地域とで料金の差が大きく開いています。北海道・東北では、冬場の厳しい寒さによって灯油ストーブなどを使用する機会が多く、その他の光熱費が高くなりやすい傾向にあります。

【地域別】1ヶ月当たりのその他の光熱費

北海道・東北地方

3,191円

関東地方

382円

北陸・東海地方

557円

近畿地方

199円

中国・四国地方

699円

九州・沖縄地方

423円

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300人の方にアンケートをとり、実際にかかった水道光熱費をエリア別に集計しました。

【地域別】1ヶ月当たりの電気代

北海道・東北地方

9,836円

関東地方

7,499円

北陸地方

5,667円

東海地方

6,605円

近畿地方

8,821円

中国・四国地方

7,675円

九州地方

6,925円

 

1ヶ月当たりの電気代の平均は、北海道・東北地方が最も高く9,836円となっており、次いで近畿地方、中国・四国地方で料金が高くなっています。最も料金が低い北陸地方では5,667円となっており、北海道・東北地方と比べて約4,000円もの差が生まれています。

北海道・東北地方

6,875円

関東地方

5,161円

北陸地方

5,333円

東海地方

4,484円

近畿地方

4,164円

中国・四国地方

6,113円

九州地方

5,725円

 

1ヶ月当たりのガス代は、北海道・東北地方で最も高く6,875円でした。次いで中国・四国地方、九州地方が6,000円前後となっており、最もガス代が安いのは近畿地方です。

北海道・東北地方

4,345円

関東地方

3,877円

北陸地方

3,917円

東海地方

2,958円

近畿地方

3,073円

中国・四国地方

3,769円

九州地方

4,267円

 

1ヶ月当たりの水道代は全国的に4,000円前後となっています。最も料金が高い北海道・東北地方と最も料金が低い東海地方の差も1,400円程度となっており、地方による差はそれほど大きくないといえるでしょう。

北海道・東北地方

21,057円

関東地方

16,537円

北陸地方

14,917円

東海地方

14,047円

近畿地方

16,059円

中国・四国地方

17,556円

九州地方

16,917円

最後に、1ヶ月当たりの水道光熱費全体の数値を見ていきましょう。

 

水道光熱費の平均は北海道・東北地方が突出しており、価格は2万1,057円となっています。豪雪地帯を含むこのエリアでは冬のガス代や電気代が増えてしまうため、1ヶ月当たりの水道光熱費の平均値が押し上げられていると考えられます。

 

北海道・東北地方以外の地域では、1万4,000円から1万7,000円程度となっており、最も低いのは東海地方で1万4,047円でした。

そもそも水道光熱費はどのように決定されるのでしょうか。本章では、水道光熱費の料金の仕組みを解説します。

電気料金は「基本料金+使用した電力量料金+その他の料金」で計算されます

 

基本料金は契約電力や契約容量に比例する料金で、電力会社が独自に設定します電力をまったく使用しなかった場合でも基本料金はかかるため、基本料金は最低料金と呼ばれる場合もあります。

 

使用した電力量料金は、電力を利用した分だけかかる従量制です。使用量に応じて単価が段階分けされているのが一般的で、その場合、電力を使えば使うほど単価は上がります。

 

その他の料金には、「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」が含まれます。再エネ賦課金とは、再生可能エネルギーによって発電された電気を買い取るのにかかった費用の一部を、利用者に負担してもらうために課される料金です。

 

2016(平成28)年の電力の小売全面自由化により、電気料金にはさまざまなプランが生まれています。基本料金を設けずに電気の使用量に応じて費用がかかるものや、特定の季節や時間帯で料金が変わるもの、ほかのサービスと同時に利用するとお得になるものなど、プランの内容は多種多様です。

 

したがって、各社のプランを比較しながら契約先を選び、定期的にプランを見直して最適なものを選ぶことが大切です。

ガス料金は「基本料金+(単位料金×使用量)」で算出されます基本的には使った分に応じて金額が高くなる仕組みとなっており、単価などはガス会社によって異なります。

 

また、家庭で使用されるガスには都市ガスとプロパンガスの2種類があり、都市ガスの方が料金は安くなっていますただし、都市ガスは利用できるエリアが限定されているため、どこでも利用できるわけではありません。都市ガスを利用できるかどうかでガス代が大きく変わるため、物件を探す際は都市ガスの対応エリアかどうか調べておくとよいでしょう。

水道料金は「基本料金+使用量」で算出されます上水道・下水道で金額が分かれているのが一般的で、自治体によって料金は異なります。

 

ホームページなどで基本料金などを公開している自治体もあるため、どの程度の費用がかかるのか調べてみるとよいでしょう。

 

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ここでは、水道光熱費を節約する方法を紹介します。自分に合った節約法を見つけて、家計への負担を最小限に抑えましょう。

電気代の節約方法は多岐にわたるため、気軽に試せるものから実践するのがおすすめです。ここでは、簡単な電気代の節約方法を3つ紹介します。

電気料金プランを見直す

電気料金プランを見直し、より料金が割安になるプランに変更しましょう。割安のプランに変更できれば、細かい節約をするよりも効果的に電気代を節約できます

 

プランの内容は電力会社などによって異なり、期間を区切ってキャンペーンを行っている企業もあります。ガスやインターネット通信とセットで契約することで料金が安くなるプランもあるため、電気代以外の生活費と併せてプランを検討するのがおすすめです。

待機電力を減らす

待機電力とは、コンセントに接続された家電製品が待機状態のときに消費している電力のことです。

 

待機電力を減らして得られる節約効果は小さいですが、待機電力の削減は気軽に実践できる節約方法の一つです。使用していない家電のコンセントを抜いて、待機電力を減らしましょう。

電化製品のお手入れ・買い替え

電化製品をこまめに手入れすると、消費電力の無駄を減らすことができますまた、古くなった家電を省エネ性能に優れた家電に買い替えると、より確実に電気代を節約できるようになります。

ガス代を節約するには、ガスに関連する器具の使用頻度を減らすのが基本です。

電子レンジを活用する

調理の際には、電子レンジや電気ケトルなどを積極的に活用しましょうコンロのガス代と比べて、電気代の方が安く済むケースも少なくありません。

 

さらに、料理は多めに作って保存する、大きめの鍋を使用する、コンロを定期的に掃除するなどの方法でも、コンロでのガスの使用量を抑えられます。ただし、コンロの代用だからと電化製品を使いすぎると、今度は電気代が増えてしまいます。用途に応じてコンロや電化製品を使い分けるとよいでしょう。

給湯器の設定温度を下げる

湯船やシャワーの温度を1度下げるだけでも、ガスの使用量は下がります夏場はなるべく設定温度を低く保ち、不要なガス消費を抑えましょう。

 

使用するお湯の量を減らすためにシャワーの時間を短縮したり、食器を低温設定でまとめて洗ったりする方法も効果的です。

水道代の使用料金単価には時間帯による差がないため、水道代を節約するなら、基本的に水の無駄使いをなくすことが重要です。

節水グッズを活用する

節水コマや節水シャワーヘッドなどの節水グッズを活用すると、水量が抑えられて節水につながります節水グッズを使用しなくても水を出しすぎないように心掛けて節水につなげることもできますが、節水グッズを使用すれば無意識のうちに水の使用量を減らせるため、負担を感じることなく節約できるでしょう。

トイレのレバーを使い分ける

トイレの水を流すときは、状況に応じて「大」と「小」を使い分けると、使用する水の量を調整できます一度に節水できる量はそれほど多くありませんが、トイレは利用頻度が高いため、年間を通して見ると大きな違いになるでしょう。

不動産ポータルサイトのLIFULL HOME’Sでは、全国の一人暮らしの男女300人を対象に、水道光熱費に関するアンケート調査を実施しました。

 

その結果、約半数の方が「水道光熱費を節約するための工夫をしている」と回答し、具体的な方法については、以下のような声が寄せられました。

 

「こまめに電気を消す」「水道を流しっぱなしにしない」といった日々の小さな努力を心がけている方が多いようです。

 

そのほか、「空調設備の定期点検や節約に寄与する調理器具を選択する」「ポータブル太陽光パネルでバッテリーを充電して灯りとして使っている」といった声もあり、水道光熱費を抑える環境づくりに力を入れている方もいるようです。

 

また、「水道光熱費節約のために、物件選びにこだわったか」をたずねたところ、約1割の方が「はい」と回答しました。具体的なポイントとしては、以下のような点が挙がりました。

ポイント

  • 都市ガスかどうか

  • 断熱性・気密性が高いか

  • 省エネ性能の高いエアコンが設置されているか

  • LED照明かどうか

  • 部屋が広すぎないか

  • 日当たりが良いか太陽光発電はあるか など

物件によって、水道光熱費の節約のしやすさは変わります。これから一人暮らしを始める方は、ここで紹介した物件選びのポイントをふまえて物件を選ぶとよいでしょう。

 

都市ガスが使える物件 南向きの物件

毎月かかる水道光熱費は工夫次第で節約できるため、可能な限り費用を抑えたい支出の一つでしょう。水道光熱費は居住エリアによって費用が異なるため、住んでいるエリアやこれから住みたいエリアでの費用平均を調べ、費用を節約できるポイントがないか探してみてください。

 

水道光熱費の節約方法にはさまざまなものがあります。今回の記事を参考にしながら、取り組みやすいものから節約を始めてみてください。

 

また、物件選びも水道光熱費節約のポイントの一つです。節約しやすい立地や間取り、設備を選択すれば、より手軽に水道光熱費を節約できるでしょう。

 

不動産情報サイトLIFULL HOME’S なら、部屋の位置や設備などの条件を選択したうえで物件を検索できますので、理想の賃貸物件探しにぜひご活用ください。

 

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