賃貸物件を探す際に、信頼できる不動産会社に手伝ってもらいたい人は多いのではないでしょうか。しかし「契約を急かしてくる」「入居後のサポートがなく会社の評判が悪い」「親身な対応をしてくれない」といったケースを耳にするのも事実です。

そこでこの記事では、賃貸物件を探す際の「不動産会社選び」で失敗しないために、確認すべきポイントや注意点を解説します。賃貸物件を探している人は、ぜひ参考にしてみてください。

不動産会社を探す賃貸物件を探す

不動産会社のタイプは大きく分けて「地域密着型」と「多店舗展開型」の2種類です。ここでは、それぞれの特徴を解説します。

地域密着型の会社は、1人で営む「小ぢんまりとした会社」や、地域で活躍している「地元の不動産情報に詳しい会社」などがあります。メリットやデメリットは以下のとおりです。

メリット

・地域の情報に詳しい

・1人経営の会社なら融通が利きやすい

・インターネットに掲載されていない物件を紹介してもらえる可能性がある

デメリット
  • ・大手に比べると取扱い物件が少ない
  • ・アフターフォローに手がまわりにくい

大手不動産会社よりも取扱い物件が少ない分、物件の特徴を一つひとつ熟知しているケースが多いといえます。そのため、希望のエリアにこだわりたい人は、地域密着型の不動産会社で物件を探すのがおすすめです。

多店舗展開型の会社は、全国でフランチャイズ展開している大手不動産会社が該当します。芸能人を起用したCMを流しているなど全国的に知名度が高く、会社に対して安心感があります。それぞれのメリットやデメリットは以下のとおりです。

メリット
  • ・取扱い物件が豊富
  • ・部署ごとにスタッフがいるため契約までの段取りがスピーディー
  • ・仲介手数料無料キャンペーンや初期費用のキャッシュバックなど独自のサービスがある
デメリット
  • ・会社のマニュアルがあるため融通が効きにくい
  • ・営業担当者のノルマ達成のために契約を急かされる場合がある
  • ・浄水器の設置や24時間サポートなど関連サービスへの加入を勧められることがある

多店舗展開型の不動産会社は部署ごとにスタッフが配置してあるケースが多いため、物件探しや契約までの段取りがスムーズに進みやすいのが特徴です。

しかし、取扱い物件が多いため、一つひとつの部屋の特徴を熟知していなかったり、接客が雑になったりするケースもあるでしょう。

 

不動産会社を探す

賃貸物件を探す

不動産会社選びで失敗しないためには、信頼して任せられるかを見極めることが必要です。ここでは、不動産会社選びで事前に確認すべき項目を5つ解説します。

会社や営業担当者の利益を優先するあまり、契約を急かしてくる不動産会社があります。「人気がある物件だからすぐ契約しましょう」「今契約した方だけ初期費用を安くします」などといわれても、納得していない場合は契約を進めないようにしましょう。

 

物件自体や契約内容に納得できないまま入居すると、住み始めてから「もう少し慎重になるべきだった」と後悔する可能性があります。本当に人気物件ですぐに埋まってしまうという場合もありますが、不必要に契約を急かすことなく、自分のペースで入居の決断をさせてくれる不動産会社を選びましょう。

不動産会社選びでは、物件の問合せや内見予約などに対しての「対応の早さ」を確認するようにしましょう。以下のような対応が理想です。

  • 物件の詳細資料を依頼したらその日のうちに送ってくれる
  • 指定した内見日に予約が入っていても別日をすぐに予約してくれる
  • 電話が繋がらなくても数分後には折り返してくれる

不動産会社の対応が遅くなると、内見の日程調整がスムーズにできなくなり、好条件の物件を逃してしまう可能性があります。そのため、こちらの要望に対して迅速に対応してくれる不動産会社に依頼しましょう。

入居者の希望に近い物件を探すために、細かくヒアリングしてくれる会社はおすすめです。たとえば「騒音に悩まされている」「日当たりが悪く洗濯物が乾かない」など、今の物件の不満を伝えると「日当たりがよい部屋」や「角部屋」など、それらの不満を解消できる快適な物件を見つけてくれるような会社や担当者を選ぶのがよいでしょう。

 

さらに、物件選びの段階で入居者に親身になってくれる会社であれば、入居後の設備故障や近隣トラブルに対するサポートを丁寧に行ってくれる可能性も高いでしょう。

ネットの口コミや評判は、実際に不動産会社の対応を受けた人が感じたことを書いているケースが多いため、不動産会社を選ぶための指標となります。

 

口コミや評判のすべてが参考になるわけではないため、鵜呑みにしないようにしましょう。とはいえ、あまりにも評判が悪い会社は避けておいた方が無難です。

営業年数が長い不動産会社は、豊富な実績や経験があるといえます。不動産業を営むための「宅地建物取引業免許」は、5年に1度の更新です。 そのため、営業年数の長さは、免許に書かれている数字を確認すれば分かります。

 

たとえば、下記のように表示している会社は更新回数が2回となり、10年以上営業していることになります。

〇〇県知事免許(3)第〇〇〇〇号

しかし、会社の営業年数が長いからといって、担当者の経験も豊富であるとは限りません。不動産会社を選ぶ際には、担当者の経験を含めて選ぶようにしましょう。

ここでは、不動産会社を選ぶ際の注意点を解説します。

賃貸物件を契約する際の仲介手数料とは、契約時に不動産会社に支払う手数料のことです。国土交通省が告示している報酬額の上限は、以下のとおりです。

宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額の合計額は、当該宅地又は建物の借賃の1月分の1.1倍に相当する金額以内とする。以下省略

引用:国土交通省|宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる
報酬の額

 

ここで定められているのはあくまでも上限額なので、会社によっては仲介手数料が0.5ヶ月分や無料のケースもあります。

 

また、支払う額の負担パターンは以下の3種類です。

  • 貸主のみが支払うケース
  • 借主のみが支払うケース
  • 貸主と借主が折半するケース

仲介手数料の支払い負担によっては、初期費用が大きく抑えられます。家賃が同じ物件だとしても、仲介手数料を含めると初期費用に差が出るケースがあるため、契約前に確認しておくようにしましょう。

おとり物件とは、貸し出す予定がない好条件の物件情報のことで、宅地建物取引業法(宅建業法)に違反する行為となります。

 

たとえば、以下のような例があります。

物件名

築年数

家賃

物件情報

物件A

新築

4万円

おとり物件

物件B

築5年

6万円

実際の募集物件

物件C

築5年

5万円

おとり物件

上記の場合、条件がよいAとCの物件に問合せしても「先ほど申し込みが入りました」などといって、Bを紹介されるのがおとり物件を利用した例です。おとり物件を見極めるために、事前に問合せをして申し込み状況や内見が可能かを確認するようにしましょう。

希望する条件の物件が見つかったとしても、不動産情報サイトなどで以下の情報を事前に集めて、慎重に行動するようにしましょう。

  • 周辺の家賃相場
  • 物件の設備状況
  • 交通アクセス

情報収集を行わないまま不動産会社に足を運ぶと、相場よりも高い家賃の物件を紹介されてしまう可能性があります。

 

しかし、事前に家賃相場を把握しておけば、仮に悪い条件の物件を紹介されても見抜くことが可能です。事前に住みたいエリアの物件情報をいくつか確認しておけば、お部屋探しがスムーズにできます。

 

不動産会社を探す 賃貸物件を探す

賃貸物件を探す際には、信頼できる不動産会社選びが重要です。地域密着型や多店舗展開型の不動産会社にはそれぞれの特徴があります。快適に暮らせる物件を真剣に探してくれる会社を見極めて、自身に合うタイプを選ぶようにしましょう。

 

中には、借り手に不動産の知識がないことを理由に「おとり物件」を利用して条件の悪い物件を勧める会社もあります。そのような不動産会社を選ばないためには、この記事で解説したポイントや注意点をしっかり理解することが重要です。

 

信頼できる不動産会社選びに、ぜひ役立ててください。

 

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