間取り図とは、レイアウトや設備など、物件の情報が記載されている図面のことです。家探しの経験がある人は、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

間取り図は「K」や「LDK」などアルファベットの記号で表記されており、何を指しているのか正確に理解できていない人もいるかもしれません。

今回は、間取り図の見方や間取り図からどんなことが分かるのかを見ていきましょう。

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間取り図の見方を正確に理解できていれば、物件に関するさまざまな情報が読み取れるため、実際に生活するシーンをイメージしやすくなるでしょう。

 

たとえば、方角を示す記号の見方が分かると、間取り図を見ただけで部屋の方角と日当たりを推察できます。

 

以下では、間取り図の見方について解説します。

 

部屋のレイアウトは、R、DK、LDKなどで表記されます。これらは「R=ルーム」「L=リビング」「D=ダイニング」「K=キッチン」といった意味です。

 

また、これらの表記は首都圏不動産公正取引協議会より、広さの基準が定められているものもあります。

 

DK、LDKの必要な広さの目安となる基準

居室数

DK

LDK

1部屋

4.5畳

8畳

2部屋以上

6畳

10畳

※ 「4.5畳未満」の場合は1Kの表記

 

間取り図における、それぞれのアルファベットの意味や間取り図の例は以下のとおりです。

1R(ワンルーム):キッチンと居室部分が分かれていない空間

ワンルーム(1R)

1R(ワンルーム)

ワンルームの物件

1K:4.5畳未満の独立したキッチンと居室を持つ空間

1K

1K

1Kの物件

DK:ダイニングとキッチンが一体になった空間

1DK

1DK

1DKの物件

 

なお、2部屋ある場合は、以下のような間取り図になります。

 

2DK

2DK

2DKの物件

LDK:リビング・ダイニング・キッチンが一体になっている空間

1LDK

1LDK

1LDKの物件

 

また、部屋が2~3つある場合の間取り図は以下になります。

2LDK

2LDK

2LDKの物件

 

3LDK

3LDK

3LDKの物件

 

不動産では、広さを表す単位として主に「」「平米(m2)」「」を使用します。

 

しかし、これらの単位は日常生活で使用する頻度が少ないため、「◯畳」といわれても具体的な広さをイメージできる人は少ないかもしれません。

 

一般的に、1畳の広さは1.62平米以上が目安です。つまり、部屋の広さを平米数で知りたいときは、畳数×1.62平米で部屋のおおよその数値を求められます。

 

間取り図によっては、「WC」「CL」といったアルファベットが記載されていることもあります。

 

このようなアルファベットには、以下のような意味があります。

S

サービスルームや書斎を表す(採光や通風が建築基準を満たしていない部屋)

WC

トイレ

CL

クローゼット

UB

ユニットバス

WIC

ウォークインクローゼット(クローゼットより広め)

R/冷

冷蔵庫置き場

W/洗

洗濯機置き場

AC

エアコン

SB

シューズボックス

EV

エレベーター

MB

メーターボックス

PS

パイプスペース

このようにアルファベット表記の意味を理解しておくことで、間取りを確認する際に役立つでしょう。

 

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先述したとおり、間取り図には部屋の情報が詳細に記載されています。

 

特に以下の4項目は住み心地を大きく左右する部分であるため、正しく読み取れるように理解しておきましょう。

  • 部屋の広さ
  • 部屋の向き
  • 間取りタイプ
  • 窓の位置や数

それでは、項目ごとに解説します。

 

部屋の広さは、畳や平米で表記されます。たとえば、同じ「1K」の物件でも「6畳」と「8畳」では居室部分の広さが異なります。

 

また、同じ「6畳1K」の物件でも、専有面積が20平米と25平米では部屋全体の広さに違いがあるため、実際に内見すると異なる印象を受けるでしょう。

 

このように、部屋の広さを確認するときは、居室部分の広さと専有面積の広さの両方を確認しておくことをおすすめします。

 

部屋の向きや窓の位置によって、日当たりのよさと風通しが確認できます。

 

日当たりのよさと風通しは、洗濯物の乾きや部屋の明るさに関係するので、快適に過ごすために確認すべき項目といえるでしょう。

 

実際に確認する際は、日中の日当たりを確保したい人は南向き、朝日を重視したい人は東向きなど、希望に合わせて方角をチェックすることをおすすめします。

 

間取り図では、部屋の形状も把握できます。部屋の形状を把握することで、ベッドやテレビをどこに配置できるのか、家具を配置した後にどのくらいのスペースを確保できるのかといったことをイメージできるでしょう。

 

このように、部屋の形状を理解することで、実際に住み始めた際の生活動線をイメージできるため、部屋をどのように使いたいかをあらかじめ考えておくことをおすすめします。

 

間取り図では、窓の形や大きさは把握できませんが、窓の数や位置は把握できます。窓が多いと風通しがよくなるメリットがありますが、断熱性能が落ちるといったデメリットも存在します。

 

しかし、窓の配置場所によっては、数が少なくても十分な風通しを確保できる場合もあるため、気になる場合は内見時に窓の断熱性能や風通しについて、不動産会社の担当者に確認することをおすすめします。

 

住み始めてから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、間取り図を見るときは、次のポイントを意識しましょう。

 

間取り図を見る際は、家具、家電の配置を含めた「生活動線」に問題がないか確認しましょう。

 

まれに、洗面所に洗濯機置き場がない物件や、洗濯機置き場が極端に狭い物件が存在します。万が一、洗面所に洗濯機が置けない場合は、家事動線が悪くなってしまうでしょう。

 

生活動線はライフスタイルや家族構成によって異なるため、間取り図を確認する際は、実際の生活をイメージしつつ、気になる箇所には印をつけたうえで内見時に確認することをおすすめします。

 

収納の数や広さも重要なポイントです。収納が多ければ、キャビネットや収納棚を置く必要がないので部屋を広く使用できます。

 

しかし、収納に必要な数や広さは家族構成によって異なるため、住む人数やライフスタイルを考慮したうえで、十分な収納スペースが備わっているか確認するようにしましょう。

 

水回りの位置も慎重に確認すべきポイントです。特にトイレは、リビングから近すぎる場所に配置されていると、においや音が気になってしまうケースがあります。

 

また、築年数が古い物件は、バランス釜(浴槽の横に給湯器が設置された風呂釜)であったり、追いだき機能がついていなかったりなど、日常生活で不便を感じる可能性があるでしょう。

 

そのため、水回りは設備や機能も合わせて確認することをおすすめします。

 

賃貸物件を探す バス・トイレ別の物件

 

賃貸物件では、間取り図に「現況優先」と記載されている場合があります。これは、物件の状態が間取り図と違った場合、実際の状況が優先されるという意味です。

 

そのため、部屋選びを行う際は、間取り図だけを見て決めるのではなく、内見時に以下で紹介する内容を確認することをおすすめします。

 

間取り図では、壁のキズや床の汚れ、建物の劣化具合などは把握できません。実際に内見した際に、「イメージと違った」というケースもあるため、間取り図だけを見て家選びを決断しないようにしましょう。

 

賃貸物件の場合、退去する際に部屋のクリーニングや原状回復を行いますが、見落としている可能性もあります。そのような場合、自身が退去する際にもともとあったキズに対して費用を請求されてしまうかもしれません。

 

こういった支払う必要がない費用を負担しないためにも、入居したい物件の内見時や、実際に入居した日にキズや汚れを見つけた場合は、速やかに記録に残し、不動産会社へ連絡・相談しておきましょう。

 

洗濯物を干すスペースがどのくらいあるか、窓の開閉はスムーズにできるかといった点は、内見時に優先的に確認すべき項目です。

 

特に、小さい子どもがいる家庭では、子どもが鍵を簡単に開けられる場所がないか、といったリスクも併せて確認しておきましょう。

 

窓からの眺めがいいと快適に生活できます。しかし、建物が隣接している物件や道路沿いの物件は、車や人の視線が気になってカーテンが開けられないケースも考えられるでしょう。そのため、周辺環境は必ず確認することをおすすめします。

 

窓の高さや天井の高さなど、部屋の空間に関することは内見しないと分からない部分です。窓の高さは、日当たりや風通しに影響するだけではなく、部屋のイメージや開放感など部屋全体の印象も大きく左右します。

 

間取り図は、見方のコツを押さえたうえで確認すれば、実際に住み始めた際の生活をイメージしやすくなるでしょう。

 

しかし、間取り図だけでは判断できない情報も存在します。そのため、間取り図を確認したうえで内見を行い、気になる点があれば不動産会社の担当者に確認するようにしましょう。

 

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