高齢者が一人暮らしをする場合、室内の移動に負担がない、動線が短いなど、生活しやすい間取りかどうかが物件選びの大事なポイントになります。

この記事では、一人暮らしの高齢者に適した広さや間取りなど、物件選びのポイントについて解説します。安心・安全に生活できるように、物件を決める前に確認しておきましょう。

シニア・高齢者歓迎の物件

 

国土交通省が公表している「住生活基本計画」によれば、一人暮らしに最低限必要な居住面積(最低居住面積水準)は25平米

 

より快適に暮らす水準とされる“誘導居住面積水準”では、都市型で40平米一般型で55平米とされています。

 

誘導居住面積水準とは、多様なライフスタイルに適応できる広さのことで、都心や周辺でのマンション生活を想定した都市型と、郊外での一戸建て生活を想定した一般型に分かれています。

 

高齢者の一人暮らしの場合、物件が広過ぎると家事や部屋の移動などが大変になるため、1K~1DK程度の間取りでコンパクトな広さが暮らしやすいでしょう。

 

また、階段の上り下りは負担になるので、2階建て住宅よりも、ワンフロアで生活できる平屋やマンションの方が安全に暮らせます。

 

また、水回りが1ヶ所にまとまっていると家事動線が短くなるので、日々の暮らしの負担を軽減できます。今は足腰が元気でも将来を考えて、バリアフリー物件を選ぶのもよいでしょう。

 

バリアフリー賃貸物件 シニア・高齢者歓迎の物件

 

高齢者が快適な一人暮らしを送れるように、間取りを選ぶときに重視したいポイントを解説します。

 

前述のとおり、家事動線や生活動線はできるだけ短い方が体への負担を軽減できます。ワンフロアの平屋やマンションの1階であれば移動しやすいので、生活の不安を軽減できます。

 

エレベーターを使えば高層階でも住めますが、故障やメンテナンス、災害時にエレベーターが使えなくなると、移動や避難ができなくなってしまいます。

 

また、キッチンや洗面台、トイレ、浴室といった水回りが1ヶ所にまとまっていれば、家事を楽にこなしやすくなります。

 

洗濯の負担をできるだけ減らすために、ベランダに干すのではなく、衣類乾燥機や室内用物干し竿を設置して、部屋干しができるようにするのもひとつの方法です。

 

高齢になると手の力が弱くなり、大きな動作ができなくなるので、横にスライドするだけで楽に開閉できる引き戸は、生活の負担を軽減するのに役立ちます。もし、車いすでの生活になった場合にも対応しやすいです。

 

また、風などで扉がバタンと急に閉まる心配がないので、開け放しにしていても安心です。

 

高齢者は、急激な寒暖差によってヒートショックを引き起こすリスクがあります。特に冬場の浴室は、温度差が生じやすいので注意が必要です。

 

高気密・高断熱の住宅を選べば、室温が一定に保たれやすいので安心ですが、それ以外にも浴室乾燥暖房機が備わっている物件を選ぶか、後付けでヒーターを設置できるように浴室の近くにコンセントのある物件を検討しましょう。

 

年齢を重ねると、これまで普通にできていたことが、簡単にできなくなってしまいます。足腰が衰えて、転倒のリスクも上がります。そのため、高齢者が一人暮らし向けの賃貸物件を選ぶ場合は、住宅の機能性を重視することが大切です。

 

ポイントとなる点について解説します。

 

加齢によって身体機能が低下すると、階段だけでなく、ちょっとした段差でも転倒の恐れがあります。

 

室内での事故を防ぐには、段差がない、手すりが設置してある、といったバリアフリー化されている物件であることが重要なポイントです。

 

また、バリアフリー物件は床がフラットなので、掃除がしやすいメリットもあります。現在は健康に不安がなくても、将来を見据えて、日々の暮らしの障がいとなりえる部分ができるだけ少ない物件を選びましょう。

 

バリアフリー賃貸物件

 

一人暮らしの高齢者は、空き巣や訪問販売などのターゲットになりやすい傾向があります。

 

安心して暮らせる住まいを選ぶために、オートロックやモニター付きインターホン、防犯カメラ、管理人の有無など、セキュリティ面がどれくらい充実しているかを確認しましょう。

 

セキュリティ・防犯対策が充実した物件

 

平屋やマンションの1階など、低層階であれば外に出るまでの距離が短いので、外出しやすくなり、足腰への負担も少なくなります。

 

前述したように、エレベーターがあっても、点検時に使用できない、災害時には避難できないというリスクがあるので、なるべく低層階を選ぶと安心です。

 

マンション1階の物件 賃貸一戸建てを探す

 

物件選びでは、室内環境の暮らしやすさだけでなく、周辺環境についても考慮する必要があります。

 

買い物や病院の通院が徒歩で楽にできるか、いざというときに頼りにできる親族が近くにいるかといった点は、高齢者の一人暮らしを支える大事なポイントです。

 

スーパー近くの物件 総合病院800m以内の物件 駅まで徒歩5分の便利な物件

 

高齢者が安心して生活できるシニア向けの住宅を検討してみるのも、ひとつの方法です。

 

シニア向け住宅には、介護を必要としない高齢者向けにバリアフリー化された賃貸住宅や、要支援・要介護度の低い人を受け入れているサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)があります。

 

バリアフリー化された賃貸住宅は一般的な住宅とそれほど家賃は変わりませんが、緊急時に駆けつけてくれるサービスや健康相談などに対応した物件があります。

 

物件によって家賃や住宅設備、付加できるサービスなどに違いがあるので、複数の物件を比較してみましょう。

 

一方、サービス付き高齢者向け住宅の場合、2024年1月時点のLIFULL介護の集計データ(全国・中央値)によれば、入居時の費用として20万円、月額費用は入居時の費用を支払った場合で17万2,000円、入居時の費用負担がない場合で15万4,000円となっています。(※)

 

現在の生活や家計の状況、将来の暮らしを見据えたうえで、自分に合った住まいを選ぶことが大切です。

 

※ LIFULL介護に2024年1月時点に掲載された全国のサービス付き高齢者向け住宅の、個室タイプの料金プランデータから、中央値を算出して相場としています。入居時費用相場は、0円のプランを含めず算出しています。

 

老後の暮らしに合った住まいを見つけるには、高齢者向けの物件を多く取扱っているWebサイトや不動産会社を通じて情報収集を行うことが大切です。

 

LIFULL HOME’Sなら、バリアフリーの賃貸物件や高齢者歓迎の住まいを調べることができます。

 

また、LIFULL介護では、地域ごとの有料老人ホームや介護施設などを探すことが可能です。現在の暮らしだけでなく、将来の暮らしも想定したうえで、快適に過ごせる住まいを見つけましょう。

 

バリアフリー賃貸物件 シニア・高齢者歓迎の物件 老人ホーム・有料施設を探す

高齢者の暮らしに適した間取りの広さは?

 

国土交通省「住生活基本計画」によると、単身世帯の最低居住面積水準は「25平米」です。より快適に暮らす水準である誘導居住面積水準では、都市型で40平米、一般型で55平米となっています。洗濯や掃除など、家事の負担を考えると、1K~1DK程度の間取りでコンパクトな広さの物件が暮らしやすいでしょう。

間取りを選ぶときのポイントは?

 

高齢者が快適に暮らすには、家事動線や生活動線ができるだけ短い間取りを選ぶことが大切です。また、バリアフリー化や、部屋ごとの寒暖差が少なくなるように設備が整っている住まいを選ぶことも大切です。

 

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