一人暮らしの部屋を探す際、自分に適した部屋の広さがどれくらいなのか分からない人もいるでしょう。
この記事では、居住スペース12.5畳の具体的な広さの紹介に加えて、レイアウトのコツや一人暮らしで広い部屋を選ぶ際の注意点などを解説します。
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12.5畳はどのくらいの広さ?

不動産広告における基準を定めた、不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則」(※)によると、「畳1枚当たりの広さは1.62平米以上」と定められています。
このことから、12.5畳は20.25平米以上の広さがあるといえます。専有面積20平米以下の物件も多いなか、居室だけで20平米以上あるというのは、一人暮らしとしては広めの部屋と考えられるでしょう。
なお、規則にある「1畳=1.62平米」というのは下限値として設定されているものであり、地域ごとに1畳の広さは異なります。そのため、地域によっては12.5畳の部屋がもっと広く感じられるケースもあります。
※ 不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則」
間取りによって広さは変わる
「12.5畳は一人暮らしとしては広め」と紹介しましたが、間取りがワンルーム(1R)なのか1Kなのかによって、専有面積や広さの感じ方が変わってきます。
ワンルームとは文字通り全体が1部屋(ワンルーム)にまとまっている間取りで、居住12.5畳のなかにキッチンスペースも含まれます。
これに対し、1Kはキッチンと居室の間に仕切りが設けられていて、キッチンが独立した空間になっているのが特徴です。1Kの12.5畳といった場合には、居室だけで12.5畳あることになります。
実際に12.5畳の間取りを見てみましょう。先に紹介するのは、ワンルーム・12.5畳の部屋の間取り図です。
ワンルーム・12.5畳の間取り図

洋室にキッチンが設置されていて、キッチンスペースも含めて12.5畳になっていることが分かります。水回りを含めた専有面積は34.3平米。ワンルーム・12.5畳の場合、30~35平米程度の部屋が多くなっています。
次に紹介するのは、1K・12.5畳の部屋の間取り図です。
1K・12.5畳の間取り図

居室だけで12.5畳あり、それとは別にキッチンが3畳あります。この部屋の水回りを含めた専有面積は37.4平米。1K・12.5畳だと30~40平米程度の部屋が多いとされ、ワンルームに比べると面積も少し広くなります。
友達も複数人呼べる広さ
一般的な一人暮らしの居室は6~8畳程度ということを考えると、12.5畳は通常の1.5~2倍もの広さです。ソファ、ベッド、大型家具を置いてもスペースに余裕があるでしょう。
ホームパーティーにも対応できる広さなので、友達を家に招きたい人や、室内で過ごす時間の長い人におすすめです。
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一人暮らしで広い部屋を選ぶ注意点とは?

12.5畳ある広い部屋は、次のようなメリットがあります。
- インテリアコーディネートを思う存分楽しめる
- 広々と空間を使える
- 大きな家具を置けるといった
一方で、一人暮らしで広い部屋に住む場合、以下に挙げる3つの注意点も認識しておきましょう。
家賃が高くなる
一般的な6~8畳の部屋に比べると、12.5畳の部屋はワンルーム・1Kともに家賃は高くなります。
例として、東京都新宿区における家賃相場を見てみましょう。ここでは一般的な一人暮らしの部屋を「20~25平米」とし、12.5畳のワンルームを「30~35平米」、1Kを「35~40平米」と想定します。
新宿区の家賃相場
| 一般的な部屋 | 12.5畳 |
ワンルーム | 9.05万円 | 12.51万円 |
1K | 9.67万円 | 13.13万円 |
※ LIFULL HOME’S家賃相場 2024年1月時点のデータより
12.5 畳の部屋がある物件は一般的な一人暮らし用の物件と比べ、月3万円ほど家賃負担が増えるという結果になりました。
賃貸物件は基本的に広さと比例して家賃は高くなるため、広い部屋で暮らすとなるとそれなりの経済力が必要になります。
家賃相場を調べる
光熱費が高くなる
部屋が広くなると光熱費が高くなる点にも気をつけましょう。一般的に面積が広いほど冷暖房効率は下がるため、夏場の冷房・冬場の暖房にかかる電気代が高くなります。
12.5畳の場合は、そもそも6~8畳用のコンパクトなエアコンではなく、一段階グレードの高いエアコンを選ぶ必要が出てきます。省エネ性能にもよりますが、出力の大きなエアコンはベースの消費電力も大きいため、電気代が高くなる可能性があります。
掃除の手間がかかる
部屋が広ければ、掃除をする範囲も広がります。窓や家具も増えるので、細かな部分の掃除にも手間がかかります。
一人暮らしで広い部屋を生かすレイアウトのコツ

一人暮らしで広い部屋を有効活用するには、レイアウトの工夫が欠かせません。ここでは、12.5畳の部屋で一人暮らしをする際に押さえておきたいコツを紹介します。
仕切りで生活空間を分ける
1つ目のコツは、仕切りを使って生活空間を分けることです。おすすめは、ソファや背が低めの収納を間仕切りにし、緩やかに空間を分ける方法です。
リビングと寝室、ダイニングとリビングなど、同じ部屋のなかで場所ごとに雰囲気を切り替えることで、広い部屋にメリハリがつきます。在宅ワークが多い人であれば、ワークスペースを設けてスイッチを切り替えるのもいいでしょう。
最低限の家具で広々と使う
2つ目のコツは、家具を最低限に抑えて空間を広く使うことです。広い部屋に住むのなら、「こだわりの家具や雑貨をたくさん置きたい」という人も多いかもしれません。
しかし、物が多い部屋は広さがあっても雑多な印象を与えるものです。せっかく広さがあるのなら、あえて最低限の家具だけでまとめて開放感を楽しむのも有効な方法です。
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一人暮らしにおける部屋探しのポイント

一人暮らしで12.5畳の部屋を選ぼうとすると、上述したように家賃相場が高くなります。そのため、部屋探しの際には以下のポイントを意識するのが重要です。
優先事項を決める
支払える家賃に制限があるなかで広さを求めるのであれば、家賃を左右するほかの要素については妥協する必要があります。
広さ以外に家賃に関わる要素としては、築年数や防犯性、住宅設備、立地などが挙げられます。
もちろん「家賃は多少高くなってもいいから、好条件の物件に住みたい」ということもあり得るでしょう。どの条件をどれくらい優先するのか、項目ごとの優先順位を決めておくことが重要です。
たとえば、「主要駅から徒歩5分以内で築年数は10年未満、オートロック付きで広さは12.5畳」というような部屋は、相当な家賃を覚悟しなければなりません。
「各駅停車しかとまらない駅から徒歩15分、築年数は問わない」など一部の条件を妥協するだけで、広さを保ちつつ家賃を抑えられる可能性があります。
設備もチェックしておこう
エアコンや独立洗面台、バス・トイレ別、温水式洗浄便座などといった設備は、人によって必要度が異なります。
今住んでいる家でエアコンをすでに購入しているのであれば、それを新居に移すことでエアコンを新たに購入しなくてもいいですし、家ではシャワーしか浴びないという人なら独立した浴室は必要ないかもしれません。
自分にとって「必要な設備」と「あればうれしい設備」に分けて考えることで、より希望にマッチした物件に出会える可能性が高まります。

まとめ

12.5畳は一人暮らしで使うには余裕のある広さです。それだけに、ほかの物件に比べて家賃が高くなりやすい、光熱費が高くなりやすい、掃除に手間がかかるといった注意点もあります。
こうしたポイントを踏まえたうえで、自分の家でゆったりと過ごしたい人や友達を家に呼びたい人などは12.5畳の部屋を探してみるといいでしょう。
広さも立地も設備も最高の物件というのは、なかなかありません。あったとしても、相当な家賃負担が発生します。広さを求めるならほかの条件を妥協するなど、優先順位をつけて希望に合う物件を見つけましょう。
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