「一人暮らしだけど荷物が多い」「大きなベッドを置きたいから広い部屋に住みたい」など、一人暮らしでも広い部屋に住みたい人もいるでしょう。

この記事では11畳とはどれくらいの広さなのか、どのようなレイアウトが暮らしやすいのかを解説します。広い部屋だからこそ気をつけたい部屋探しの注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

賃貸物件を探す一人暮らしにぴったりな物件

 

不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則」(※)では、不動産広告における基準として「畳1枚当たりの広さは1.62平米以上」と定めています。

 

この値をベースに計算すると、11畳=17.82平米となります。全体の専有面積が15~20平米のワンルームマンションも少なくないことから、11畳の部屋はかなり広めといっていいでしょう。

 

11畳分の面積がどのくらいか分かったところで、次に11畳の部屋をより具体的にイメージしていきましょう。

 

※ 不動産公正取引協議会連合会「不動産の公正競争規約

 

11畳の部屋の広さをイメージするにあたり、前提として押さえておきたいのがワンルームか1Kかによって、同じ11畳でも専有面積や広さの感じ方が異なるということです。

 

ワンルームと1Kの違いは、キッチンと居室の間に仕切りがあるかどうかです。仕切りのある間取りが1K、仕切りのない間取りがワンルームとなります。

 

ワンルームは「11畳」の中にキッチンが含まれるのに対し、1Kはキッチンが独立しているので「11畳」は居室単独での広さです。よって、同じ「11畳」でも、ワンルームより1Kの方が専有面積は広くなるでしょう。

 

実際の間取り例を見てみましょう。以下はワンルームで11畳の部屋の間取りです。

 

ワンルームで11畳の部屋の間取り

ワンルームで11畳の部屋の間取り

この場合、キッチンから玄関にかけての通路に当たる部分も11畳の範囲に含まれています。水回りを含む専有面積は25.2平米です。11畳のワンルームだと、専有面積は25~30平米程度が目安といえます。

 

続いて、1Kで11畳ある部屋の間取り事例を見ていきましょう。

 

1Kで11畳の部屋の間取り

1Kで11畳の部屋の間取り

キッチン2.2畳が別カウントになっており、洋室だけで11畳あることが分かります。この物件の専有面積は35.5平米で、上のワンルームと比べて10平米程度広くなっています。

 

なお、この物件はウォークインクローゼットがある関係で広めなものの、1Kで11畳だと専有面積は30~35平米程度が目安となるでしょう。

 

1Kかワンルームかによって広さに差はあるものの、11畳あれば一人暮らしには十分な広さといえます。

 

大きめのソファやデスクを置いてもスペースにはまだ余裕があるでしょう。シングルベッドではなくセミダブルベッドを選択してもいいかもしれません。

 

物を置いても十分な広さを確保したい人、部屋で過ごす時間が長い人にはおすすめですが、家賃が高くなりやすい点には注意が必要です。

 

ワンルームの物件 1Kの物件

 

11畳の部屋で一人暮らしをするにあたり、どのようなレイアウトにするのがいいのでしょうか。縦長・横長・ロフト付きの3パターンにおけるレイアウトのポイントを紹介します。

縦長の1K

 

ベランダに向かって縦長の11畳におけるレイアウトを見てみましょう。

 

奥行きがあるため、背の高い家具を壁に寄せることで、外への視線の抜けが生まれます。空間にゆとりがあるので、セミダブルベッドを置いても問題ないでしょう。

 

縦長のレイアウトではベッドを挟んで奥のベランダ側にソファ、手前にワークスペースをもってくることで、働く場所と休む場所が緩やかに分けられます。

 

奥行きがあるため、スペースを用途ごとに区切ると、2部屋あるかのような使い方が可能になります。

 

縦長の部屋は壁面を多く使える半面、部屋の奥へ向かう動線を確保しにくいのがネックかもしれません。ベッドやソファを設置する際は、ベランダへ移動するのに十分な通路を確保する必要があります。

横長の1K

 

一般的に、横長の部屋は縦長に比べて壁が少ないため、レイアウトが制限されるというデメリットがあります。

 

しかし、11畳ともなれば横長でも十分に壁面を確保できます。空間が広い分、横長の部屋ならではの日当たりのよさが存分に生かせるでしょう。

 

ベランダ側の窓の前にソファなどを設置しても横に通路を確保しやすく、ベランダへの動線を邪魔することもありません。

ロフト付き1K8.5畳

 

11畳の居室にロフトが付いていれば、一人暮らしとしては十分すぎるくらいの広さになるでしょう。

 

ロフトを寝床にすることで、居室に大きなベッドを置く必要がありません。部屋としては一体でありつつ、そのなかで緩やかにダイニング、ワークスペース、リビングと用途を分けられるのもポイントです。

 

ロフト付きの部屋は天井が高いことも多いので、少し背の高い家具であえて物理的な仕切り・目隠しを設ける方法もあります。

 

ここまで紹介してきたように、1Kで11畳あればスペースを広々と使うことができます。ここでは、広い11畳の部屋で快適な一人暮らしを送るためのレイアウトのコツを3つ紹介します。

 

11畳ともなると、一人暮らしの部屋とはいえ、それなりの広さになります。何も考えずにレイアウトを決めると、生活のなかでの移動が増え、住みにくい部屋になってしまうケースも考えられます。

 

11畳の部屋のレイアウトを考える際は、生活動線や家事動線がコンパクトになるように意識するのがコツです。

 

たとえば、疲れて帰宅してすぐにシャワーを浴びたいのに、着替えが入っている収納が部屋の端にあると小さなストレスになるかもしれません。

 

起きてから寝るまでの行動パターンをイメージし、流れに沿って動けるような家具配置を心がけましょう。

 

せっかく広い部屋なら、ベッドも大きなものを置きたいと考える人もいるかもしれません。確かにセミダブルまでであれば置いても邪魔になりにくいでしょう。広い寝床でゆっくり寝たい人にはセミダブルのベッドがおすすめです。

 

ただ、それ以上に大きなサイズだと、生活動線となる通路をふさいでしまう可能性があります。ベッドはシングルかセミダブルで、自分に合うものを選ぶといいでしょう。

 

11畳の部屋に2~2.5人掛けのソファを置くと、ゆったりと過ごせます。ソファがあるとちょっとした休憩ができるほか、昼寝の場所としても使えます。

 

2~2.5人掛けの少し大きめなものにすることで、一層くつろげるようになり、生活の質がワンランクアップするでしょう。

 

賃貸物件を探す

 

広くて条件のいい物件は家賃が高くなりやすいので、毎月無理なく支払える予算とのバランスを考える必要もあります。物件探しにおいて、家賃を抑えるためのポイントを見ていきましょう。

 

快速や急行列車が停車する駅や、複数の路線が乗り入れている駅など、利便性の高い駅の周辺エリアは家賃が高くなる傾向にあります。

 

家賃を低く抑えたいのであれば、急行や快速が停車する駅の隣のエリアを狙ってみるのもひとつの手です。また、駅から10分以上離れた物件を狙ってみるのも有効です。駅から離れた場所なら、駅前に比べて希望に合う広さや設備の部屋が見つかりやすくなることもあります。

 

駅から多少遠くても自転車を使ったり、頑張って歩いたりしてみましょう。健康のための運動だと捉えれば、長続きしやすくなります。

 

広くて利便性のいい物件にこだわるなら、築年数が古い物件を探すのが有効です。築年数が古くなるほど家賃は低くなる傾向にあるため、ほかの条件がよい物件でも比較的リーズナブルに借りられるかもしれません。

 

築年数が古い物件のなかには、すでにリノベーションやリフォームを行って室内や設備がきれいになっているものも多くあります。家賃を抑えたいなら、そうしたリノベーション済み・リフォーム済み物件を狙うのもおすすめです。

 

設備が整っている物件ほど家賃は高くなる傾向にあります。オートロックや宅配ボックス、エレベーター、スマートキーといった住宅設備のほか、なかには床暖房やコンシェルジュ付きの物件も存在します。

 

しかし、自分にとって優先順位の高くない設備が付いているケースもあるのではないでしょうか。広い部屋で少しでも家賃を抑えるには、必要な設備と「あったらいいな」程度の設備に分けて考えることも大切です。

 

11畳の部屋はワンルームで専有面積25~30平米程度、1Kで30~35平米程度が目安となり、一人暮らしをするには十分な広さがあります。

 

2~2.5人掛けのソファやセミダブルベッドを置いてもスペースに余裕があり、レイアウトに気をつければ一人暮らしをゆったりと満喫できるでしょう。

 

ただし、11畳の広い部屋はそれなりに家賃がかかります。広さを確保しつつ家賃を抑えたいのであれば、立地や築年数、設備などの条件面とのバランスがポイントです。優先順位の低い条件は妥協する姿勢も重要になるでしょう。

 

賃貸物件を探す 一人暮らしにぴったりな物件

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