一人暮らしの部屋を探す際、自分に適した部屋の広さがどれくらいなのか分からない人もいるでしょう。

今回は、8.5畳の部屋が実際にどれくらいの広さなのか、家賃相場はどれくらいなのかを解説します。8.5畳のレイアウトのコツも紹介しますので、今後一人暮らしを予定している人はぜひ参考にしてみてください。

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そもそも「8.5畳」とはどのくらいの広さなのでしょうか。まずは1畳の広さを把握しましょう。

 

不動産公正取引協議会連合会が定める「不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則」(※)では、「畳1枚当たりの広さは1.62平米以上」としています。

 

「1.62平米以上」と幅をもたせて設定しているのは、地域によって「京間、中京間、江戸間、団地間」など畳1枚の広さが異なるためです。

 

「1畳=1.62平米」として計算した場合、8.5畳は「13.77平米」となります。以下で、より具体的な広さのイメージを見ていきましょう。

 

※ 不動産公正取引協議会連合会「不動産の公正競争規約

 

同じ一人暮らし向けの8.5畳でも、間取りがワンルーム(1R)か1Kかによって専有面積は異なります。専有面積とは、その部屋の居住者だけが使用できる床面積のことです。

 

ワンルームは居室とキッチンの間に仕切りがない部屋を指し、8.5畳の中にキッチンも含んでいます。

 

一方、居室とキッチンの間に仕切りがあるのが1Kです。「1K・8.5畳」とある場合は居室のみで8.5畳あるため、「ワンルーム・8.5畳」よりも専有面積は広くなります

 

イメージしやすいよう、実際の間取り例を見ていきましょう。

 

ワンルーム・8.5畳の部屋の間取り図

ワンルーム・8.5畳の部屋の間取り図

こちらはワンルーム・8.5畳の部屋の間取り図です。8.5畳の居室の中にキッチンが組み込まれていることが分かります。

 

上記の物件の場合、玄関やトイレ、浴室なども含めた全体の専有面積は21.5平米です。ワンルーム・8.5畳の部屋だと20~25平米程度の物件が多くなっています。

 

1K・8.5畳の部屋の間取り図

1K・8.5畳の部屋の間取り図

こちらは1K・8.5畳の部屋の間取り図です。キッチンが分かれていて、居室だけで8.5畳の広さがあるのが分かります。

 

キッチンや玄関、トイレ、浴室などを含めた全体の専有面積は27.5平米です。1K・8.5畳の場合、ワンルームに比べて広めの25~30平米程度の物件が多く見つかります。

 

一人暮らしの部屋としては6畳程度が一般的であり、8.5畳となると比較的広い部類になります。

 

前述したように、間取りの種類によっても異なりますが、特に1Kの8.5畳であればベッドや大きめの家具を置いても狭さを感じにくいでしょう。荷物が多い人でも余裕を持って暮らせる広さといえます。

 

1Kの物件 ワンルームの物件

 

一人暮らし向けの部屋のなかでは広めな8.5畳ですが、家賃が気になる人もいるでしょう。ここでは、東京都内の8.5畳の部屋の家賃相場を見ていきます。

 

なお、表の家賃は、先ほどの目安にしたがって「ワンルームの8.5畳=専有面積20~25平米」「1Kの8.5畳=専有面積25~30平米」としたときの相場です。

 

ワンルーム・8.5畳

1K・8.5畳

千代田区

12.25万円

12.72万円

中央区

11.70万円

11.56万円

港区

14.03万円

13.40万円

新宿区

9.11万円

11.68万円

文京区

9.07万円

10.57万円

台東区

9.33万円

10.71万円

墨田区

8.73万円

9.51万円

江東区

9.00万円

9.91万円

品川区

9.11万円

10.31万円

目黒区

10.49万円

11.35万円

大田区

7.34万円

8.88万円

世田谷区

8.46万円

9.65万円

渋谷区

11.19万円

12.21万円

中野区

7.39万円

9.40万円

杉並区

7.04万円

8.85万円

豊島区

8.12万円

9.74万円

北区

7.10万円

9.09万円

荒川区

6.89万円

8.65万円

板橋区

6.72万円

8.39万円

練馬区

6.76万円

8.19万円

足立区

6.17万円

7.42万円

葛飾区

6.12万円

7.46万円

江戸川区

6.05万円

7.53万円

※ マンション、アパート、一戸建ての相場表 LIFULL HOME’S家賃相場 2024年1月時点のデータより

 

総務省統計局の2022年「家計調査」(※)によると、民営の一般的な賃貸住宅で暮らしている人が支払う家賃の平均額は月5万3,785円です。

 

東京23区は全体的に家賃が高いとはいえ、都心の8.5畳となると全国平均の倍以上の相場になるケースも多いでしょう。

 

※ 総務省統計局「家計調査(2022年) 1世帯当たり1か月間の収入と支出 住居の所有関係別 単身世帯

 

実際に8.5畳の部屋で一人暮らしをする場合、どのようなレイアウトにするのがいいのでしょうか。1K・8.5畳の部屋を想定し、3種類の部屋の形状ごとにレイアウトのポイントを紹介します。

縦長の1K8.5畳

 

1Kの8.5畳の部屋でよく見られるのが、玄関からベランダに向かって縦長になっているタイプです。このタイプは使える壁の面積が広いため、レイアウトの自由度が高い点が魅力です。

 

壁沿いにベッドを縦向きに配置し、もう一方の壁沿いに収納家具を配置すると、すっきりとまとめやすくなります。

 

8.5畳あれば、大きめの家具を壁に沿って配置しても圧迫感がそれほど出ません。広さがあるため、無理に背の高い家具を置かなくても収納できる点もポイントです。

 

背の低い家具を壁沿いに配置すれば視線の抜けが生まれ、部屋の広さと相まって開放感のある部屋を演出できます。さらにスペースを有効活用したい場合は、ソファベッドを壁沿いに配置するといいでしょう。

横長の1K8.5畳

 

続いて、横長タイプの部屋のレイアウトを見ていきます。横長タイプの部屋は窓の面積が大きい傾向があるため、縦長の部屋に比べて自然光が入りやすいのが魅力です。

 

ただ、使える壁の面積が限られるため、日当たりを大切にしたい場合はレイアウトが限られるかもしれません。

 

背の低いベッドを窓沿いに横向きで設置すれば、長方形の広い空間が残るため、比較的自由に家具を設置できるでしょう。

ロフト付き1K8.5畳

 

1K・8.5畳でロフト付きという部屋もあります。ロフトの広さが十分にある場合、ロフトを寝室にすることで8.5畳のスペースを丸々自由に使えることになります。ソファやテーブル、テレビ台などを置いても、まだスペースに余裕があるでしょう。

 

何も物を置かない壁を設けることで空間に余白が生まれ、より広く感じられるようになります。アートや写真などを飾って、自分らしい部屋を演出するのもおすすめです。

 

賃貸物件を探す ロフト付きの物件

 

8.5畳の部屋で快適な一人暮らしを送るためには、ポイントを押さえた使いやすいレイアウトにすることが大切です。レイアウトを考える際に意識すべき3つのコツを紹介します。

 

まずは、部屋の中を移動しやすいかという点に着目しましょう。人が移動する際に必要なスペースは、横幅60cm以上とされています。

 

そのため、動線となる家具と壁の間や家具と家具の間は、最低でも60cmは確保するのがコツです。それ以上に幅が狭くなると通りにくくなり、部屋内の移動が面倒になってしまいます。

 

加えて、朝起きてから寝るまでの自分の行動パターンをイメージするのもおすすめです。行動パターンに沿ったレイアウトを意識すると、日常動作がスムーズになり、ストレスがかかりにくくなります。

 

一人暮らしにおいて家事をいかにストレスなくこなすかは、生活の質を左右する重要なポイントです。8.5畳の部屋のレイアウトを検討する際も家事動線を意識するようにしましょう。

 

たとえば、食事をするテーブルをキッチンから遠い場所に配置すると、「調理→配膳→食器下げ→片付け」の動線が長くなってしまいます。

 

ほかにも、洗濯機からベランダまで行くのにソファやテーブルを避けなければならなかったり、窓際に空いたスペースがなく、取り込んだ洗濯物を部屋の奥まで持っていかなければならなかったりする場合も、ストレスがかかりやすくなります。

 

家事の流れがスムーズになるようにレイアウトを工夫してみましょう。

 

8.5畳あれば一人暮らしとしては十分な広さですが、広いがゆえに家具を最初から買いそろえたくなるかもしれません。

 

しかし、「この家具は大きすぎた」「この場所に置くには形が合わない」など、生活するなかで不便に感じられることも少なくありません。

 

最初から完璧な部屋のレイアウトを目指すのではなく、最初は必要最低限の家具で生活をスタートしてみましょう。暮らしのなかで必要になった物や「あるといいな」と思った物を、少しずつ買い足していくのがおすすめです。

 

8.5畳の部屋は一人暮らしをするには十分な広さであり、荷物が多い人でも余裕を持って暮らせます。

 

ただし、ワンルームか1Kかによって部屋の広さや使い勝手が異なるため、お部屋探しの際は部屋の畳数と併せて間取りタイプもチェックしましょう。

 

そのうえで、生活動線や家事動線を意識したレイアウトを心がけることで、ゆとりのある空間を有効に活用できます。今回紹介したコツを踏まえ、生活を豊かにする8.5畳の部屋をかなえてみてはいかがでしょうか。

 

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