一人暮らしの住まい選びにおいて、居室の広さが気になる人も多いのではないでしょうか。一人暮らしならそれほど広さは必要ありませんが、狭すぎると暮らしの質が下がってしまうかもしれません。
今回は、5.5畳の部屋で一人暮らしをする場合のレイアウトのコツや家賃相場などを解説します。
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5.5畳ってどのくらいの広さ?

5.5畳は狭い? ベッドは置ける?
「5.5畳はやや狭い」というイメージがあるかもしれませんが、ベッドが置けるかどうかに関して言えば、シングルサイズ(幅約100cm×長さ195cm)であれば十分に置ける広さです。
不動産業界における表記のルール(※)では、「畳1枚当たりの広さは1.62平米以上の広さがあるという意味で用いること」とされています。「1.62平米以上」というあいまいな表現になっているのは、地域や物件によって畳の広さが異なるためです。
そのため、「1畳=1.62平米」だと考えると、5.5畳=約9平米となります。イメージしやすいよう、居室5.5畳の1K物件の間取り図を見てみましょう。

居室5.5畳の1K物件の間取り図
この物件の場合、キッチンが3畳あり、水回りを含めた部屋全体の専有面積は約20平米となっています。
ワンルーム(1R)の場合は居室とキッチンが一体化しているため、キッチンスペースも含めて5.5畳となります。よって、5.5畳のワンルームは専有面積がもう少し狭くなると考えましょう。
国土交通省の「住生活基本計画における居住面積水準」によれば、単身世帯に必要な広さ(最低居住面積水準)は25平米以上とされています。
そのため、5.5畳の物件は一人暮らしに必要な水準よりも狭いケースが多いでしょう。ただ、都心部などでは決してめずらしくない広さであり、部屋の配置やタイプによっては、十分に住みやすい生活空間を確保することもできます。
※ 不動産公正取引協議会連合会「不動産の公正競争規約」
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コンパクトな部屋のレイアウトのコツ

5.5畳は比較的コンパクトな部屋です。面積が限られた部屋のレイアウトを考えるにあたっては、コツがあります。
部屋のテーマを決める
コンパクトな部屋のレイアウトを考えるときは、はじめに部屋のテーマを決めましょう。
自分が居心地よく感じる部屋をイメージし、それに合ったテーマを考えます。モダンやナチュラル、ヴィンテージ、カジュアル、北欧風などが代表的です。
1つのテーマを軸にレイアウトや家具を決めていくと、部屋全体に統一感が生まれます。逆に、統一感のない部屋は、乱雑で窮屈な印象になりがちです。すっきりと広く見せるためには、テーマ決めが大切なのです。
物を置くバランスを考える
物が増えれば増えるほど、空間は圧迫されていきます。コンパクトな部屋では、より顕著に圧迫感が出てしまうため、物を置くバランスは非常に大事です。
コンパクトな部屋を広くすっきり見せるには、背の低い家具を選び、壁の余白を多く見せるのがポイントです。スペースが限られるなかでも、あえて余白を残すことが空間的余裕につながります。
逆に、背の高い家具は圧迫感を与えるため、できる限り避けた方がいいでしょう。どうしても設置したいときは壁面に沿って配置するなど、視線の抜けを遮らないような工夫が必要です。
家具を上手に使う
コンパクトな部屋を広く見せたければ、なるべくアイテムの数を減らすのが基本です。家具を上手に選べば、実用性や利便性を保ったまま省スペース化を実現できます。
5.5畳の部屋でおすすめなのが、折り畳むことで2つの使い方ができるソファベッド、座面下に収納を備えたスツールなどです。これらは1つで複数の機能を果たす多機能家具と呼ばれるものです。コンパクトな部屋では積極的に取り入れましょう。
5.5畳の家賃相場はどのくらい?

同じエリア・同じ条件であれば、部屋の広さと家賃は基本的に比例します。東京都23区における部屋の広さごとの家賃相場をまとめたのが下の表です。
なお、ここでは専有面積に応じた居室の畳数を次のように想定し、家賃相場を記載しています。
- 10~15平米:5畳
- 15~20平米:6畳
- 20~25平米:8畳
- 25~30平米:10畳
エリア | 家賃相場 | |||
|---|---|---|---|---|
5畳 | 6畳 | 8畳 | 10畳 | |
千代田区 | 7.83万円 | 10.06万円 | 12.27万円 | 14.48万円 |
中央区 | 6.70万円 | 8.80万円 | 10.82万円 | 12.79万円 |
港区 | 7.64万円 | 9.93万円 | 12.21万円 | 14.47万円 |
新宿区 | 6.85万円 | 8.72万円 | 10.52万円 | 12.27万円 |
文京区 | 5.97万円 | 7.65万円 | 9.24万円 | 10.78万円 |
台東区 | 7.03万円 | 8.60万円 | 10.09万円 | 11.54万円 |
墨田区 | 6.38万円 | 7.72万円 | 8.97万円 | 10.16万円 |
江東区 | 6.65万円 | 8.05万円 | 9.37万円 | 10.63万円 |
品川区 | 6.28万円 | 7.92万円 | 9.49万円 | 11.02万円 |
目黒区 | 6.80万円 | 8.52万円 | 10.18万円 | 11.79万円 |
大田区 | 5.34万円 | 6.68万円 | 7.92万円 | 9.07万円 |
世田谷区 | 5.83万円 | 7.25万円 | 8.58万円 | 9.83万円 |
渋谷区 | 6.40万円 | 8.63万円 | 10.88万円 | 13.13万円 |
中野区 | 5.68万円 | 7.04万円 | 8.29万円 | 9.47万円 |
杉並区 | 5.29万円 | 6.57万円 | 7.73万円 | 8.81万円 |
豊島区 | 6.07万円 | 7.54万円 | 8.91万円 | 10.19万円 |
北区 | 5.93万円 | 7.17万円 | 8.32万円 | 9.39万円 |
荒川区 | 5.41万円 | 6.67万円 | 7.82万円 | 8.88万円 |
板橋区 | 5.31万円 | 6.44万円 | 7.46万円 | 8.40万円 |
練馬区 | 5.10万円 | 6.21万円 | 7.20万円 | 8.12万円 |
足立区 | 4.83万円 | 5.78万円 | 6.63万円 | 7.40万円 |
葛飾区 | 4.89万円 | 5.78万円 | 6.55万円 | 7.25万円 |
江戸川区 | 4.88万円 | 5.84万円 | 6.69万円 | 7.47万円 |
※ ワンルーム、1K、1DK/マンション、アパート、一戸建ての相場表 LIFULL HOME’S家賃相場 2024年1月時点のデータより
5.5畳を5畳と6畳の中間と考えると、家賃相場は最も高い千代田区で8万~9万円程度、ほかの区では少なくとも5万円台~6万円以上と考えられます。
総務省統計局の2022年「家計調査」(※)によると、一人暮らしで一般的な民営の賃貸住宅に住んでいる人が支払う平均家賃は月5万3,785円。
23区内で一人暮らしをする場合、5.5畳の家賃は全国平均より高い水準となるケースが多いでしょう。
※ 総務省統計局「家計調査(2022年) 1世帯当たり1か月間の収入と支出 住居の所有関係別 単身世帯」
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5.5畳の部屋で一人暮らしをするメリット

一人暮らしの部屋としてもコンパクトな部類に入る5.5畳の部屋。居住スペースの限られた部屋で暮らすことによって得られるメリットとは、一体どのようなものなのでしょうか。
本当に必要な物だけに囲まれた生活ができる
5.5畳というコンパクトなスペースゆえ、必然的に物の置き場所や収納量は限られます。
家に置ける分しか物を持てないので、「余計な物は持たないようにしよう」という意識が働きます。本当に必要な物だけに囲まれることで、シンプルで無駄のない生活を送れるようになるでしょう。
余分な物がなくなって部屋に余白が生まれれば、心にも自然と余裕が生まれてくるかもしれません。
不要な物を買わなくなり余分な出費を抑えられる
また、部屋がコンパクトだと買い物の際、おのずと買った物の置き場所を考えるようになります。そのため、買い物は本当に必要な物だけに絞られ、余分な出費を抑えられるといったメリットがあります。
5.5畳の部屋で快適に暮らすには物を増やさないことが近道です。お金の使い方にもメリハリが生まれ、人によっては貯金に回せる金額を増やすこともできるでしょう。
整理整頓の習慣が身につく
スペースに余裕があると、物を散らかしても生活に支障が出ないため、ついつい片付けを後回しにしがちです。その結果、どんどん部屋が散らかり、掃除をしようと思ってもどこから手をつければいいのか分からないという状況に陥ってしまうことがあります。
しかし、5.5畳のコンパクトな部屋では、少しでも散らかるとあっという間に生活スペースが圧迫されてしまいます。
生活スペースを確保しようと、小まめに片付ける習慣が自然とつくでしょう。整理整頓が苦手な人こそ、あえて空間に限りのある5.5畳の部屋で一人暮らしをするというのもひとつの手です。
まとめ

5.5畳の部屋は一人暮らしをするにもコンパクトな広さですが、シングルベッドなど必要な物だけを置くのであれば十分な広さです。
コンパクトな部屋で快適な一人暮らしを送るには、統一感のある空間づくり、物を置くバランスの考慮、多機能家具の活用といった工夫が求められるでしょう。
同じエリアであれば、基本的に家賃は部屋の広さに比例します。そのため、家賃を抑えて一人暮らしをしたい人は、居室の広さが5.5畳の物件も選択肢に入れてみるといいでしょう。
なかでも物をたくさん持っていて片付けが苦手な人は、5.5畳の部屋でのシンプルな一人暮らしを検討してみてはいかがでしょうか。
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