気に入った住まいを見つけて、愛犬と一緒に一人暮らしを楽しんでみたいと考えている人は少なくないでしょう。今回は、一人暮らしで犬を飼う時に必要な条件やおすすめの犬種、犬を飼うことを想定した部屋探しのポイントなどについて解説します。

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一人暮らしで犬を飼う時に必要な条件は?

まず、一人暮らしで犬を飼う場合、どのような人が向いているのかを見ていきましょう。

一人暮らしで犬を飼うなら、犬のために必要なお金や時間をかけられる人である必要があります。犬を飼う場合、ペットフードやトイレ用品代、ワクチン接種や病気になった時の医療費をはじめ、冷暖房をつけておくことによる光熱費などのお金がかかります。加えて、毎日の散歩やお手入れなどのお世話をする時間も必要なため、犬を飼うには経済的にも、時間的にも十分な余裕が求められるのです。

犬が快適に過ごせるようなゆとりある広さの確保など、環境づくりも重要です。たとえば、小型犬であれば広めのワンルームなどでも飼うことはできますが、大型犬となれば最低でも2LDKは必要になります。さらに、大型の家具を少なめにしたり、冷暖房を用いて室内温度を調整したりと、犬がストレスをためずに暮らせる生活環境を整えることが大切です。

ほかの住人とのトラブルを防ぐためにも、犬のしつけをしっかりとする必要があります。一人暮らしだと留守番をさせる機会が多くなります。そのため、留守の間ずっと吠え続けることがないようにしたり、トイレがちゃんとできるようにしたりと、しつけができなければ一人暮らしで犬を飼うことは難しいと言えるでしょう。

犬の散歩は毎日必要です。犬の大きさや種類によって必要な運動量は異なりますが、犬にとって適度な運動は日々欠かせません。多くの犬は、狭い屋内にずっといること自体がかなりのストレスになることも多く、散歩などでストレス発散をさせないでいると、部屋の家具を噛む、無駄吠えをするなどの原因となってしまうことがあります。

散らかったらその都度片づけるのは生活の基本ですが、犬と一緒に暮らすとなると、犬の排泄物の処理や抜け毛などを、よりこまめに掃除する必要があります。近隣からのクレームの原因とならないようにするためにも、きちんと掃除して部屋を清潔に保ち、換気を頻繁に行う必要があります。

犬アレルギーの人は犬を飼うことができないので、自分に犬アレルギーがないかどうか確認しましょう。また、たとえペット可の物件でも、周囲に犬アレルギーの人が住んでいる可能性もあります。そのため、あらかじめ大家さんに確認しておくなど、トラブルにならないように注意を払いましょう。

 

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賃貸物件で犬を飼う前に確認しないといけないことは?

一人暮らしで犬を飼う場合、賃貸物件に入居する前に具体的にどんなことを確認しておくべきでしょうか。それぞれ見ていきましょう。

犬を飼いたいと考えている場合は、その物件が「ペット可」または「ペット要相談」の物件であるかを必ず確認するようにしましょう。基本的な方法としては、その物件の大家さんか不動産管理会社への問い合わせ、契約書を確認する方法が挙げられます。

その物件が「ペット可」「ペット要相談」であったとしても、すべての犬種を飼うことができるわけではありません。物件によって飼える犬種や大きさ、頭数などの条件が定められているケースがあるので、あらかじめどのような犬種なら飼えるのかを、大家さんや不動産管理会社に確認するようにしましょう。

ペット可の賃貸物件であっても、ペットを飼う場合と飼わない場合で、初期費用や賃料といった条件が変わってくる場合があります。さらに、犬種や大きさによっても条件が変わるケースもあるので、不動産会社などへの事前の確認が必要です。

物件によっては、飼うペットの資料提出を求められる場合があります。ペットを飼う場合に用意しておくとよい主な書類としては、「最近のペットの写真」「ワクチン接種証明書」「犬鑑札」「狂犬病予防注射済証」などが挙げられます。そのほかにも、物件によってはペットの「健康診断書」の提出を求められるなど、細かいルールが定められているケースがあるので、あらかじめ確認しておきましょう。

一人暮らしにおすすめの犬種は?

ここからは、一人暮らしの賃貸住宅で飼いやすい犬種について紹介します。

ポメラニアン

体高約18~22㎝、体重約1.8~2.3㎏ほどの小柄な体が可愛らしいポメラニアンは、「超小型犬」に分類されます。平均寿命は約12~16歳で、犬種のなかでも長生きの部類に入り、性格は元気で明るくフレンドリーです。ただし、好奇心旺盛で活発なうえ、よく吠えるので、心身の健康維持のためには毎日の運動や散歩が欠かせません。

 

加えて、寂しがり屋な面もあるため、一人暮らしでポメラニアンを飼う場合は、留守番対策などのしつけが必須となります。子犬の時期から留守番に慣れさせてしつけをしっかりすれば問題なく留守番もできるようになるので、一人暮らしにもおすすめの犬種とされています。

 

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トイ・プードルは成犬時の体重は約3~4kg、体高は約25cmです。プードルのなかでも、もっともサイズの小さい種類で、平均寿命は約15歳。基本的には社交的な性格で知性が高く、どんな住環境にも対応してくれるため、一人暮らしでも飼いやすいとされています。しかし、見知らぬ人に対する不安や恐怖を感じる面もあり、ストレスによる病気の発症につながりやすい特徴があります。

 

また、運動能力が高いので、運動不足は大きなストレスになってしまうこともあります。運動させながら触れ合う時間を取りつつ、リラックスして過ごすことが大切です。加えて、寂しがり屋な一面を持つため、留守番が苦手なことも。子犬の頃から愛情を注いで接すると同時に、独立心をつけるしつけ(待つ練習、クレート待機など)を意識しましょう。

 

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チワワは愛玩犬として有名です。個体差が大きいですが、標準体重は約1.5 ~3 kg、平均的な体高は約12~20cm、平均寿命が約14~16歳と長生きです。寒さに弱いので、屋内でも一定の温度を保つ必要があります。チワワは体格が小さく、運動量や食事量が多くないうえ、独立心が強く留守番させやすいため、一人暮らしに向いている犬種です。

 

しかし、可愛らしい外観とは裏腹に飼い主への攻撃性が比較的高く、トレーニングの反応が低いという特徴があり、飼いはじめからの一貫した対応と家庭内のルールづくりが重要です。

ミニチュア・シュナウザーは温厚な性格で、家庭犬として人気が高い犬種です。体長は約30~35cm、体重は約4~8kgで、寿命は約12~15歳。性格は明るく活動的で、飼い主と一緒に遊ぶことが大好きです。家族に対しては従順で飼い主とのやり取りに楽しみを見出す特徴があり、しつけがしやすい傾向にあるので、一人暮らしに向いている犬種といえます。

 

ただし、見知らぬ人や犬に吠えたり、攻撃的な振る舞いをしたりすることがあるので社会化期(生後1ヶ月~3ヶ月頃)からのしつけが大切になります。また、ブラッシングも良いスキンシップになるほか、ご褒美がもらえる号令のレッスンなども好きな傾向にあるとされているので積極的に行うようにしましょう。

丸い目が可愛らしいシー・ズーは人気の高い犬種です。体高は約25~28cm、体重は約5~8kg。平均寿命は約13〜16歳で、飼い主はもちろん、他者に対しても人懐こい傾向が見られ、留守番も問題なくできるので、一人暮らしに向いている犬種とされています。

 

オスの方が比較的素直で感情が読み取りやすく、甘えん坊の傾向があり、ほかの小型犬に見られる興奮性や活発さや攻撃性も低いので、はじめて犬を飼う人にも向いています。運動要求や遊び要求が比較的低いため、犬とともにゆったりと暮らしたい方におすすめです。

 

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一人暮らしで犬を飼う時の部屋探しのポイント

ここからは、一人暮らしで犬を飼うことを前提とした部屋探しのポイントについて解説します。

ペットと過ごす物件を探す際には、日当たりや風通しはもちろん、トイレやケージを置くスペースや、足の洗い場が確保できるかなど、内見時に部屋の間取りや広さを確認するようにしましょう。犬の居場所となるケージは、犬のベッドやごはん、お水、トイレなどが入る大きさでなければなりません。たとえば、2~4kgくらいの小型犬が入るケージは縦90cm、横60cm以上のサイズが目安となるので、最低限の広さとして、6畳以上は必要となるでしょう。

運動不足は犬にとってストレスの原因になるので、どのような犬を飼うにしても、日々の散歩は欠かせませんが、犬を室内で十分に運動させるのは難しい面があります。周囲に犬を連れて気軽に歩ける場所があるかどうかや、物件の周辺環境についてもよく見ておく必要があります。たとえば、犬を連れて出かけやすい遊歩道や歩道が広い道、緑の多い場所、犬を連れて入れる公園などがあれば理想的です。

飼い犬の検診や病気・けがといった緊急時などに備えて、近くの動物病院を把握しておくことが重要になります。動物病院は定期的な健康診断、予防接種、去勢の相談だけでなく、育て方や食事についてなど、ちょっとしたことでも相談できるので、近くにあれば心強いでしょう。

近年では、「ペット共生物件」という、ペットと一緒に安心して暮らすことを目的として建てられた物件もあります。これらの物件では、部屋だけでなくドッグランやペット用の水道設備など、飼育に適した共用の設備が整えられています。「ペット可」の物件は決して多くありません。ペットのしつけや健康、ご近所づきあいに至るまで、ペットと暮らしやすい環境が整備されているペット共生物件も選択肢に入れてもいいかもしれません。

一人暮らしで犬を飼う場合、まずは犬との暮らしを想定してどのような必要条件があるのか確認してみましょう。詳しくは「一人暮らしで犬を飼う時に必要な条件は?」をご覧ください。

そもそも「ペット可」の物件なのか、「ペット可」であっても飼える犬の種類などどのような条件があるのかなど、事前に調べておく必要があります。詳しくは「賃貸物件で犬を飼う前に確認しないといけないことは?」をご覧ください。

犬にもそれぞれ気質があり、同じ小型犬であっても一人暮らしにとって比較的飼いやすい犬とあまり向いていない犬がいます。詳しくは「一人暮らしにおすすめの犬種は?」をご覧ください。

一人暮らしで犬を飼いたい場合、居室の広さや散歩のしやすさなど、暮らしていくうえで確認しておきたいポイントがあります。詳しくは「一人暮らしで犬を飼う時の部屋探しのポイント」をご覧ください。

 

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更新日: / 公開日:2023.11.20