大学への進学をきっかけに、初めて一人暮らしをする場合、毎月どのくらいのお金がかかるのでしょうか。「なるべく親には負担をかけたくない」と思い、仕送りなしで何とか生活できないかと考える人もいるでしょう。

今回は学生の一人暮らしに必要な費用や節約のコツなどに触れながら、仕送りなしで生活が成り立つのかを解説します。
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仕送り

 

まずは、一人暮らしをしている学生の生活の実情について、2021年度の全国大学生協連のデータ(※)を基に詳しく見ていきましょう。

 

結論から言ってしまえば、仕送りなしで一人暮らしをすることは可能です。データによれば、大学生(下宿生)のうち、7.5%が仕送りなしで生活しているとされています。

 

ただ、仕送りなしの場合、収入の構成はアルバイトと奨学金のみになるので収支のバランスは安定しにくいのも確かです。無理なく続けられるアルバイトがすぐに見つかるとは限らないうえ、シフトも思いどおりに決まるわけではありません。

 

また、授業やサークル活動などが忙しいときなど、普段より収入が低下してしまう月があることも考えられます。そのため、一人暮らしをするにあたって、1ヶ月にどのくらいの費用がかかるのかを、きちんと把握しておくことが重要です。

 

※ 全国大学生活協同組合連合会「第57回学生生活実態調査 概要報告

一人暮らしの生活費

 

引き続き、全国大学生協連のデータによれば、2021年における下宿生の生活費の平均は1ヶ月当たり12万5,040円で、細かな内訳は以下の表のとおりです。

費用項目

金額

食費

2万4,680円

住居費

5万3,920円

交通費

3,850円

教養・娯楽費

1万1,760円

書籍費

1,700円

勉学費

1,900円

日常費

7,520円

電話代

3,110円

その他

2,310円

貯金・繰り越し

1万4,300円

ただし、大学生になれば、サークルの合宿や旅行、運転免許の取得といった臨時の出費もいろいろと必要になります。

 

同調査によれば、こうした特別費は、半年間で平均15万7,500円となっており、1ヶ月当たりで計算すると約2万6,250円となります。

 

先ほど紹介した1ヶ月当たりの生活費に特別費を加えると、合計15万1,290円がかかると計算できます。

 

大学の学費については、国公立と私立でそれぞれ基本的な考え方が異なります。国立大の場合は、年間53万5,800円が標準額と決まっており、そこから120%の範囲で大学による違いを設けてもいいことになっています。

 

つまり、年間53万5,800~64万2,960円が学費の目安といえるでしょう。この金額を毎月積み立てていくとすると、4万4,650~5万3,580円が必要な計算となります。

 

私立大学の費用については、大学によって大きなバラつきがあるので、事前に調べておくことが大切です。

 

文部科学省のデータによれば、2021年度の私立大学における1年間の授業料は平均「93万943円」となっているので、1ヶ月当たり約7万7,579円が必要となります。

 

ここまで見てきたデータを基に、1ヶ月当たりに必要な金額を計算すると、国公立大学であれば平均で20万円程度(学費が標準額の場合)、私立大学であれば平均で23万円程度となりました。

 

数値はあくまで平均値であるものの、目安としては1ヶ月20万~23万円程度の収入が必要であると判断できます。

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一人暮らしをスタートするために必要な費用

 

一人暮らしをスタートするためには、賃貸物件に入居するための初期費用もかかります。初期費用にはある程度のまとまったお金が必要なため、コツコツと準備しておくことが大切です。

 

初期費用には以下のような項目があります。物件によって費用の項目に違いはありますが、家賃の4~6ヶ月分がひとつの目安とされています。

費用項目

費用目安

敷金

家賃の0~2ヶ月分

礼金

家賃の0~2ヶ月分

前家賃

家賃の1ヶ月分

日割り家賃

家賃の日割り計算金額

仲介手数料

家賃の0.5~1ヶ月分+消費税

火災保険料

1万5,000~2万円

鍵の交換代

1万~2万円

たとえば、家賃5万円の物件を借りるのであれば、初期費用には20万~30万円程度かかるということです。さらに、引越し料金と家具・家電購入費などを考慮すると、もう少し余裕を持った金額を準備しておきたいところです。

学費

 

ここまで解説した項目を基に考えると、仕送りなしで一人暮らしをするのは「決して不可能ではないものの、工夫は必要」といえるでしょう。さらに、学費も自分で負担をするのであれば、アルバイト収入だけでまかなうのは現実的に難しいといえます。

 

ここでは、仕送りなしで生活するために重要となるポイントを見ていきましょう。

 

学費も負担するのであれば、やはり国公立大学のほうが有利といえます。両者の間には、1ヶ月当たり3万円近くの差が生まれるケースもあるので、やり繰りの難易度は大きく違ってきます。

 

大学の学費については、一定の要件を満たすことで免除や減額といった優遇措置を受けられるケースがあります。

 

具体的には、返済義務のない給付型奨学金(生徒が高校を通じて日本学生支援機構に申し込む)と、授業料や入学金の減免(進学後に学生が大学へ申請する)といった方法があります。

 

ここで言う奨学金とは、給付型のものではなく、返済義務のある「貸与型」を指します。こちらは借りられる条件が緩やかな分、返済していかなければならないものなので、金額の設定には注意が必要です。

 

適切な借入金額を決めるためにも、毎月の支出とアルバイトの収入をよく計算して、毎月必要な金額がどのくらいになるのかを割り出しておきましょう。

 

仕送りなしで一人暮らしをするのであれば、住居に関する費用はできるだけ抑えることが大切です。

 

LIFULL HOME’Sでは「家賃・賃料4万円以下の物件」「家賃・賃料5万円以下の物件」など、比較的にリーズナブルな家賃で借りられる物件特集もあります。

 

住みたいエリアを入力すれば、すぐに物件の候補を絞り込めるので、部屋探しに活用してみてください。

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自炊

 

ここまで、仕送りなしで一人暮らしをスタートするためのポイントについて見てきました。最後は、入居してから意識したい節約のコツをまとめて紹介します。

ポイント

  • 自炊を心がける
  • 学食やアルバイト先のまかないなどを利用する
  • コンビニや自動販売機の利用を控える
  • マイボトルを持参する
  • 通信料のプランを見直す
  • 電気やガスの契約プランを見直す

生活費のなかで、住居費の次に金額が大きいのは食費です。そのため、まずは食費を見直すことが節約の第一歩となります。

 

食費については、できるだけ自炊を心がけ、外食はリーズナブルな価格の学食やアルバイト先のまかないなどを利用するのがコツです。料理があまり得意でなければ、ご飯を自分で炊けるようにしておくだけでも節約につながります。

 

また、買い物をするときには、なるべくコンビニや自販機を避け、スーパーでそろえるようにしましょう。飲み物はできるだけマイボトルを持ち歩き、外で買う回数を減らせると効果的です。

 

そのほかには、通信料や電気代、ガス代といった毎月発生する費用の契約プランを見極めることも重要です。いずれにしても、節約は無理なく続けられることが重要なので、自分に合った方法を見つけて少しずつ実践していくといいでしょう。

  • 工夫をすれば大学生が仕送りなしで一人暮らしすることは可能
  • 大学生の平均的な生活費は1ヶ月当たり12万5,040円
  • 特別費や学費も含めると、1ヶ月当たり20万~23万円程度の資金が必要
  • 学費の免除や減免制度、奨学金制度の仕組みもチェックしておこう
  • 入居後の節約方法は、自分に合いそうなものから試してみよう
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