デグーは体長12~20cm、体重200~300gの小型のげっ歯類です。別名「アンデスの歌うネズミ」ともいわれ、さまざまな鳴き声で群れの仲間と意思疎通を行います。

ペットとして人気のデグーですが、賃貸マンションで飼育する場合、どういったことに注意する必要があるのでしょうか。

この記事では、実際にデグーを飼育している筆者の体験を基に、デグーを飼育するために必要な準備、賃貸マンションで飼育する際の注意点について解説します。
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デグー

 

デグーの飼育歴は、2年ほどになります。今は男の子と女の子のデグーをそれぞれ一匹ずつ飼育しています。

 

もともとは犬が大好きで、一人暮らしをしてからも犬を飼育したいと思っていました。しかし、フルタイムで働きながら犬を飼育することは難しいと感じていて、犬のようにコミュニケーションがとれる動物を飼育したいと考え、ネットで検索したことがデグーを知るきっかけです。

 

人によく慣れて、コミュニケーションがとれることに魅力を感じ、調べれば調べるほどデグーをお迎えしたいという気持ちが強くなりました。ペット可のマンションに引越しをしたことをきっかけに、デグーとの生活をスタートさせることができました。

 

デグーと一緒に暮らしていると、デグーの頭の良さに驚くことが多くあります。デグーは人間の3歳児ほどの知能があるといわれています。「おいで」と呼ぶと膝の上に乗ってきたり、「帰るよ」と声をかけると、自分からケージに帰ってくれたり、ある程度の指示は理解しているようです。

 

飼い主の目が離れているのを確認して、見えないところでいたずらをするなど、とても人間味あふれる行動をすることがあります。そういった行動を見るたびに、デグーの賢さを再認識する毎日です。

 

また、飼い主とも鳴き声でコミュニケーションを取ろうとしてくれることも魅力のひとつです。うれしいときには「ピルピル」と小鳥のさえずりのような声で鳴き、嫌なときには「プゥー!」と鳴くなど、感情を表現してくれます。

 

最近では、私がケージに近づくだけで「ピルピル」とうれしそうに鳴き、構ってもらえるのを待っています。一匹だけ構っていると、もう一匹がそれを見て「プゥー」と怒り、嫉妬している様子が見られることもあり、感情豊かなデグーは毎日見ていてもまったく飽きることはありません。

 

さらに、よく見るとデグーの表情はとても豊かです。飼い主になでてもらったり、おいしいおやつがもらえたりすると目を細めてうれしそうな顔をします。

 

警戒しているときは目を見開き、耳をピンと立て周りで何が起こっているのか情報を集めようとしている様子が見られます。怒っている場合はこちらにお尻を向けたり、目を細め、耳を折りたたんだりして、「怒っているぞ」ということをアピールすることもあり、とても面白いです。

 

小さな身体ですが、一緒に暮らすうちに、とても大きな存在に感じるようになり、今ではなくてはならない存在です。

 

犬や猫は飼育できないけれど、何か動物を飼いたいと考えている方に、デグーはとてもおすすめです。

 

デグーは毎日運動をする必要がありますが、ケージの中に回し車を取り付けていれば、それを使用して運動します。犬のように散歩に連れていかなくてもよく、猫のようにおもちゃで遊んであげる必要はありません。

 

またデグーはなでられるのが大好きな子が多いです。人によく慣れているデグーだと、人の手や膝の上で眠ってしまうような子もいるようです。

 

上記でもお伝えしたとおり、コミュニケーションがとりやすいことがデグーの魅力です。ある程度、コミュニケーションがとれる小動物をお迎えしたい方は、ぜひデグーを検討してみてはいかがでしょうか。

 

一人暮らしの人でもデグーを飼育することは可能です。犬や猫を飼育するより、手間もそこまでかからず飼うことができますが、飼育する前に費用面については事前によく考えておきましょう。

 

ほぼ一年中エアコンをつけるので電気代がかかります。さらにけがをしたり、病気になったりすれば病院に連れていく必要があります。ペット保険に加入していない場合、高額な治療費を支払わなければならないこともあるかもしれません。

 

また、飼い主が病気や事故などで急に家に帰れなくなってしまったときに、代わりにお世話をしてくれる人を事前に見つけておくことも大切です。

 

どの動物を飼育するときにもいえることですが、一人暮らしで動物を飼う場合、事前準備をしっかりとしておきましょう。

デグーをマンションで飼うための準備

 

続いて、デグーをマンションで飼うために準備することや飼い方について紹介します。

 

デグーと早く仲良くなりたい場合、はじめは一匹だけで飼育することをおすすめします。

 

デグーはもともと、野生では群れで暮らしており、飼育する際も相性はありますが、一緒のケージで複数飼育することが可能です。ただ、初めから二匹以上でデグーを飼育すると、デグー同士でのコミュニケーションが中心になり、飼い主はただのエサ係と認識されてしまう可能性があります。

 

そのため「デグーと早く仲良くなりたい」「コミュニケーションを積極的にとりたい」とお考えの方は、初めは一匹のみで飼育してみてください。

 

デグーを飼育する際には、デグーが快適に過ごすことができる環境を用意する必要があります。

 

デグーを飼育する際の適温は、20~25℃といわれています。わが家のデグーは、23℃を下回ると寒そうにしている様子が見られます。私の家では、1年を通して、23~26℃をキープできるように気をつけています。

 

また、デグーは基本的にケージの中で過ごします。デグーを部屋の中でお散歩させる飼い主さんもいますが、必ずお散歩させる必要はなく、スペースも人が1人座れるほどの広さがあれば十分です。

 

ケージも犬や猫ほど大きいものを用意する必要はないので、部屋の広さはあまり気にする必要はないでしょう。ただし、間取りには少し注意が必要です。デグーのケージを置くのに最適な場所は、以下のとおりです。

ケージを置くのに最適な場所

  • 静かな環境
  • 直射日光が当たらない
  • エアコンの風が直接当たらない

デグーを飼育する部屋を選ぶ際には、ぜひ参考にしてみてください。

 

次にデグーと暮らすために必要な飼育用品をそろえましょう。

・ケージ

デグーは活発に活動する動物です。1匹で飼う場合、幅60cm、奥行き30cm、高さ30cm以上のものを準備しましょう。

・回し車

一日の運動量が多いので、デグーの身体の大きさにあったものをケージの中に準備しましょう。

・ステップ

高さのあるケージを用意する場合、足場として取り付ける必要があります。

・かじり木

ストレス解消におもちゃとして用意しましょう。

・給水機、エサ入れ、牧草入れ

ご飯やお水は基本的にケージの中でとります。すべてケージの中に準備しましょう。

・砂浴び用の容器、浴び砂

デグーはお風呂に入らない代わりに、砂浴びをして身体を清潔に保つため、必ず準備する必要があります。

・床材

ケージの中にクッションとして床材を敷いてあげましょう。床材は、木質ペレットや牧草、すのこなどさまざまな種類があります。

 

デグーは小さな身体ですが、意外と鳴き声が大きいことに最初は驚くかもしれません。特に、“警戒鳴き”や“呼び鳴き”は甲高い声でよく響くため、マンションで飼育する場合、防音対策はしっかりとしておきましょう。

 

わが家では、壁際にケージを設置することを避け、壁にはプラスチックダンボール(プラダン)を貼り付けています。また留守中にはカーテンを必ず閉め、ケージには薄手の毛布をかけるようにしています。

 

デグーの生活音は気になるほど大きいものではありませんが、鳴き声に関しては周りの住人に迷惑をかけないように注意が必要です。

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デグー

 

マンションごとに、ペットの飼育ができるかどうか規約で決められています。デグーをお迎えする前に、一度マンションの規約について確認をしておきましょう。

 

ペット可となっていても、確認したら犬や猫のみで、小動物はNGだったというケースもあります。また、反対にペット不可となっていても、大家さんに確認すると、ケージの中で生活する小動物ならOKというマンションもあるかもしれません。

 

無許可でペットを飼育することは、後々、大きなトラブルに発展する可能性があるので、きちんと確認してから飼育するようにしましょう。

 

前述のとおり、デグーの鳴き声はよく響きます。デグーは昼行性で、夜中は寝ている時間なので、深夜の騒音で注意をされることはないでしょう。ただし、家にお迎えしたばかりのデグーが、深夜に寂しくて呼び鳴きをすることがあります。

 

わが家でもお迎えして一週間ほどは、飼い主の姿を見るたびに激しく呼び鳴きをしていました。呼び鳴きの場合は、昼夜問わず鳴き続けるので、ケージに段ボールをかぶせるなど、さらに追加で防音対策が必要になるかもしれません。

 

ペット可のマンションでも、すべての住民がペットを飼育しているわけではありません。なるべく騒音で迷惑をかけないように対策を心がけましょう。

床と壁の保護

 

デグーを部屋の中でお散歩させる場合は、床と壁の保護が必要です。げっ歯類の仲間であるデグーは、歯が鋭く、壁紙に簡単に穴を開けてしまいます。

 

また、デグーはトイレを覚えない動物です。特に、畳の床は事前に保護しておかないと、おしっこをしてしまったり、畳をかじったりすることも考えられます。

 

わが家では、壁はプラスチックダンボールで二重に保護し、床にはカーペットを敷くなどの対策をしています。引越しの際に、高額な退居費用がかかってしまうことを避けるためにも、床と壁はしっかり保護しておきましょう。

 

また、デグーは運動神経も良く、50cmほどの壁であれば飛び越えることができます。手違いでケージから逃げてしまい、そのまま家の外に飛び出してしまわないように、脱走対策には注意が必要です。

 

今回は、デグーと暮らす楽しさや飼育するときの準備、マンションで飼育する際の注意点について紹介しました。

 

賃貸マンションで飼育する場合は、デグーを飼育することができるのか、大家さんや管理会社に必ず確認をするようにしましょう。特に一人暮らしで、デグーの飼育を考えている方は事前準備を必ず行う必要があります。

 

デグーについて調べることはもちろん、デグーを飼育できる環境かしっかり確認してからデグーをお迎えしてあげてください。

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