家賃と収入の関係性

 

無理のない家賃設定を行うためには、収入とのバランスを十分に考慮する必要があります。ここではまず、家賃の目安割合と家賃25万円の物件に住める年収の目安を見ていきましょう。

家賃25万円の物件に住める月収と年収の目安

 

一般的には、家賃が手取りの3分の1以下であれば、無理なく支払い続けていけるとされています。手取りとは、収入から税金や社会保険料などを差し引いたお金のことであり、「額面の80～85％」程度となるのが一般的です。

 

仮に、家賃25万円を手取りの3分の1に設定すると、手取り月額では75万円、月収の額面では「88万～94万円」が目安となります。そのため、年収としては少なくとも「1,056万～1,128万円」程度が必要となる計算です。

家賃の考え方

 

家賃の適正範囲については、ライフスタイルや居住エリアなどの細かな条件によっても異なる点に注意が必要です。

 

たとえば、車を所持していたり、趣味などによりお金をかけたいと考えていたりする場合には、手取りの3分の1よりも低めの設定を心がける必要があります。

 

一方、都市部に居住する場合は、同じ広さや条件の場合、家賃が高くなってしまいます。そのため、条件に見合った物件が見つからなければ、家賃の負担割合が3分の1を超えてしまうケースも少なくありません。

 

正確な目安賃料を把握するためにも、あらかじめ毎月の生活費や固定費を計算しておくことが大切です。

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一人暮らしの場合の生活費のシミュレーション

 

総務省統計局の「家計調査報告」（2020年）によれば、住居費を除く、一人暮らしの平均的な生活費は、1ヶ月当たり「12万9,558円」となっています。

 

ただ、これはあくまでも平均値であり、年収が高ければ高いほど、生活費の水準も高くなる点に注意が必要です。

 

たとえば、年収600万円以上の世帯を対象にした家計調査報告では、1ヶ月当たりの一人暮らしの平均的な生活費（住居費を除く）については、以下のような結果が示されています。

費用項目	金額
食費	5万1,600円
水道・光熱費	1万2,938円
家具・家事用品費	8,602円
被服費	1万3,943円
保険・医療費	1万102円
交通・通信費	3万4,719円
教養・娯楽費	2万4,356円
その他の費用	6万3,262円
合計	21万9,522円

この基準を参考にして、年収600万円以上の平均的な生活費に家賃25万円を足すと、一人暮らしの世帯の1ヶ月当たりの支出は「約47万円」となります。

 

貯金などを考慮すれば、少なくとも「手取り月額60万～70万円」は必要といえるでしょう。

二人暮らしの場合の生活費のシミュレーション

 

一人暮らしの場合と同じく、総務省統計局の「家計調査報告」（2020年）を参照すると、住居費を除く、二人暮らしの生活費の平均は「22万6,733円」とされています。ただ、こちらも先ほどと同じように平均値であるため、実生活との差額には注意が必要です。

 

たとえば、年収1,000万～1,250万円の世帯では、以下のような結果が示されています。

費用項目	金額
食費	9万5,474円
水道・光熱費	2万3,911円
家具・家事用品費	1万9,108円
被服費	1万5,007円
保険・医療費	1万6,568円
交通・通信費	5万7,774円
教育費	2万4,127円
教養・娯楽費	3万6,142円
その他の費用	7万2,589円
合計	36万700円

この合計額に家賃25万円を加えると、1ヶ月当たりの出費は「62万円程度」となります。

 

そのため、手取りは少なくとも「月額70万円以上」が必要な計算です。また、貯蓄や趣味などにより多くのお金を回すのであれば、もう少しゆとりがほしいところです。

 

いずれにしても、このように生活費の目安を把握しておくと、収入から毎月どのくらいの家賃を捻出できるかが明確になるのです。

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家賃25万円で借りられる物件

 

家賃25万円となると、平均的な賃料水準よりもかなり高い設定となるため、広さや設備といった条件面で有利になります。ここでは、居住エリアごとに、家賃25万円で借りられる物件の特徴を見ていきましょう。

東京都心部の場合

 

LIFULL HOME’Sで東京都心部（千代田区、港区、中央区、文京区、渋谷区、新宿区）の家賃20万～30万円の物件を検索してみると、2022年1月時点では、4,557件の物件がヒットしました。

 

地価の高いこれらの地域では、家賃が20万円を超える高額な賃貸物件も数多く見られるのが特徴です。

 

一般的に、一人暮らしでゆとりのある生活を送るためには、都市部で40平米以上の面積が必要とされています。この基準をもとに、「専有面積40平米以上」の物件に絞り込んでみると、約93％（4,246件）が該当しました。

 

また、二人暮らしでゆとりのある生活を送るための広さは、都市部で55平米以上とされています。この基準をもとに「専有面積60平米」の物件に絞り込んでみると、約25％（1,148件）となりました。

 

このことから、東京都心部にある家賃25万円の物件は、多くの場合「一人暮らしには十分な広さ」を持ち、「二人暮らしでもある程度のゆとりがある広さ」を備えている物件も少なくないものと考えられます。

東京23区の場合

 

東京23区で家賃25万円の物件を検索したところ、2022年1月時点では7,662件がヒットしました。東京都心部を除くと3,105件。

 

東京都心部と比べて対象エリアが広くなっているにもかかわらず、それほどヒット件数が増えていないのは、23区の物件の多くが25万円より低い家賃水準であるためです。

 

23区では、家賃が20万円を超えると、新築マンションやデザイナーズマンション、タワーマンションなどの割合が高くなります。設備の充実度が高く、立地面での利便性にも優れた物件が多く見つかるため、快適な生活を送れる家賃水準だと考えられます。

東京郊外の場合

 

23区以外の東京都では、家賃25万円の物件が143件と少なく、タワーマンションや広めの一戸建てが中心となります。100平米を超える物件の割合が高く、親子2世帯でも住めるような賃貸物件を見つけることも可能です。

無理のない家賃の物件を選ぼう

 

これまで紹介したように、家賃25万円は一般的にハイグレードな設備をそろえた高級マンションや、100平米を超えるような広い一戸建てを借りられる賃料水準といえます。

 

そのため、家計に余裕がなくなるようであれば、条件を見直して賃料設定を下げるのもひとつの方法です。家賃は安定して支払い続けられるかどうかが重要なポイントなので、毎月の生活費や固定費にも目を向けながら、無理のない設定を心がけましょう。

 

LIFULL HOME’Sでは、住みたい地域や駅・路線、通勤・通学時間といった条件から物件を絞り込むことができます。物件ごとに写真や特徴が細かく掲載されているので、ある程度の条件が明確になったら、実際にどんな部屋を借りられるのか検索してみましょう。

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