住宅には木造や鉄骨造などの種類があり、それぞれ特徴が異なります。
たとえば、火災のリスクを考えた場合は、一般的に木造は燃えやすく、鉄骨造などのほうが丈夫そうというイメージを持つ人は少なくないと思います。しかし、実際にはどうなのでしょうか?
ここでは鉄骨造の建物の特徴や、火災のリスクをなるべく避けて住宅を選ぶためのポイントなどを解説します。
鉄骨造の物件
鉄骨造の住宅とは?

建物の構造にはいくつかの種類があります。昔の日本の住宅は「木造」が一般的でした。土台や壁、柱といった骨組み部分に木材を用います。それに対して鉄骨造は、骨組み部分に鉄骨を用いた建物です。
使用する鋼材の厚さによって、「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」に分けることができます。さらに、鉄筋とコンクリートによって構成される「鉄筋コンクリート(R C)」造などもあります。
一般的に、小規模のアパートなどは木造や軽量鉄骨造などが多く、鉄骨造や鉄筋コンクリート造はマンションやビルなど比較的大きな建物に使われます。
鉄骨造の住宅の特徴としては、設計の自由度が高く、耐久性に優れていることなどが挙げられます。頑丈で、地震の揺れなどにも強いといえます。また、鉄筋コンクリートなどと比べて軽いので、高層マンションなどにもよく採用されます。
鉄骨造の物件鉄骨造はどのくらい火災に強いの?

木造に比べると、鉄骨造は火災時に燃えにくいので、被害が少なくて済みそうというイメージを持っている人が多いと思います。しかし、実際は鉄骨造の建物でも火災時に安全とはいえません。
確かに鉄骨自体は燃えないので、鉄骨造は耐火性に優れているといえます。しかし、鉄骨は温度が上昇すると強度が低下し、変形しやすくなる性質があります。
木材は燃えるのに時間がかかるので、いきなり倒壊するということはありませんが、鉄骨は一定の温度に達すると曲がってしまい、建物が一気に崩れ落ちてしまう危険性があるのです。
そのため「鉄骨造だから安心」ということはなく、注意が必要です。
木造は火災に弱いの?

木造の建物は、木を使っているので「燃えやすい」と思われがちです。確かに、木には燃えやすい性質があります。
しかし、木材は表面が燃えても、芯の部分まではなかなか燃えないようになっています。表面が燃えて炭化し、周りを覆うため、内部までは火が届きにくいのです。
さらに、木材には水分も含まれているので、すべて燃え尽きるまでには長い時間がかかります。
そのため、鉄骨造に比べると火災時にすぐ倒壊してしまうという危険は少ないといえます。火災に気づき、逃げるまでの時間も確保しやすいと考えられます。
鉄骨造の物件 木造の物件火災のリスクを避けるための物件選びのポイントは?

木造が燃えやすい一方、鉄骨造は倒壊の危険性などがあります。つまり、火災のリスクはどちらにもあり、「鉄骨造のほうが絶対に安全」など一概に言うことはできません。
しかし、物件を探す際は、少しでも安心・安全な住宅を選びたいと思うものです。火災が起きたときのことを考えると、建物の構造以外にも以下のような点をチェックしておくといいでしょう。
建物同士の間隔に注意する
近隣の建物から出火した火が燃え移ることがあるので、建物同士の間隔がしっかり空いているかどうかを確認しましょう。
建物では上に行くほど炎が燃え広がりやすいので、1階建ての建物の場合は、隣との間隔が3m、2階建て以上なら5m以上の間隔が望ましいといわれています。都心部で住宅が密集したエリアの場合は、特に注意が必要です。
セキュリティの高い物件を選ぶ
放火の可能性を考えると、防犯上の対策も必要です。
特に、マンションやアパートなどの共同住宅においては、セキュリティが高く、不審者が入ってこられないような住宅を選ぶことがリスクを低減させます。
火災報知器や消火器の位置を確認
2006年6月1日の消防法の改正により、新築住宅への火災警報機の設置は義務となりました。既存の住宅についても、各市町村の条例に基づき、全国で義務化されています。
ただし、2020年7月1日時点で全国の住宅における火災警報機の設置率は82.6%となっており、まだ一部の住宅では設置が完了していません。特に、古い物件の場合は、念のため確認しておきましょう。
設置箇所については「居室(居間やリビング、寝室など)、階段、台所の天井または壁」が基本となっていますが、詳細は自治体ごとに異なるので、気になる場合は消防庁のホームページなどで確認してみてください。
消火器の設置も、延床面積が150平米以上の共同住宅では義務化されています。入居の際はこれらがどこに設置してあるのかを確認しておくといいでしょう。
まとめ

住まい選びにおいては、火災などのリスクを考えることも重要です。
火災のリスクがゼロの物件というものはありませんが、少しでも被害が少なくて済むように、建物の構造や立地、設備などにも注意して選ぶようにしましょう。
鉄骨造の物件 木造の物件公開日:










