急な転勤や家庭の事情などで引越し先を見つけなければならない場合には、あまり物件探しに時間をかけることができません。こうしたケースでは、“即入居可”となっている物件が適している可能性もあります。今回は、即入居可物件の仕組みや審査のポイント、時間の余裕がない人向けのスムーズな引越しのコツを解説していきます。
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物件の内見

 

賃貸物件を探していると、ときおり“即入居可”となっている物件を目にすることがあります。ここではまず、即入居可物件の仕組みや主な特徴について見ていきましょう。

即入居可物件とは、契約してからすぐに入居ができる物件を指します。通常は契約から実際の入居日までに少なくとも1~2週間程度のタイムラグがあり、現在“入居中”となっている場合にはさらに長期の時間がかかってしまうものです。

 

即入居可物件はいつでも内見が可能であり、気に入った場合には短い期間で入居を済ませることができます。そのため、引越し予定日までにあまり時間のゆとりがない人にとっては、とても重要な条件だといえます。

即入居可となっていても、基本的には入居審査の必要があるため、内見や申し込みの日にそのまま住めるわけではありません。あくまでも、“契約後”にすぐ入居できるだけであり、それまでにはきちんと手続きを済ませる必要があるのです。

 

審査だけで最短でも2~3日はかかるため、実際に入居ができるまでには“4~5日程度”の期間をみておく必要があります。また、通常の賃貸物件と同様に、水道・電気・ガスといったライフラインの開通手続きが必要であるため、入居後の準備も同時に進めることが大切です。

即入居可物件のメリット

 

即入居可物件には、すぐに入居ができる点以外にもメリットがあります。ここでは、即入居可物件の2つのメリットについて見ていきましょう。

即入居可物件は、室内のクリーニングが済んでいる空き部屋であるため、基本的にはいつでもきれいな状態で内見を行うことができます。時間がない場合にいつでも内見が可能である点は、即入居可物件の大きなメリットです。

賃貸物件の需要は、ライフスタイルの変化が起こりやすい年度末や、人事異動の多い9~10月に高まるのが一般的です。閑散期に即入居可となっている物件は、貸主もできるだけ早く借り手を見つけたいと考えるため、相場より賃料が安くなっているケースもあるのです。

 

また、家賃の割に設備の優れた物件が見つかったり、交渉次第で初期費用などを融通してもらえたりする場合もあります。オフシーズンであっても、状態の良い物件が見つかるケースは少なくないため、理想的な部屋が見つかるまで慎重に判断することも重要です。

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即入居可物件の内見

 

即入居可物件には、メリットとともにいくつかのデメリットもあります。即入居可物件を借りるうえで注意しておくべきポイントを見ていきましょう。

即入居可となっている物件は、何らかの理由で長い間借り手が見つからず、空室になっていたケースもあります。立地・設備・間取りといったさまざまな面に問題が隠れていることもあるため、不動産会社に空室の理由を確かめてみるのもひとつの方法です。

 

また、長期にわたって空室の状態が続いていれば、室内の手入れが行き届いていない可能性もあります。排水溝や配管などは、使われていない間にカビなどが発生している恐れもあるため、きちんと確認しておきましょう。

 

こうした理由から、即入居可物件を借りる際には、時間がないからといってあまり内見を省略すべきではありません。自分の目で部屋の状態を確かめ、気になるポイントがあれば相談することが大切なのです。

保証人を頼めない場合の対処法

 

引越し予定日までに時間がない場合には、入居審査をスムーズに通過することが重要なポイントとなります。しかし、入居審査には保証人が必要であり、短時間では見つけるのが難しい場合もあるでしょう。

 

ここでは、保証人の具体的な役割と、保証人を用意できない場合の対策方法を解説していきます。

賃貸借契約における保証人の役割は、家賃の滞納リスクに備えることです。契約者自身が家賃を支払えなくなってしまったときに備えて、代わりに立て替えてくれる存在として保証人が必要となるのです。

 

また、何らかの過失によって契約者が部屋を損傷させてしまった場合の原状回復費用なども、契約者が支払えなければ保証人が負担することになります。そのため、入居審査においては契約者だけでなく、保証人の収入や信用情報も確認される場合がほとんどです。

どうしても保証人がいない場合には、保証会社の利用を許可してもらえることもあります。保証会社は契約者自身が審査に通過し、必要な保証料を支払って、未納家賃などを保証してもらう仕組みです。

 

物件によっては、保証人がいても保証会社の利用が条件となるなど、貸主や管理者の意向によってさまざまなルールが決められています。保証会社の審査に通れば、物件自体の入居審査も有利になるため、滞りなく必要な手続きを進めましょう。

 

基本的には、保証人と保証会社のどちらも不要であるケースはほとんどありません。しかし、家賃をクレジットカード払いにしたり、賃料の数ヶ月分を事前に預けたりすることで、入居を認めてもらえる場合もあります。

 

いずれにしても、何らかの事情で入居審査に不安を抱えている場合には、不動産会社に相談をしてみましょう。

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入居の手続き

 

できるだけ早く引越しを済ませるためには、自分でできる範囲の事柄は事前に準備しておくことが大切です。ここでは、スムーズに入居の手続きを進めるためのコツを解説します。

賃貸借契約を結ぶまでには、さまざまな必要書類があります。主なものは身分証明書・収入証明書・印鑑証明書・住民票・通帳のコピーなどであり、なかには取得までに時間がかかるものもあるため、効率的な計画を立てることが大切です。

 

また、保証人が必要な場合は、保証人の身分証や収入証明書なども必要となります。保証人になってくれる親族が遠方にいる場合には、書類のやりとりだけでも数日間かかってしまうため、できるだけ早く取りかかりましょう。

不動産会社に入居を急いでいることを伝えれば、担当者がさまざまな形でサポートしてくれます。審査の手続きをスムーズに進めてくれたり、必要なものを前もって教えてくれたりすることもあるため、きちんと事情を伝えておくと安心です。

 

また、賃貸物件に入居するまでには、初期費用を支払う必要もあります。物件が決まったタイミングで、担当者から初期費用の具体的な内訳や金額を教えてもらえるため、余裕を持って準備しましょう。

即入居可物件の内見

  • 即入居可物件は契約後にすぐ入居できる物件を指す
  • 即入居可物件でも入居審査は必要なため、入居までに4~5日くらいはかかる
  • 掘り出し物件が見つかることもあるものの、室内設備に不満を感じる可能性もある
  • 保証人が用意できない場合には、保証会社の利用を検討する
  • 時間の余裕がない人は、事前に必要書類と初期費用をそろえてスムーズに手続きを進める
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更新日: / 公開日:2020.12.14