築年数とは建物が完成してから経過した年数のことを指し、賃貸物件においては重要視される条件のひとつです。
特に、築年数があまり経過していないものは「築浅」と呼ばれ、人気が集まりやすいという特徴があります。
今回は築浅物件の定義や新築物件との違い、そしてそこに入居した場合の具体的なメリット・デメリットを紹介していきます。
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どのくらいだと新しい? 「築浅」の定義と築年数が建物に与える影響

一般的には築年数の浅い物件のほうが良いとされているものの、具体的な基準は判断する人によってそれぞれ異なっているといえます。
ここでは、築浅物件の定義や特徴について見ていきましょう。
「築浅」には明確な定義がない
実のところ、どのくらいの経過年数を築浅とするかについては、法律で具体的に定義されているわけではありません。
物件広告で「築浅物件」といった言葉で宣伝している場合でも、各不動産会社が扱う物件の平均築年数により、その年数の基準は1年、3年、長いもので10年など、さまざまです。
ある一部の都市(関東4県、関西3県、愛知県、福岡県、札幌市)を対象に、不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)が2011年に行ったアンケート調査によると、築5年までの物件を築浅と捉える人が80%を超えています。
参考:一般消費者対象「不動産広告に関するアンケート」調査結果|不動産情報サイト事業者連絡協議会
LIFULL HOME’Sでも、築年数が5年以内のものを築浅物件としてまとめ、特集を行っています。
「新築物件」と「築年数が浅い物件」の違い
では、“築年数が浅い物件”の中に、“新築物件”も含まれるのでしょうか。言葉の意味として考えれば “YES”であるようにも思えますが、答えは“NO”です。
「新築」には明確な定義があり、「築1年未満かつ未入居・未使用」のものとされています。つまり、建てられたばかりの物件であっても、一度でも使用されているのであれば新築と表記できず、築浅として扱われるのです。
そのため、築浅物件とは、一般的には“建築後5年以内、もしくは築1年未満で誰かが入居したことのある物件”ということになります。

必ずしも築年数が浅いほど良い状態というわけではない
築年数はあくまでも建物の経過年数の表記であり、必ずしも物件のきれいさや状態の良しあしを示す尺度となるわけではありません。
もちろん、築年数が経過すれば、建物や設備が劣化してしまうのは事実ではあります。しかし、内装がリフォームやリノベーションされていたり、建物の管理によって良好な状態が維持されている物件もあります。
そのため、築年数だけで物件の良しあしを判断するのは難しいといえます。外装はもちろん、内装についても実際に内見をして、自分の目で確かめてみることが重要です。
築年数から判断できるポイント
築年数から判断できるのは、建物の耐震基準に関するポイントです。その理由には、1981年6月に建築基準法が改正され、耐震性に関する基準が厳しくなったことが関係しています。
1981年6月以降に建てられた建物は、より高い耐震基準をクリアしなければならないため、築年数からある程度耐震基準に関するポイントは判断可能です。
2020年7月現在では、築39年以内の建物が新しい耐震基準によって建てられています。
ただ、1981年以前の建物でも耐震補強を重ねている場合もあり、一概にすべての物件を耐震性が低いと判断することはできません。
新築・築浅物件 築浅中古マンションを探す 築浅の中古一戸建てを探す築浅物件の特徴とは? メリット・デメリットを紹介
築年数は直接的に建物の状態を示すポイントとならないケースはあるものの、築浅物件にはいくつかのメリットとデメリットがあります。
ここでは築浅物件が備える特徴について詳しく見ていきましょう。
◇メリット

室内外ともにきれいである可能性が高い
近年の住宅資材の目覚ましい進化により、建物の外壁、および内装に関しても劣化の進み具合は遅くなってきています。
そのため、築年数が5年以内の物件は、まだそれほど劣化は進んでいないのがほとんどで、室内外ともに良い状態が望めるでしょう。
しかし、なかには「築浅」と表現はされていても、前入居者の暮らし方によってはひどく劣化が進んでしまっている物件もあります。
築年数が浅いというだけで、そのすべてがきれいであるというわけではありませんのでご注意ください。
設備が充実している可能性が高い
築浅物件は、築年数が経過した物件と比べて、浴室乾燥機や追い焚き機能、モニター付きインターホンなどの新しい設備が整えられていることが多いといえます。
また、新しい物件はオートロックなどのセキュリティ面が充実しているものが多いのも特徴です。
ただし、設備をどの程度そろえることが可能なのかについては、最終的に家賃や広さ、間取りによるところが大きいといえます。
特に、新しい物件では、居住空間を広めに確保しようとするあまり、クローゼット収納部分を狭く設計、もしくは最初から設計しないというケースもあるので注意が必要です。
築浅として紹介される物件でも、部屋によって特徴は大きく異なるため、設備面にも目を向けておきましょう。
反対に、築年数が経過している物件でも、設備の入れ替えなどで充実したオプションが整っている場合もあります。
新築より家賃が安くなりやすい
築浅物件は、新築と比較をすると家賃が安くなる傾向があります。新築と築浅の大きな違いは、一度でも入居されたかどうかであり、建物の質にはそれほど大きな差が生まれません。
そのため、築年数だけを考えて判断するのであれば、新築よりもお得になる場合が多いといえるのです。
賃貸物件の家賃相場は、一般的に築年数の経過とともに少しずつ安くなっていくものです。
三井住友トラスト基礎研究所が2013年に発表した「経年劣化が住宅賃料に与える影響とその理由」によると、新築時の賃料を100とし、10年後には89、20年後には専有面積30平米未満の物件で83、60平米未満の物件では81に下がるというデータもあります。
したがって、新築と比較をすると築浅物件のほうが、家賃が安い可能性が高いといえるでしょう。
参考:2013年「経年劣化が住宅賃料に与える影響とその理由」|三井住友トラスト基礎研究所
◇デメリット

人気が集まりやすく探すのが難しい場合もある
築浅物件は人気が集まりやすい分、希望どおりの部屋を探すのが難しいケースもあります。また、築年数が経過した物件よりも家賃が高く設定されやすいため、選択肢を狭める要因ともなるのです。
賃貸物件には築年数以外にも立地や間取り、設備といった重要なポイントがあるため、どの条件を優先すべきか事前に決めておきましょう。
アレルギー反応が出る可能性がある
新築物件で多いのですが、築年数の浅い物件でもアレルギー反応が出る可能性があります。
建築資材の塗料や接着剤などに化学物質を使用している場合があり、建築資材によっては、アレルギー反応を起こす入居者もゼロではありません。
しかし、近年、建築基準法の改正があり、建材に規制がかかったことに加え、24時間換気システムが義務化されたので、最近の築年数の浅い物件では、それほど心配することもないかもしれません。
まとめ:物件の築年数だけではなく実際の状況も見ながら判断しよう
・築浅に関する明確な定義はないものの、築年数5年以内が目安とされている
・築年数だけでは建物の良しあしや設備のきれいさが判断できないケースもあるため、内見によって確かめることが重要
・1981年6月を境に耐震基準がより厳しくなっている
・築浅物件は設備が充実している可能性が高い
・あらかじめ物件探しで優先したい条件を明確にしておくことが大切
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