チワワやトイプードル、柴犬など、犬好きの人は多いでしょう。アパートやマンションといった賃貸物件で犬と一緒に暮らしたいという場合、「ペット可」の部屋を探す必要があります。
そこで実際に物件を探してみると、ほかにも「ペット相談可」という部屋もあり、何が違うのか分からなくて、戸惑うこともあるかもしれません。
今回は「ペット可」の物件とはどういうものか、そして犬とともに暮らす際の注意点やポイントについて解説します。
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「ペット可」の意味とは

賃貸物件で「ペット可」という部屋がありますが、どんな動物でも、何匹でも飼っていいというわけではないことを知っておきましょう。
なかには「犬はOKだけれども猫はNG」「大型犬はNG」「犬猫どちらか1匹までならOK」など、ペット可であっても物件によってその許容範囲は異なります。
そのため、「ペット可」物件に犬と住みたい場合は、まず大家さんや管理会社に、飼育可能なペットの種類や制限頭数などを確認しておく必要があるのです。
「ペット可」と「ペット相談可」の違い
犬と暮らせる賃貸住宅では、「ペット可」と「ペット相談可」という2つの種類があります。
「ペット可」は、大家さんや管理会社が定めるペットの種類・数の条件を満たせば入居できるという物件です。
一方、「ペット相談可」は、まずは大家さんや管理会社へ相談し、総合的に判断されて許可をもらう形となっている物件になります。
また、「小型犬を2匹飼いたい」という場合は、「多頭飼育可」という情報が記載されている物件を探してみるといいでしょう。
「ペット可」の物件で犬と暮らす際の注意点

愛犬との引越し先を探していて「ペット可」の物件を見つけたら、以下の2点について知っておきましょう。
「ペット可」の物件は家賃が高い傾向にある
東京都新宿区の賃貸物件について、「ペット相談可」の条件付きとそうでない場合の物件数と家賃相場を調べました(2020年6月15日時点、LIFULL HOME’S調べ)。
1LDKという間取りの物件数は1,188件、「ペット相談可」となると244件に絞られます。全体で見た家賃の最安値は6万9,000円で、ペット相談可の最安値は10万5,000円という結果に。
ペットが飼育できる物件は、そもそもの物件数が少なく、人気も高いことから、家賃が高めに設定される傾向にあります。
これは、もともとペットのためのキャットウォークや足洗場、脱臭機能のある壁紙などの設備費が含まれていることなども理由のひとつと捉えることができるでしょう。
退去時に高額な原状回復費を請求される可能性がある
物件を「ペット可」とすることは、大家さんにとっては、やはり建物の劣化が早まるリスクがあるのです。たとえば、犬が走り回ったり排泄を行うことによって、床が傷ついたりにおいが染みついたりする可能性があります。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(※)を見てみると、賃借人(入居者)が修繕費用を負担すべきものとして「飼育ペットによる柱等のキズ・におい(ペットによる柱やクロスなどにキズがついたり、においが付着したりしている場合)」と記載されています。
ペットがいない場合でも、居住年数や部屋の使い方によっては原状回復費を請求されることがありますが、ペットと暮らしていた場合には、より高額な原状回復費を請求される可能性があることは理解しておきましょう。
また、ペット可の物件は設備のグレードの違いに関わらず、敷金が高めに設定されていることが多いでしょう。これは通常の原状回復費用以外に、ペットのにおいや汚れを除去するためのクリーニング費用などが考慮されるからです。
(※)原状回復をめぐるトラブルとガイドライン|国土交通省
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「ペット可」の物件で犬と快適に暮らすためのポイント

紹介した注意点に納得し、「ペット可」の気に入った物件を見つけたら、以下の2つのポイントをしっかりと押さえて、犬と快適に暮らす準備をしましょう。
傷やにおい対策をする
すでに紹介したとおり、部屋についた傷やにおいが原因となり、高額な原状回復費を請求されてしまうことがあります。
そこで、住みはじめる前、もしくは住みはじめてすぐに以下の対策をして、少しでも退去時の費用を抑えましょう。
◇傷の対策方法
フローリングの床は、ワックスによってつるつると滑りやすく、ジャンプ後の着地時にペットの足腰を傷める原因となることがあります。若いころはたいしたことがないと思っていても、長年の蓄積でヘルニアになってしまう可能性もあるのです。
犬の足腰への負担軽減と傷の対策方法として、フローリングの上にカーペットやクッションフロアを敷くといいでしょう。
壁には、クロスにマスキングテープを貼った上に両面テープを貼り、そこに保護シートや腰壁シートなどを設置すると、退去時にも簡単に取り外せます。
◇においの対策方法
犬を飼っていると、排泄物や体臭などにより、独特なにおいが発生してしまいます。そのため、集合住宅に住む場合は、におい対策をしっかりとする必要があります。
具体的には、排泄物はにおいを抑えるビニール袋などに入れてすぐに処理する、犬が普段使っているクッションや毛布は時々洗濯するといったことに気をつけるようにしましょう。
布製のものは、ある程度使用したら交換するのも手です。体臭は、犬のエサに気を配れば、ある程度抑えることができます。また、ペット用の脱臭機を使うのも有効です。
きちんとしつけをする
「ペット可」の物件は、ペットを飼っていない入居者もいることがあり、全員がペット好きで、飼育に関する理解があるとは限りません。ほかの入居者へ迷惑をかけないようにするためにも、犬のしつけは重要です。
犬のしつけで気をつけたいのは、トイレと鳴き声です。飼い始めが肝心なので、根気よくしつけに取り組んでください。ほかの入居者と飼い主だけでなく、犬にとってもストレスが溜まりにくいことになります。
まとめ
「ペット可」の物件は、数自体が少なく、家賃も少し高めですが、犬と一緒に暮らすのであれば「ペット可」の物件を選ぶようにしましょう。
犬の足腰への負担軽減にカーペットやクッションフロアを敷くことは、飼い主ができる愛情表現のひとつでもあります。
また、のちのち他の入居者との間にトラブルを引き起こさないためにも、紹介した注意点を実行してみてください。
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更新日: / 公開日:2020.06.18










