一般的な賃貸物件は、2年ごとに契約するケースがほとんどであり、一人暮らしのお試し目的として借りるのは難しいものです。

しかし、なかには月単位や週単位などで契約ができる「マンスリーマンション」や「ウィークリーマンション」もあり、短期で一人暮らしをしてみたい人にとっては適した仕組みとなっています。

今回は、マンスリーマンションの特徴と、借りるうえでの注意点について見ていきましょう。

 

マンスリーマンションには、通常の賃貸物件と異なる特徴やルールがあるため、事前に違いを理解しておくことが大切です。

 

建物の賃貸借について定められた「借地借家法」では、通常の賃貸物件の契約を「普通借家契約」と呼んでいます。

 

この普通借家契約にはルールがあり、「期間を1年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなす」と決められているのです。

 

つまり、1年未満の契約期間では、契約を新たに更新することができず、貸し手側にとっては更新料や手数料が徴収できません。そのため、通常の賃貸物件は2年ごとの契約となっている場合が多いのです。

 

一方で、マンスリーマンションのほとんどは、「定期借家契約」によって契約を行います。決められた期間が来るのと同時に契約が終了する仕組みであり、更新を前提としていないため、1ヶ月単位の短期契約が可能となるのです。

 

マンスリーマンションの特徴は、敷金や礼金が不要なところにあります。代わりに退去時の清掃費を初期費用として支払うのが一般的であり、契約期間が長いほど料金も高くなる傾向にあります。

 

ガスや電気、水道などは運営会社があらかじめ契約しているため、自分で開設する必要はありません。

 

水道光熱費は1日あたり◯百円と固定されている場合や月額で決まっている場合、賃料に含まれている場合など、さまざまです。

 

基本的に使用料にかかわらず定額ですが、水の出しっぱなしなどで過度に使った場合には、別途で請求されてしまうケースもあるため注意が必要です。

 

また、管理費や共益費も多くの物件で1日あたりの固定料金となっています。しかし、なかには管理費などがかからないものもあるなど、物件ごとにルールが異なるため、契約書にきちんと目を通しておきましょう。

 

これらの料金と契約日数分の賃料を合わせて、契約時に一括で前払いを行うのがマンスリーマンションの基本的な仕組みです。

 

一人暮らしを体験してみたい人にとって、マンスリーマンションはさまざまな面で適したシステムだといえます。マンスリーマンションのメリットを押さえながら、短期的な一人暮らしに最適である理由を見ていきましょう。

 

マンスリーマンションの大きなメリットは、生活に必要な家具や家電があらかじめ一通りそろえられていることにあります。大掛かりな引越しは必要なく、入居後すぐに生活を始められる点は、通常の賃貸物件にはない利点です。

 

費用の面から見れば、短期的な一人暮らしを試すためだけに家具や家電を新調するよりも、備え付けのものを利用できたほうがお得です。

 

また、新たに必要なものを購入した場合の、もとの家へ戻ったときに置き場所に困ってしまうといった問題も避けられます。

 

賃貸借契約においては、正当な理由がない限り、貸し手側から一方的に解消することができません。そのため、2年契約が基本の賃貸物件では、契約時の審査などに時間がかかる場合があります。

 

一方で短期契約が中心のマンスリーマンションは、審査の手間がほとんどかからず、契約がスムーズに進みやすいのです。

 

さらに電気やガスなどのライフラインを自分で契約する必要がなく、オプションでWi-Fiなどのネット環境が利用できる場合もあり、利便性の高さも利点の1つだといえます。

 

短期滞在を目的とした場合、マンスリーマンションのほかにホテルという選択肢もあります。しかし、ホテルには掃除や食事といったサービスがあり、実際の一人暮らしのような生活を体験することができません。

 

マンスリーマンションには必要な設備が整っているものの、炊事や洗濯、部屋の掃除などを自分で行う必要があるため、一人暮らしに向けた訓練の場として適しています。

 

また、ホテルを利用するより費用を安く抑えられることが多く、コストの面でも優れているのです。

 

利便性の高いマンスリーマンションには、借りるうえで注意をしておくべきポイントがあり、トラブルを避けるためにも正しく理解しておくことが大切です。ここでは、マンスリーマンションの契約に関する注意点を説明していきます。

 

マンスリーマンションは契約時に費用を前払いする必要があり、ある程度のまとまった資金が必要となります。特に、1ヶ月を超える長期で契約を結ぶ場合には、賃料と固定費用が高くなるため注意が必要です。

 

また、契約途中で退去をしても、残りの期間分の料金が返ってこないケースもあります。滞在期間が変更になる可能性があれば、契約のタイミングでしっかりと解約の条件を確認しておくことが重要です。

 

短期契約のマンスリーマンションも、通常の賃貸物件と同じように、入居者の不注意によって生じた破損や汚れについては入居者が修繕費用を負担する可能性があります。

 

「誤ってガラスを割ってしまった」「タバコの火で床を焦がしてしまった」「飲みこぼしを放置してシミができてしまった」などがあれば、退去時にも費用がかかってしまうので注意しておきましょう。

 

借りている物件であるといった意識を持てる点も、一人暮らしの訓練にはピッタリな部分であるといえます。

 

  • マンスリーマンションは「定期借家契約」である場合が多く、1ヶ月単位で借りられる
  • 敷金や礼金は不要であるものの、賃料などの費用は一括前払い制となっている
  • 家具や家電が一通りそろえられており、利便性が高い
  • 通常の賃貸物件よりも契約がスムーズに進みやすい
  • 一般的な物件と同じように、入居者の不注意による破損や汚れの修繕費用は自己負担となる

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