- 契約前に交渉できる、防犯設備という視点
- 防犯性の高い鍵への交換や補助錠の設置は、実は不動産会社や大家さんに相談できるケースがあります。国土交通省の最新ガイドをもとに、交渉の余地がある防犯対策を紹介します。
- 警察庁データが示す「地域の目」の効果
- 侵入をあきらめた理由としてもっとも多いのが「近所の人に声をかけられた」というものでした。入居後にできる、無理のない地域とのつながり方を紹介します。防犯カメラなど設備面から探したい方は、▶ LIFULL HOME'Sで防犯カメラ設置の物件を見てみるのもひとつの方法です。
- 生活リズム別に見る、防犯対策の優先順位
- 夜勤やシフト制で生活リズムが不規則な方、長期不在が多い方など、ライフスタイルごとに優先すべき対策は異なります。あなたの暮らし方に合わせた実践方法をまとめました。
賃貸の契約書にサインをする瞬間、間取りや家賃、初期費用の確認に気を取られて、防犯については「まあ、あとで対策すればいいか」と後回しにしていないでしょうか。
一人暮らしの防犯対策というと、防犯グッズを買い足したり、鍵をかけ忘れないよう気をつけたりといった「入居後にひとりでがんばること」を思い浮かべる方が多いかもしれません。ですが実際には、契約前の交渉次第で防犯性を底上げできる場面や、地域との関わり方ひとつで犯罪の抑止につながる場面も少なくありません。一人暮らしだからこそ、グッズに頼る前にできる工夫を知っておくと、無理なく安心感を積み重ねていけます。
今回は、契約前にできる交渉のポイントと、警察庁のデータから見えてくる「地域の目」の効果、そして生活リズム別の対策の優先順位について紹介します。
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一人暮らしの防犯対策、実は「グッズを買う前」にできることがある

防犯対策=グッズを取り入れることだと思われがちな理由
インターネットで「一人暮らし 防犯」と検索すると、防犯フィルムやセンサーライト、補助錠といったグッズの紹介記事が数多く出てきます。もちろんこうしたグッズは効果的ですが、実は防犯対策の選択肢はグッズの購入だけではありません。物件の契約段階、そして入居後の地域との関わり方の中にも、費用をかけずにできる対策が数多く存在します。
警察庁データで見る、侵入窃盗の実態
警察庁が運営する防犯情報サイト「住まいる防犯110番」がまとめた令和5年のデータによると、住宅を対象とした侵入窃盗(空き巣・忍込み・居空き)は年間1万7,469件発生しており、前年からおよそ11.3%増加しています。1日あたりに換算すると約48件、およそ30分に1件のペースで、どこかの住宅が被害に遭っている計算です(出典:警察庁「住まいる防犯110番」、令和5年データ)。
こうした数字を見ると不安になってしまうかもしれませんが、裏を返せば「対策次第で防げる被害」でもあるということです。次の章からは、グッズ以外の視点でできる具体的な対策を見ていきましょう。
契約前に相談・交渉できる防犯対策という選択肢
鍵の交換・補助錠の設置は、意外と相談できる
賃貸物件の設備は、契約後に住む人が自由に変更できるものではありません。しかし、契約前であれば話は別です。「鍵をディンプルキーなど複製されにくいタイプに交換してほしい」「窓に補助錠を追加してほしい」といった要望は、不動産会社や貸主に相談できるケースがあります。
特に、入居前のリフォームや原状回復のタイミングで相談すると、費用負担について話し合いやすくなることもあります。もちろんすべての要望が通るとは限りませんが、「言ってみないと分からない」対策があることを知っておくだけでも、部屋探しの姿勢は変わってきます。
国交省が示す「4つの防犯力」を交渉の物差しにする
令和8年3月、国土交通省は「既存住宅にかかる防犯性能検討委員会」の検討結果をもとに、「住まいの防犯リフォームガイド」を公表しました。このガイドでは、犯罪の抑止に有効な視点として「領域性(部外者の立ち入りを防ぐ境界の明確さ)」「監視性(人の目や防犯カメラによるチェック)」「抵抗性(窓やドアの破壊されにくさ)」「警報性(侵入を周囲に知らせる仕組み)」という4つの防犯力が整理されています(出典:国土交通省「住まいの防犯リフォームガイド」について、令和8年3月公表)。
このガイドは戸建てのリフォームを想定した内容ですが、賃貸物件の内見や契約交渉の「物差し」としても応用できます。たとえば「窓の鍵を補助錠で強化できないか(抵抗性)」「共用部にセンサーライトを追加できないか(警報性)」というように、4つの視点で足りない部分を洗い出してから相談すると、要望を具体的に伝えやすくなります。
交渉できる可能性のある防犯対策の例
| 対策内容 | 主な相談先 | 交渉のポイント |
|---|---|---|
| ディンプルキーなど防犯性の高い鍵への交換 | 不動産会社・貸主 | 入居前の鍵交換のタイミングで相談すると通りやすい |
| 窓への補助錠の追加設置 | 不動産会社・貸主 | 退去時の原状回復について事前に確認しておく |
| 窓ガラスへの防犯フィルム施工 | 不動産会社・貸主 | 賃貸でも剥がせるタイプなら自分で用意できる場合もある |
| 玄関ドアスコープの交換・追加 | 不動産会社・管理会社 | 来客対応の安全性を理由に伝えると相談しやすい |
| 宅配ボックス・置き配の利用可否 | 管理会社 | 対面での荷物受け取りを減らし、在宅状況を知られにくくする |
いずれも「必ず通る」とは限りませんが、契約前というタイミングだからこそ相談しやすい内容です。まずは自分の希望に近い設備がそろった物件を探しながら、交渉の余地がありそうな部分を見極めていくのもよいでしょう。
意外と知られていない落とし穴|「地域とのつながり」が最強の防犯になる理由

侵入をあきらめた理由、第1位は「近所の視線」
防犯対策というと設備の話に目が行きがちですが、実は「人の目」がもっとも効果的な抑止力になるというデータがあります。警察庁の調査では、侵入者が犯行をあきらめた理由としてもっとも多かったのが「近所の人に声をかけられたり、ジロジロ見られた」というものでした(出典:警察庁「住まいる防犯110番」、令和5年データ)。
どれだけ高性能な鍵やセンサーを導入しても、それだけで犯罪を100%防げるわけではありません。一方で、近隣の人たちが「見慣れない人がいる」と気づける関係性があるだけで、侵入者にとっては大きなプレッシャーになります。これは、一人暮らしだからこそ意識しておきたい、見落とされがちなポイントです。
挨拶ひとつから始められる、無理のない関わり方
とはいえ、一人暮らしで近所付き合いを積極的に広げるのはハードルが高いと感じる方も多いでしょう。無理に交流を深める必要はなく、エレベーターや廊下ですれ違ったときに軽く会釈をする、管理人がいる物件なら顔を合わせたときに一言挨拶をするといった、ごく小さな積み重ねで十分です。「この人は見覚えがある住人だ」と認識してもらえる関係性があるだけで、不審者との違いが分かりやすくなり、結果的に地域全体の防犯力につながります。
スマホで得られる地域の防犯情報
自分の住むエリアでどのような犯罪が発生しているかを知ることも、有効な防犯対策のひとつです。たとえば警視庁が提供する防犯アプリ「Digi Police(デジポリス)」では、あらかじめ登録した地域の犯罪発生状況を確認できるほか、侵入窃盗や声かけ事案が多発しているエリアを通ると通知を受け取れる機能があります(出典:警視庁「Digi Police(デジポリス)」)。
東京都以外にお住まいの方も、多くの都道府県警察が同様の不審者情報メール配信サービスを提供しているため、引っ越し先の地域名と「防犯メール」で検索してみることをおすすめします。契約前の段階でこうした情報を確認しておくと、周辺エリアの治安について具体的なイメージを持ちやすくなります。
生活リズム・ライフスタイル別、防犯対策の優先順位
一人暮らしといっても、働き方や生活リズムは人それぞれです。ここでは、暮らし方のタイプ別に優先したい対策を整理しました。
夜勤・シフト制で生活リズムが不規則な方
昼夜が逆転しがちな生活では、日中に在宅していても外から見ると不在に見えたり、逆に深夜の帰宅時に人通りが少なかったりと、通常とは異なるリスクが生じます。カーテンや照明を使って、在宅・不在が外から推測されにくいようにする工夫や、深夜の帰宅ルートをできるだけ人通りの多い道に固定しておくことが効果的です。
出張・帰省などで長期不在になりやすい方
数日以上家を空ける場合は、郵便受けに郵便物や新聞がたまっていないか特に注意が必要です。ポストの中身が溜まっている状態は、外部から見て「長期不在」だと一目で分かってしまうため、侵入者に留守を悟られる大きな手がかりになります。郵便物の一時保管サービスを利用する、新聞を一時的に止める、照明をタイマーで点灯させるといった対策を組み合わせておくと安心です。
在宅ワーク中心で日中家にいることが多い方
日中在宅していることが多い方は、一見リスクが低いように思えますが、宅配便や訪問販売を装った不審者への対応には注意が必要です。インターホン越しに相手を確認する、ドアチェーンをかけたまま対応するといった基本行動を徹底しつつ、来客の多い生活だからこそ、モニター付きインターホンの有無を部屋選びの条件に加えておくと安心感が高まります。▶ LIFULL HOME’Sでモニター付きインターホンのある物件を見てみるのもおすすめです。
入居後すぐに見直したい、防犯の基本習慣
グッズや交渉、地域とのつながりに加えて、日々の基本行動も欠かせません。次の項目を、ぜひ一度チェックしてみてください。
- 短時間の外出やゴミ出しの際も、必ず玄関を施錠しているか
- 郵便受けの中身を、こまめに取り出す習慣があるか
- 表札やインターホンの表示は、フルネームではなく名字のみになっているか
- 自宅近くや通勤・通学経路の写真を、位置情報付きでSNSに頻繁に投稿していないか
- 宅配便の受け取りは、対面だけでなく置き配や宅配ボックスも選べる状態になっているか
- 来客対応の際、ドアを開ける前にインターホンやドアスコープで相手を確認しているか
これらは特別な費用をかけずに、今日からでも見直せる項目です。設備面の対策と組み合わせることで、より効果的な防犯につながります。
まとめと次のステップ
一人暮らしの防犯対策は、防犯グッズをそろえることだけがすべてではありません。契約前に交渉できる余地を知っておくこと、そして「地域の目」という人とのつながりを味方につけること。この2つの視点を持っているかどうかで、日々の安心感は大きく変わってきます。
今の家賃と近い価格帯でも、設備面でより納得できる部屋が見つかることがあります。焦らず、まずは▶ LIFULL HOME’Sでセキュリティ・防犯対策が充実した物件を眺めてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。
よくある質問
Q1. 賃貸物件でも、鍵の交換や補助錠の設置を交渉できますか?
A. 必ず通るとは限りませんが、契約前であれば不動産会社や貸主に相談できるケースがあります。特に入居前の鍵交換のタイミングに合わせて要望を伝えると、話し合いがしやすくなる傾向があります。退去時の原状回復についても、あわせて確認しておくと安心です。
Q2. 近所付き合いが苦手でも、防犯効果は得られますか?
A. 深い交流をする必要はありません。エレベーターや廊下ですれ違ったときに軽く会釈をする程度でも、「見覚えのある住人」として認識してもらいやすくなります。警察庁のデータでも、近隣の視線が侵入をあきらめる大きな理由になっていることが分かっています。
Q3. 夜勤やシフト制で生活リズムが不規則です。特に気をつけることはありますか?
A. 在宅・不在の状況が外から分かりにくいよう、照明やカーテンの使い方を工夫することが有効です。また、深夜の帰宅時は人通りの多いルートを選ぶ、背後や周囲の様子に注意を向けるといった基本行動もあわせて意識しておきましょう。
Q4. 防犯アプリは東京都以外でも使えますか?
A. 「Digi Police」は警視庁が提供する東京都内向けのアプリですが、多くの都道府県警察が同様の不審者情報メール配信サービスを提供しています。引っ越し先の地域名と「防犯メール」などのキーワードで検索し、登録しておくと地域の情報を得やすくなります。
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更新日: / 公開日:2019.12.19










