軽量鉄骨造とRC造って何？

1. 軽量鉄骨造

 

軽量鉄骨造とは、鉄骨造の一種で、柱や梁（はり）など、建物の骨組みに鉄骨を使用する構造のことです。

 

鉄骨造には、軽量鉄骨造と重量鉄骨造があり、使用する鋼材の厚さが以下の通り異なります。

軽量鉄骨造の大きな特徴は、その工法にあります。

 

軽量鉄骨造には、主に“プレハブ工法”が採用されており、規格化された材料を工場で生産してから、現場で組み立てます。職人の技術に依存しないので、現場での作業負担が少なく、安定した品質を保つことができます。

 

また、工場での作業がメインとなり、大量生産も可能なことから、建築にかかる費用や工期も他の構造より少なくて済みます。

2. RC造

 

RC造とは、「Reinforced Concrete」（レインフォースド・コンクリート）の略で、鉄筋コンクリート造のことを指します。骨組みに鉄筋を使用し、鉄筋の間にコンクリートを流し込んだ構造です。

 

引っ張り強度の高い鉄筋と、圧縮強度の高いコンクリートは、優れた耐震性を維持するのにとても相性のいい材料といわれています。

 

ただし、重量があるため、地盤がゆるい土地には建てられないという難点もあります。建てられる土地を選ぶほか、地盤工事が必要な場合があり、費用・工期ともに、他の構造よりもかかる傾向にあります。

 

鉄筋コンクリート造の物件 鉄骨造の物件

軽量鉄骨造のメリット＆デメリット

 

ここからは、軽量鉄骨造とRC造のメリットとデメリットについて解説します。

軽量鉄骨造のメリット

 

軽量鉄骨造のメリットとしてまず挙げられるのは、RC造と比べると家賃が比較的安めという点です。

 

築年数や立地、広さなど構造面以外を同一条件で絞った際、建築費用が抑えられている分、軽量鉄骨造のほうが家賃を安く設定しやすいといえます。

 

また、耐震性の面では、RC造には劣りますが、木造よりも安全性が高いといえます。木材と比べて鉄骨は折れにくいので、揺れは感じても、比較的安心です。

軽量鉄骨造のデメリット

耐火性

デメリットとしては、耐火性が他の構造よりも劣ってしまう点が挙げられます。

 

軽量鉄骨造に使用する鋼材は、熱による影響を受けやすく、火事の際は建物が倒壊する恐れがあるので注意が必要です。

 

ただし、軽量鉄骨造でも「耐火被覆材」という補強材を使用し、耐火性を高めている場合があります。

 

軽量鉄骨造の耐火性が気になる場合は、あらかじめ不動産会社に耐火性の対策について聞いておきましょう。

遮音性

また、軽量鉄骨造は遮音性についても注意が必要です。軽量鉄骨造の遮音性は、木造よりも若干高い程度の場合が多いです。

 

木造住宅に慣れている人なら気にならないかもしれませんが、そうでない場合は生活に支障をきたす可能性もあります。

 

ただし、騒音被害の程度は、周辺環境によっても大きく差が出ます。軽量鉄骨造に住む場合は、物件の周辺に騒音となりうる音の発生源がないか、あらかじめ確認したほうがいいでしょう。

 

また、角部屋や上階を選ぶことで隣室と接する面が少なくなり、その分騒音被害も少なくできる可能性もあります。

RC造のメリット＆デメリット

RC造のメリット

 

RC造の大きなメリットとしては、耐震性や耐火性の高さが挙げられます。

 

RC造は、地震が起きた際も揺れにくく、倒壊しにくい構造です。また、骨組みを覆うコンクリートは不燃材に区分されています。

 

万が一火事が起こった際も燃えにくく、燃えるまでに時間がかかるので、逃げる時間が確保できます。

 

また、遮音性の高さもRC造を選ぶメリットといえるでしょう。外部からの音が入りにくいのはもちろん、外部へ音が漏れるのも防いでぐれます。

RC造のデメリット

 

一方、RC造では、カビや結露に注意が必要です。RC造は、気密性が高く、通気が悪くなりがちなので、湿気や結露が溜まりやすいといったデメリットがあります。

 

そのため、RC造に住む場合は、換気口の数が足りているか、窓は風を通しやすい位置にあるかなどを確認しておきましょう。

 

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アパートで住むなら？

 

それぞれの特徴が理解できたところで、実際にアパートで住むならどちらがいいのでしょうか？

1.　3階以上を希望するならRC造

 

軽量鉄骨造は、構造上3階以上の建物には向きません。そのため、軽量鉄骨造のアパートは2階までがほとんどです。高層階を希望するのなら、RC造で探しましょう。

2.　家賃の安さで決めるなら軽量鉄骨造

 

立地や築年数、設備などが同程度の場合、RC造よりも軽量鉄骨造のほうが家賃は低い傾向にあります。家賃の安さを重要視するのなら、軽量鉄骨造で探してみるといいでしょう。

3.　遮音性の高さで選ぶならRC造

 

できるだけ音を気にせずに過ごしたいという方は、RC造のほうがいいでしょう。また、小さい子どもがいるなど音によるトラブルが気になる場合にも、RC造はおすすめです。

自分のライフスタイルに合った構造を選ぼう

 

軽量鉄骨造とRC造では、家賃や性能などで大きく差が出てきます。

 

それぞれのメリットやデメリットを十分把握したうえで、自分が何にこだわりたいのか優先事項を決めながら物件選びをしましょう。

 

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