- 一人暮らしでの飼育適性を考える3つの判断軸
- 犬との暮らしには癒やしや楽しさがある一方、留守番時間や急な体調不良時の対応など、一人暮らしならではの負担も伴います。感情だけでなく現実的な視点からセルフチェックできるよう、後悔しないための3つの判断軸を紹介します。
- 2024年最新データで見る、犬を飼うのに必要なお金
- 物価高の影響で、犬にかける年間費用は年々増加しています。最新の調査データをもとに、無理なく続けるための資金計画をFPの視点から具体的に解説します。
- 賃貸物件で犬と暮らすための物件探しと入居後の注意点
- 「ペット可」の意味の正しい理解から、内見時のチェックポイント、近隣トラブルを防ぐコツまで紹介します。気になる方は、▶ LIFULL HOME'Sで犬と暮らす物件を見てみるのもおすすめです。
仕事を終えて玄関のドアを開けたとき、尻尾を振って駆け寄ってくる存在がいたら。一人暮らしをしていると、ふとそんな想像をすることがあるかもしれません。
その一方で、「留守番をさせる時間が長くなりすぎないか」「体調を崩したときに、代わりに世話をしてくれる人がいない」「勢いで飼い始めて、最後まで責任を持てるだろうか」そうした不安から、なかなか一歩を踏み出せずにいる人も多いのではないでしょうか。
犬との暮らしは、想像以上に毎日を豊かにしてくれます。ただしそれは、一人暮らしという環境ならではの制約を正しく理解し、事前に備えたうえでの話です。ここでは、これから犬を迎えようか迷っている方に向けて、後悔しないための考え方と、具体的な準備について紹介します。
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犬との暮らしが一人暮らしにもたらすもの

厚生労働省の調査によると、2024年時点で「単独世帯」は全国で1,899万5千世帯にのぼり、全世帯のうち34.6%を占める、もっとも多い世帯構造となっています(出典:厚生労働省「2024年国民生活基礎調査の概況」)。一人暮らしは、もはや特別なライフスタイルではなく、多くの人にとっての日常です。そうした暮らしの中に犬を迎えることは、日々の生活に新しい彩りを与えてくれます。
ひとりの時間に増える、”帰る場所”としての存在
一人で暮らしていると、平日の夜や休日にふと孤独を感じる瞬間があるものです。犬がいる生活では、玄関で出迎えてくれる存在がいるだけで、帰宅時の気持ちが大きく変わります。散歩の時間が生活のリズムを整えるきっかけになったり、犬をきっかけに近所の人との会話が生まれたりすることも少なくありません。
その一方で背負うことになる「単独の責任」
家族やパートナーと暮らしている場合、体調を崩したときや急な出張のときには、誰かが代わりに世話をしてくれることがあります。しかし一人暮らしの場合、犬に関するすべての判断と作業が、基本的に自分ひとりにのしかかります。毎日の散歩や食事の管理はもちろん、通院の付き添いや、留守中の安全確保まで、代わりを頼める相手がいないという前提で考えておく必要があります。この「単独の責任」という感覚を持てるかどうかが、一人暮らしで犬を飼ううえでの最初の分かれ目になります。
飼う前に確認したい「一人暮らし適性」後悔しないための3つの判断軸
犬を飼いたいという気持ちがあっても、勢いだけで迎えてしまうと、生活が回らなくなってから初めて負担の大きさに気づくケースが少なくありません。ここでは、一人暮らしで犬を飼う前に確認しておきたい3つの判断軸を紹介します。意外と見落とされがちなポイントも含まれているので、順番にチェックしてみてください。
判断軸①:留守番時間は「4〜6時間」を大きく超えないか
犬だけで留守番をさせられる時間の目安は、成犬でおおむね4〜6時間程度、子犬やシニア犬ではさらに短くなるといわれています。フルタイムで働きながら一人暮らしをしていると、通勤時間も含めて8時間以上家を空けることも珍しくありません。
見落とされがちなのが、留守番時間が長すぎることで犬が「分離不安」と呼ばれる状態に陥るリスクです。飼い主がいなくなると無駄吠えをしたり、物を壊したり、トイレ以外の場所で排せつをしてしまったりする行動は、寂しさやストレスのサインであることが多いとされています。「かわいいから」という気持ちだけで飼い始める前に、実際の留守番時間をシミュレーションしておくことが、後悔を防ぐ最初の一歩です。
判断軸②:体調を崩したとき、代わりに世話をしてくれる人はいるか
一人暮らしならではの見落としがちなリスクが、飼い主自身の急な体調不良や入院です。同居家族がいれば一時的に世話を代わってもらえますが、一人暮らしの場合はそうはいきません。実家が近い、友人に頼める、近隣にペットホテルや一時預かりサービスがある。こうした「もしものときの預け先」を、飼い始める前の段階でいくつか確保しておくことが欠かせません。
判断軸③:将来のライフイベントに、この選択は耐えられるか
犬の平均寿命は14歳前後とされており(出典:アニコムホールディングス「アニコム 家庭どうぶつ白書2025」)、一度迎えたら10年以上にわたる暮らしをともにすることになります。その間には、転勤や転職、結婚、実家の家族の介護など、暮らしの環境が変わる出来事が起こる可能性があります。「もし住まいを変える必要が出てきたら、ペット可の物件へ引っ越せるか」「パートナーができたときに、相手も犬との暮らしを受け入れてくれそうか」など、今の状況だけでなく、数年先の暮らしまで想像しておくと安心です。
以下のチェックリストで、自分の状況を整理してみましょう。
| 判断軸 | 確認したいこと |
|---|---|
| ①留守番時間 | 平日、犬を一人にする時間はおおむね6時間以内に収まりそうか |
| ②もしものときの預け先 | 体調不良や出張の際に、頼れる人やサービスの心当たりが2つ以上あるか |
| ③将来の変化への備え | 今後数年のライフイベントを想定しても、飼い続けられそうか |
3つすべてに自信を持って「はい」と答えられなくても問題はありません。ただし、いずれかに大きな不安が残る場合は、飼い始める時期を見直すか、対策を先に用意しておくことをおすすめします。
一人暮らしで犬を飼うのにかかるお金―2024年最新データとムリのない資金計画
実際の年間費用は? 最新調査から見る”今”の相場
犬を飼う際にまず気になるのが、実際にいくらかかるのかという点です。アニコム損害保険が契約者を対象に実施した調査によると、2024年の1年間に犬にかけた支出額は平均414,159円で、前年から22.3%増加しました(出典:アニコム損害保険株式会社「2024最新版 ペットにかける年間支出調査」)。
この調査では、フード・おやつ代が前年比128.7%、サプリメント代が前年比141.7%、飼育に伴う光熱費が前年比128.0%と、いずれも大きく上昇していることが示されています。夏の猛暑や自然災害の影響で、防災用品にかける費用も前年比200.5%に達しました(同出典)。物価上昇の波は、ペットの飼育費にも確実に及んでいるといえます。ちなみに、おやつだけで見ても年間19,580円が平均的な支出です(同出典)。数年前の相場感のまま予算を組んでしまうと、想定より出費が膨らんでしまう可能性があるため、最新の水準を踏まえて計画を立てることが大切です。
犬のサイズによる費用の違いと初期費用の考え方
一般的に、体が大きい犬種ほどフードの量や体重あたりの薬剤量が増えるため、食費や医療費もそれに応じて高くなる傾向があります。また、迎え入れる際には、ワクチン接種や去勢・避妊手術、首輪やリード、ケージ、トイレ用品などの初期費用も必要です。品目ごとの価格差が大きいため、事前に複数の動物病院やペットショップで見積もりを確認し、余裕を持った予算を組んでおくと安心です。
賃貸で迎える場合は、物件によって敷金の上乗せを求められるケースがある点も覚えておきましょう。ペット可物件の初期費用については、次の章で詳しく解説します。
FP視点:無理なく続けるための「先取り貯蓄」という考え方
先ほどの年間支出額を単純に12カ月で割ると、月あたり約34,500円という計算になります。ただし、これはあくまで平均であり、病気やケガによる通院が重なる月には、この金額を大きく上回ることも珍しくありません。
ファイナンシャルプランナー的な視点でおすすめしたいのは、毎月の生活費とは別に「犬のための専用口座」を用意し、想定される月額費用に加えて数千円程度を上乗せした金額を先取りで貯蓄しておく方法です。急な通院やペット保険の未加入時の治療費にも慌てず対応できるよう、飼い始める前の数カ月間で、まずは数万円程度の備えを作っておくと、いざというときの安心感が違います。
| 項目 | 年間目安(2024年データ) | 月換算の目安 |
|---|---|---|
| 犬にかける年間支出(全体平均) | 414,159円 | 約34,500円 |
| うち、おやつ代 | 19,580円 | 約1,630円 |
※アニコム損害保険株式会社「2024最新版 ペットにかける年間支出調査」の数値をもとに、本記事作成にあたり月換算を算出
賃貸物件で犬と暮らすための物件探しのコツ

「ペット可」と「ペット相談可」の違いを理解する
賃貸物件を探すとき、「ペット可」と表示されていても、犬であれば何でも無条件に飼育できるとは限りません。物件によっては「小型犬に限る」「1頭まで」など、犬種や頭数について細かい規約が定められているケースがあります。また「ペット相談可」の表示は、大家さんや管理会社との個別協議のうえで可否が決まる、という意味合いです。契約前には、希望する犬種・サイズ・頭数で本当に飼育が認められるのか、必ず確認しておきましょう。
内見・契約前にチェックすべきポイント
内見の際は、部屋の広さだけでなく、床材が傷やにおいに強い素材かどうか、共用部分を犬と一緒に通行する際のルール(抱っこが必要かどうかなど)も確認しておくと安心です。物件の周辺に散歩できる公園があるか、動物病院までの距離はどれくらいかも、実際に住み始めてからの暮らしやすさを大きく左右します。一人暮らし向けの間取りから物件のイメージを膨らませたい方は、▶ LIFULL HOME’Sで一人暮らしにぴったりな物件を見てみるのもおすすめです。
一人暮らし特有の生活動線を意識した物件選び
一人暮らしの場合、勤務先までの通勤時間がそのまま犬の留守番時間に直結します。「判断軸①」で確認した留守番時間の目安を踏まえ、通勤時間が長くなりすぎないエリアを選ぶことも、犬にとっても自分にとっても暮らしやすい住まい選びの工夫のひとつです。
迎えてから後悔しないために―近隣トラブルとお金のトラブルを防ぐ
引っ越し・飼い始めの挨拶とマナー
集合住宅では、ペットを飼っていない住民が暮らしていることも珍しくありません。環境省が公表しているガイドラインでも、集合住宅においては鳴き声やにおいへの配慮、飼い主同士の連携の重要性が示されています(出典:環境省「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドラインの策定について」)。犬を迎えたら、近隣住民へ簡単な挨拶をしておくと、万が一鳴き声などで気になることがあった場合にも、関係がこじれにくくなります。共用部分では、犬の毛が飛散しないよう配慮したり、エレベーターでは抱きかかえたりするなど、節度ある行動を心がけましょう。
子犬のうちからのしつけが、結局は一番の近道
しつけは飼い主の義務であり、留守番中に吠えないようにすることや、トイレの場所を覚えさせることは、近隣トラブルを防ぐうえでも欠かせません。子犬のほうが新しい習慣を身につけやすいとされているため、迎えた直後からしつけを始めることをおすすめします。自分だけでは難しいと感じる場合は、しつけ教室やトレーナーへの相談も選択肢のひとつです。
原状回復費用は「保険」のつもりで備えておく
賃貸物件を退去する際には、原状回復義務が生じます。国土交通省が公表しているガイドラインでは、通常の使用による経年劣化を超える損耗については、借主が負担すべき範囲とされています(出典:国土交通省「民間賃貸住宅:原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」)。犬による引っかき傷やにおいは、この「通常の使用を超える損耗」とみなされることがあり、退去時に想定より高額な請求を受ける可能性があります。床にマットを敷く、壁紙の保護シートを貼る、こまめなトイレ掃除とシャンプーでにおい対策をするなど、日頃からの工夫が退去時の出費を抑えることにつながります。
そして、旅行や出張などで数日家を空けるときのために、預け先を事前に確保しておくことも忘れないようにしましょう。一人暮らしで長期不在にする際の具体的な準備については、関連記事でも詳しく紹介しています。
まとめと次のステップ
一人暮らしで犬を飼うことは、決して無謀な選択ではありません。ただし、留守番時間や急な体調不良への備え、将来のライフイベントまで見据えて検討することで、犬にとっても自分にとっても、無理のない暮らしを続けやすくなります。
「まだ迷っているから」と情報収集を後回しにしていると、いざ気持ちが固まったタイミングで、条件に合う物件がなかなか見つからない、ということも起こりえます。犬と暮らせる賃貸物件は物件全体からみると数が限られているからこそ、早めに相場感をつかんでおくことが、後悔のない住まい選びにつながります。まずは気軽に、▶ LIFULL HOME’Sで家賃相場を調べてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。
- 一人暮らしで犬を飼う前に、留守番時間・預け先・将来のライフイベントという3つの判断軸でセルフチェックする
- 2024年の最新データでは、犬にかける年間費用は平均414,159円。物価高を踏まえ、月々の先取り貯蓄で備えておく
- 賃貸では「ペット可」でも犬種や頭数の規約があるため、契約前に必ず確認する
- 迎えたあとは、近隣への配慮としつけ、原状回復費用への備えを忘れずに
よくある質問
Q1. 一人暮らしでも大型犬は飼えますか?
飼うこと自体が不可能というわけではありませんが、大型犬は運動量や食費が小型犬より多くなりやすく、賃貸物件でも「共用部を抱っこできる小型犬に限る」といった規約が設けられているケースが少なくありません。希望する犬種がある場合は、契約前に物件ごとの条件を必ず確認しましょう。
Q2. 犬を飼うのに、まとまった初期費用はどのくらい見ておくべきですか?
ワクチン接種や去勢・避妊手術、首輪やケージなどの飼育用品一式に加え、賃貸の場合は敷金の上乗せを求められることもあります。品目ごとの費用差が大きいため、事前に複数の動物病院やペットショップで見積もりを確認し、余裕を持った予算を組んでおくと安心です。
Q3. 仕事で日中家を空ける時間が長いのですが、それでも飼えますか?
成犬であれば4〜6時間程度の留守番が目安とされていますが、それを超える場合は、ペットシッターや一時預かりサービス、見守りカメラの活用など、留守番時間を補う工夫が必要になります。長時間の留守番が前提になる場合は、分離不安のリスクが高まる点にも注意しましょう。
Q4. ペット可の賃貸物件が見つからない場合はどうすればいいですか?
「ペット可」だけでなく「ペット相談可」の条件も含めて検索範囲を広げてみましょう。犬種や頭数によっては、大家さんとの個別交渉で飼育が認められるケースもあります。エリアや駅からの距離といった条件を少し広げるだけで、選択肢が大きく増えることもあります。
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更新日: / 公開日:2018.11.08










