賃貸物件を探す際のこだわり条件には、水回りに関する項目が多くありますが、中でも独立洗面台は女性を中心に人気の高い設備のひとつです。
今回は独立洗面台のメリット・デメリット、設置されていない場合の代替案などを通して、条件設定を行う際の優先度を考えてみましょう。
独立洗面台付き物件
独立洗面台がある物件とは?

独立洗面台とは、文字通り浴室やトイレから独立して設置されている洗面台を指します。賃貸物件では、お風呂やトイレなどの水回りの配置について、大きく3つの種類に分けることができます。
1つ目は、バス・トイレ・洗面台が一体になった「3点ユニット」です。設置スペースが狭くても問題がなく、建築コストも安いため、ビジネスホテルなどでも採用されることが多い方式です。
2つ目は、バスと洗面台が一体になった「2点ユニット」です。3点ユニットと比べてトイレが切り離されているため使いやすく、来客時でもトイレを貸し出しやすいなどのメリットがあります。
そして、3つ目が浴室内から切り離された独立洗面台方式です。独立洗面台は築浅物件に多く見られる傾向がありますが、スペースの関係でワンルームの物件にはついていない場合も多いです。
実際にLIFULL HOME’Sで、独立洗面台付きのワンルーム物件を東京23区内で検索してみると、2022年8月時点、以下のような結果となりました。
ワンルームにおける独立洗面台付き物件の割合
- 東京23区内全体:約30.7%(15,181件/49,505件)
- 新築物件:約72.9%(2,765件/3,794件)
- 築5年以内の物件:約62.2%(6,619件/10,645件)
- 築10年以内の物件:約57.8%(8,912件/15,431件)
- 築20年以内の物件:約55.2%(13,239件/23,995件)
築30年以内の物件:約46.7%(14,041件/30,059件)
ワンルームで独立洗面台が付属している物件は、東京23区内全体の約30%とあまり割合が高くないことが分かります。
また、築年数別に見ていくと、やはり築年数が経過すればするほど割合が低くなっていくことも分かります。
独立洗面台のメリット

独立洗面台には、さまざまなメリットがあります。ここでは、主な用途とともに見ていきましょう。
収納が充実している
3点ユニットや2点ユニットと比べて、独立洗面台は洗面台の上下に大きめの収納スペースを確保できるのが特徴です。
洗面台まわりは、洗面用具や洗剤、掃除用品などの備品が多くなりやすいです。そのため、収納にゆとりがある点は大きな強みとなります。
電源が付属している
独立洗面台には、電源が付属しているのもうれしい特徴です。洗面台付近では、ヘアドライヤーや電気シェーバーなど、理美容関連の電化製品を使うことが多いものです。
独立洗面台があれば、これらの製品を専用鏡の前で利用できるので、身だしなみを整えるのにとても便利です。
浴室の湿気に悩まされない
2点ユニットや3点ユニットでは、浴室内に洗面台があるため、入浴後に使おうとするとどうしても湿気の影響を受けてしまいます。
化粧やヘアメイクをしたいと考えても、湿気や温度に悩まされてしまうので、基本的には別で室内にメイクスペースを設けなければなりません。
独立洗面台は浴室から切り離されているので、こうした問題を気にする必要がありません。
さまざまな用途がある
独立洗面台は、以下のように日常生活のさまざまなニーズを満たしてくれます。
独立洗面台が役立つケース
- 身支度を落ち着いて行いたい
- 歯磨きをキッチンやお風呂ではなく、洗面室で済ませたい
- 複数人で住んでいて、同居人がお風呂を使っているときでも身支度がしたい
独立洗面台のデメリット

続いて、独立洗面台のデメリットも併せて見ていきましょう。
家賃が高くなる
独立洗面台がある物件は使い勝手もいいため、家賃は相場よりも割高になる傾向があります。また、前述のとおり、築年数が浅い物件が多くなるのも家賃が高くなりやすい理由のひとつです。
家賃を安く抑えたい場合や、立地などほかの条件を優先したい場合は、独立洗面台の条件を外した方がより多くの選択肢の中から物件を見つけやすくなります。
ほかの居住スペースが狭くなる
同じ専有面積の部屋であれば、独立洗面台がない物件の方がその他のスペースは広くなります。特にワンルームの場合、居住スペースが圧迫されて狭く感じられてしまうケースもあります。
独立洗面台の必要性はライフスタイルや家賃上限から考えよう

多くのワンルーム物件に付属していないことからも分かるように、独立洗面台は生活に必須の設備ではありません。
家賃を抑えたい、広さや立地などの条件にこだわりたいといった場合は、優先度を下げるのもひとつの方法です。
ここでは、特に独立洗面台の優先度が高い人の特徴を見ていきましょう。
独立洗面台があると便利な人
- 同居人がいる
- 一人暮らしでも来客が多い
- 専用のメイクスペースがほしい
- 掃除が苦にならない
- 洗面用具や化粧品が多く、収納場所がほしい
同居人がいる場合や泊まりの来客が多い場合など、複数人で水回りを使う可能性が高い人は、独立洗面台があると便利です。
誰かがトイレやお風呂を使用していても、問題なく洗面スペースを利用できるので、お互いが相手に気をつかわずに済みます。
それ以外のケースとしては、身だしなみを整えるための専用スペースがほしい人や、備品が多い人にも向いているといえます。
ただ、独立洗面台がある場合、3点ユニットと比べると掃除の手間はかかってしまうのは難点です。そのため、ある程度掃除が苦にならない人に向いた設備といえます。
独立洗面台付き物件
独立洗面台がない場合の対処法

独立洗面台の有無によって、家賃には大きな差が生まれるケースも多いです。そのため、独立洗面台の設備にこだわるべきかどうかは、ない場合の対処法も踏まえて検討してみることも大切です。
ここでは、独立洗面台がない場合の対処法を紹介します。
メイクスペースを別に設ける
独立洗面台がなくても、テーブルやデスクの上に大きめの鏡を設置すれば、室内でもメイクスペースを設けることは簡単です。
また、室内にある程度の広さがあるなら、ドレッサーを置くと座ってゆったりメイクができるのでおすすめです。
自然光が当たる室内の方が、メイクが濃くなりすぎず、ナチュラルに仕上げられるなどのメリットもあります。
湿気対策を心がける
独立洗面台がない場合の大きな課題として、入浴後の湿気対策が挙げられます。浴室内を早く乾燥させるためには、窓がついている物件を選び、換気扇もできるだけ回しっぱなしにする必要があります。
また、入浴後にガラスワイパー(水分を取り除く道具)などを使って水滴を落とせば、早く浴室内の湿度を下げることができます。
まとめ

- 独立洗面台は浴室やトイレから独立したタイプの洗面台であり、女性を中心に人気が高い設備のひとつ
- ワンルームで独立洗面台付きの物件は全体の3割程度だが、築浅になるほど割合は高くなっていく
- 収納スペースが多く、電源が付属しているため使い勝手がいいのがメリット
- 家賃が高くなりやすいので、必要性を見極めて条件設定を行うことが大切
- 独立洗面台がない場合の対処法も踏まえて、自分にとって必要かどうかを検討しよう
独立洗面台付き物件
更新日: / 公開日:2018.09.27










