「バリアフリー」という言葉が使われるようになって久しい今日この頃。今では新築住宅を建てる際、必ずバリアフリーの発想を取り入れます。一方、古い住宅では家の中が段差だらけということも珍しくありません。そういった家に住んでいる方は、高齢になっても安心して長く住み続けられるよう、バリアフリー住宅へのリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。

バリアフリー住宅のリフォームを考えるにあたり、高齢の両親との同居ならばなおさらですが、まだ高齢というほどではない方であっても、早めにリフォームの検討をすることは大切です。体力が衰えてからでも問題ないと思っていると、いざというときに億劫になり、なかなか工事に取りかかれないということが起きてきます。
そうなる前に、早めに工事をすることがバリアフリー住宅のリフォームでは鉄則なのです。
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「バリアフリーの定義とは何ですか?」と聞かれて即答できる人はあまりいないのではないでしょうか。ほとんどの方が「室内の段差をなくすこと」と答えると思いますが、バリアフリーの定義はもう少し広く解釈されています。

 

物理的段差の解消だけではなく、室内の温度差をなくすこともバリアフリーの1つです。この温度差のバリアフリーは、冬場にお風呂から上がった途端に倒れてしまう「ヒートショック」などによる事故を防ぐことにつながります。

 

また、視覚のバリアフリー化も頭に入れておきましょう。たとえば、キッチンで立ちながら食事の準備をしているとします。この際に家族の動きを見ることができたほうがいいですよね。小さな子どもがいるのであれば、なおのことでしょう。部屋の中で見渡せる範囲を増やすこともバリアフリーの定義に含まれます。

バリアフリー化の打ち合わせ

自宅をバリアフリー化することによるメリットは、とにかく段差の解消をすることで室内事故を防止できることです。「年を取ると平らな道でもつまずく」といわれるように、高齢になると1cmの段差でも転倒しかねません。

 

また、将来的な話にはなりますが、自宅を売却することになった場合を考えると、バリアフリー化された住宅は付加価値が認められる可能性があるのもメリットと言えるでしょう。

 

では、自宅をバリアフリー化することによるデメリットは存在するのでしょうか?

段差の徹底解消が住みやすい家をつくるのは間違いないのですが、このことが逆に不都合を生じるケースもあります。

 

日本では、玄関で靴を脱いで廊下に上がることが一般的でしょう。ですが、この玄関と廊下を分ける段差(あがりかまち)を上るのが大変だということで、この段差の高さを5cmまで下げたとします。

 

たしかに段差が低くなったので上がりやすくなると思います。しかし、実際の生活を考えると、あがりかまちには適度な段差がないと、座って靴を履くことが難しくなるのです。ある程度の段差があるからこそ、使い勝手がよくなる典型事例です。

 

このように、段差をなくしたことで反対に不便になってしまう場合もあります。そのため、バリアフリー化をする際は、設計士とよく相談してから決めるようにしましょう。

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まずは、段差の解消です。特に廊下から和室に入る部分は、古い住宅になるとほぼ例外なく畳の厚み分だけ段差が発生します。この場合は、和室を下げるリフォームをおすすめします。また、廊下の幅と部屋に入る開口部分を広げるのもバリアフリー化のポイントです。

 

部屋の入り口のドアにも注目しましょう。場所にもよりますが、基本的には車いすが難なく通り抜けられる幅を確保します。バリアフリー住宅のリフォームの際は、開き戸か引き戸かなど、扉の種類もしっかり検討しましょう。

 

おすすめは引き戸です。それも、楽に開閉ができるようにレールから吊ったドアが便利でしょう。ドアの開閉が楽になるようにすることも、バリアフリー住宅のリフォームでは重要です。

バリアフリーに配慮したトイレ

ユニットバスの注意点は、ドアと浴槽です。ドアは車いすが入れる程度の幅を確保することと、入浴時に倒れたとしても救助をする人が外から簡単に中に入れるような仕様に変えることです。

 

また、洗い場から浴槽に入る際の高さにも注目しましょう。浴槽の高さによっては、洗い場からまたいで入ることが困難に感じる方もいます。その方の身長にもよりますが、ショールームに実際に足を運んで体験してもらうのがよいでしょう。

トイレもバリアフリーの主要箇所の1つです。トイレにおけるバリアフリーで、まず考えたいことは、お風呂同様に入り口の幅と形状です。幅は車いすを意識し、ドアの形状も引き戸がいいでしょう。

 

ただ、最も注意したい点は、トイレ内の面積です。車いすに実際に乗るとすぐに分かるのですが、トイレ内で車いすが回転できるほどのスペースがないと、とても窮屈で使用に支障をきたします。

 

なので、お風呂同様にトイレのリフォームでも、ショールームに必ず足を運ぶようにしましょう。便器だけをカタログで選ぶようなことは避けてください。

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バリアフリー住宅へのリフォームを考える場所はたくさんありますが、その中でも毎日必ず使うのがお風呂とトイレです。特に高齢の両親との同居を考えると、なるべく早い段階でのリフォームをおすすめします。

 

また、トイレとお風呂は必ずショールームに行って体験することが重要です。両親を必ず連れて行き、体験してもらうようにしましょう。少し手間はかかりますが、これが失敗しない水回りのバリアフリーリフォームへの近道です。

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