一戸建て住宅を購入した後、築年数の経過とともに老朽化が進んでいったり、家族構成やライフスタイルが変化したりすることで、リフォーム、リノベーション、建て替えを考える時期がやってきます。
特に、築年数を経過した住まいでは、3つの選択肢の中からどれを選ぶべきか悩む人が多いのではないでしょうか?
リフォームやリノベーション、建て替えを検討するタイミングとそれぞれのメリット、デメリットなど、良い選択をするための判断基準をまとめました。
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リフォームやリノベーション、建て替えを検討する時期や背景
リフォームやリノベーション、建て替えのいずれを選ぶか、判断基準のひとつになるのが住まいの状態です。築年数による目安をもとに、住まいの状態や家族のライフスタイルなども踏まえて選択しましょう。
リフォームやリノベーションを検討する時期とは
リフォームとリノベーションには明確な区別はありませんが、リフォームは老朽化した箇所の修繕や交換を行い、新築時の性能に戻すことをいいます。
一方、リノベーションは間取りの改変などを含めた大規模な工事を実施し、新築のときよりも機能性やデザイン性を向上させて、新たな付加価値をつけることいいます。

リフォームとリノベーションの意味をおさらいしましょう
築10~15年が経過すると、リフォームが必要な時期がやってきます。
外装では、外壁や屋根の塗装、雨樋の補修などが必要になります。外壁や屋根のメンテナンスを怠ると、構造体に雨水が侵入する要因となるため、住まいの寿命に関わることになります。
道具や設備関係では、給湯器や水栓金具の交換、壁紙の張り替えなどを行う時期です。使用状況にもよりますが、築15~20年程度でキッチンやユニットバス、洗面台などの不具合や汚れが目立ち始め、交換する人もいます。
築20年が経過すると、リノベーションを検討する時期がやってきます。
ただし、リノベーションは住まいの状況だけではなく、子供部屋が必要になった、子供が独立した、両親と同居することになったといったライフステージの変化がある時も、検討するべきタイミングといえるでしょう。

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建て替えを検討する時期とは
リフォームやリノベーションをするか、あるいは、既存の住宅を取り壊して新築する建て替えをするのかは住まいの状態により判断します。
木造住宅の税法上の法定耐用年数は22年ですが、実際の耐用年数とは異なります。新築時の仕様や施工方法にもよりますが、適切なメンテンスをしていれば、30年、40年、50年以上でも住み続けることが可能です。
しかし、構造体の老朽化が進み、新築と同程度の修繕費用がかかる場合には、建て替えを検討するタイミングです。
また、耐震基準は1981年6月を境に大きく変わり、それ以前に建築確認が下りた建物は旧耐震といわれています。
耐震診断を受けた結果、新耐震といわれる現行の耐震基準を満たすためには大掛かりな耐震工事が必要である場合や、耐震性能を向上させることが難しい場合にも、建て替えは有力な選択肢になります。
ただし、法律の改正などで既存不適格になり、再建築ができない場合などがあり、そのようなケースでは、構造体を活かしてリノベーションし、建物の寿命を伸ばす方法も考えられます。

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リフォームやリノベーション、建て替えのメリットとデメリットとは
リフォームやリノベーション、建て替えには、費用面やプランの自由度、工事期間などの違いによるメリットとデメリットがあります。
それぞれのメリットとデメリットを比較し、自分の住まいに合った方法をとりましょう。
リフォームのメリットとデメリット
リフォームは修繕が必要な箇所だけ直すため、工事期間が短く済み、費用を抑えられることがメリットです。住みながら工事ができますので、仮住まいや引越しの費用も掛かりません。
一方、住まいの性能は維持されるものの、現状の家族のライフスタイルに合った住まいにはなりにくいことがデメリットです。
また、部分的なリフォームを繰り返していると、美観を損なうケースがあることや、工事はまとめて行った方が安く済むため、トータルコストが高くつくこともあります。

かかる費用を長期で考えたときにどちらが適切か計算してみましょう
リノベーションのメリットとデメリット
リノベーションは、ライフスタイルや嗜好に合った間取りやデザイン性を向上させて、新たな付加価値をつけることがメリットです。
一戸建て住宅では、外装も内装も新築同然にすることが可能であり、ユーズド感を活かした趣ある住まいにすることもできます。
また、既存の構造体などを活かすため、廃棄物が抑えられることから地球にやさしく、建て替えよりも工事費用や工事期間を抑えられることもメリットといえるでしょう。
ただし、構造体の老朽化が進んでいる場合や大幅な間取りの改変を行った場合などは、新築と変わらない工事費用になるケースがある点には注意しましょう。
大規模なリノベーションでは仮住まいが発生するため、引越し費用や仮住まい費用も発生します。
また、間仕切り壁のうち、構造上必要な耐力壁は撤去することができないため、間取りの変更には制約があるといったこともデメリットです。

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建て替えのメリットとデメリット
建て替えは一から設計し直すことができるため、プランの自由度が高く、家族のライフスタイルに合わせた住まいにできる点や、耐震性能や断熱性能などを最新の性能にし、バリアフリー仕様にもしやすい点がメリットです。
一方、デメリットは費用面のこと。建て替えは、設計費用や工事費用のほかに、解体費用が掛かり、引越し費用や長期間の仮住まい費用、登記費用も必要になるため、トータルコストが高くなります。
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パターン別おススメの選択肢
リフォーム、リノベーション、そして建て替えを選択する判断基準には、今後の生活設計も関わってきます。“誰”が“何年住むのか”も踏まえたうえで判断しましょう。
両親と同居するなら“リノベーション”
高齢の両親と同居する場合には、両親の過ごす部屋を設けたり、バリアフリー仕様にしたりすることが必要です。両親と同居する期間を考えると、建て替えよりもリノベーションをする方が向いています。
ただし、バリアフリーでなければ両親の自立した生活が困難な場合で、リノベーションでは段差の解消が難しいケースでは、建て替えも検討しましょう。

思い切った変更もいいでしょう
子世帯と同居するなら“建て替え”
築20年を超えた一戸建てで、子世帯と同居するのであれば、増築を含むリノベーションをするよりも、建て替えがおすすめです。
大規模なリノベーションをして住まいの“寿命を伸ばす”よりも、費用をプラスして子世帯が安心して長く暮らせる住まいに建て替えた方が、長い目で見れば経済的で住みよい家になります。
ホームインスペクション(住宅診断)の利用も検討
リフォームかリノベーションか、あるいは建て替えにするかは、住まいの状況を正確に知ることが大切です。
しかし、住まいの老朽化の程度を外装や屋根、屋根裏、床下などの状況から判断するのは、素人には難しいといえます。
そこで、建て替えをするべきか迷ったら、ホームインスペクションといわれる住宅診断を利用して、住まいの正確な状況を知ることも考えてみましょう。
・リフォーム、リノベーション、建て替えは、築年数を目安に住まいの状態や家族のライフスタイルなどから選択する
・費用面や改変プランの自由度、工事期間などの違いによるメリットやデメリットがある
・あと何年暮らすか、今後の生活設計も踏まえて考える
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更新日: / 公開日:2018.01.25









