
中古マンションの寿命は?
「中古マンション買ってリノベーション」は確かに新築より割安ですし、なにより自分好みの内装をオーダーできるのが、素敵なところ。しかしそれはあくまで「内部造作」の話。建物全体としてマンションは、はたして何年もつのでしょう。
例えば築30年の中古マンションを買ってリフォームしたものの、築45年目で建て替えということになったらどうしましょう?30年の住宅ローンを組んでいた場合、まだ15年しか住宅ローンを支払っていないので、かなりのローン残高が残ることに。例えば住宅ローンを3,000万円、固定金利2%、期間30年で組んだ場合、まだ1,720万円の元金が残っています。そもそも建て替えなんて出来るのでしょうか。
実は日本では、マンションの歴史はまだ浅く、普及し始めたのは1960年代後半くらいからと、まだ40数年しか経っていないため、マンションの寿命というのははっきりしないのです。国交省によれば、建て替えをしたマンションの平均的な築年数は37年とされていますが、これは、まだ物理的には問題なく住めるマンションの建て替えも含まれているため、あまり参考になりません。
マンションが長持ちする秘訣は「設計、工事、点検やメンテナンスがしっかりしていること」です。例えばこれから建築されるマンションであれば、この3拍子が揃っていれば最低でも100年は大丈夫でしょう。しかし中古マンションの場合、途中で建築基準法が変更になったり、工事の品質にばらつきがあったり、点検やメンテナンスが不十分なケースがあったりと、まちまちです。つまり中古マンションは、個体差が大きいのです。同じ築30年のマンションでも、かなり老朽化していて将来予測が厳しいものもあれば、3拍子がしっかり揃ってまだまだ何ら問題のなさそうなものもあります。
それでも「いざという時には建て替えをするのだ」といった覚悟があればいいというわけにもいかないのがマンションです。一戸建てであれば「建て替えたい」と思ったら原則として全て自分の意志でできますが、マンションはあくまで共同住宅。修繕はもちろん建て替えも、所有者で構成する「管理組合」の同意がとれないとアクションは起こせないのです。
建て替えについて管理組合の同意を取るというのは、実は非常に大変です。そう簡単に建て替えなどできるわけではないのです。これまでに行われたマンションの建て替え事例は2009年10月1日時点で138例。現時点でも200件に満たないでしょう。その理由は何か、では私たちはどうすればいいのかについて、次回以降のコラムでお話します。
関連記事>>いいとこどり!中古+リノベという選択 STEP3:物件探し
コンテンツ提供:株式会社さくら事務所
中古マンションを探す更新日: / 公開日:2012.09.25










