宅配便の再配達削減に向け「置き配」が標準化? 賃貸マンションの宅配に関する設備状況を調査
宅配便の再配達を減らすべく、対面での受け取りだけではなく、玄関前や宅配ボックスなど指定した場所に荷物を届ける「置き配」も標準的な受け取り方法に加える検討を国土交通省が開始したという報道があった。
一方で、宅配ボックスが設置されていない住宅も多数あるほか、オートロックが設置された住宅では、配達員が玄関前まで行くことができないため、荷物の盗難リスクに不安を感じる人もいるのではないだろうか。
そこで、2025年6月にLIFULL HOME'Sに掲載された賃貸マンションにおける宅配ボックスとオートロックの設置状況を調査。賃貸マンションは「置き配」の標準化に対応できる状況なのか検証した。
約7割が「宅配ボックスなし」。宅配ボックスなし・オートロックあり物件も約2割
全国の賃貸マンションの宅配ボックス設置状況を調査したところ、宅配ボックスが設置されていない物件は66.3%と、およそ3物件に2件は宅配ボックスが未設置であることがわかった。
また、宅配ボックスがない場合、配達員が建物内に入り各部屋のドア前に荷物を届けることで置き配とすることが可能だが、オートロックがついている物件では住人の不在時に配達員が各部屋まで行くことは困難だ。
オートロックの設置率は47.6%だが、宅配ボックス未設置でオートロックが設置されている物件が、全体の19.5%にのぼることが明らかになった。
つまり、約2割の物件では宅配ボックスがないうえに、配達員が玄関前まで行くことができず、エントランスなど共有部への配達になってしまう可能性があり、置き配による荷物の受け取りが困難となることが想定される。
築10年超の物件では約半数、築30年超の物件では9割が宅配ボックスなし
築年数別では、築11~15年の物件のうち宅配ボックスが設置されていない物件は48.4%、築16~20年では49.9%。築21年~25年では58.5%と半数を超え、築30年超では90.0%もの物件で宅配ボックスが設置されていない。
一方、オートロックも宅配ボックス同様に築年数が若いほど設置率が高くなる傾向にある。宅配ボックス未設置かつオートロックありの物件は、築5年~30年でおよそ2~3割が該当。しかし築30年超では、宅配ボックスの設置率は低いもののオートロックの設置率も低いため、宅配ボックス未設置かつオートロックありの物件は14.6%にとどまった。
以上の結果から、「置き配」標準化にあたって設備面での対策が必要となる物件は、築11年~30年程度の物件に多いといえそうだ。
調査概要
集計対象:LIFULL HOME'Sに掲載された賃貸マンション
集計期間:2025年6月
本リリースの内容はLIFULL HOME'S 不動産データソリューションが保有する不動産データを元に分析・掲載しています。
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