三者から見た今後の住宅市場の見通し

住宅金融支援機構は、2015年9月29日に「平成27年下期における住宅市場動向」を公表した。住宅事業者、一般消費者、ファイナンシャルプランナーの三者に対し、今後の住宅市場の見通しなどについて半年ごとにアンケート調査を行ったものだ。今回は平成27年度下期(平成27年10月~平成28年3月)の見込みについて公表された最新のデータとなる。

現在、住まいの購入や住み替えなどを検討されている人にとっては、ファイナンシャルプランナーや住宅事業者、いわゆる専門家である人たちが住宅市場をどのように捉えているのかはひとつの参考になる。本調査より、「住宅の買い時感」と「住宅事業者と一般消費者が建物で重視するポイント」について、2回に分けてお届けする。

住宅の受注・販売などの見込みは?~ 住宅事業者 ~

住宅金融支援機構 平成27年下期における住宅市場動向を参照し作成住宅金融支援機構 平成27年下期における住宅市場動向を参照し作成

平成27年度の上期と比較して、下期は住宅の受注・販売などは増えるのだろうか?
住宅事業者の回答は、「増加」が47.4%と最も多く、次いで「同程度」が39.3%、「減少」は13.3%となった。

前回の平成27年3月に公表された同調査によると、平成27年度の受注・販売などの見込みは「平成26年度と比べて増加」と回答した割合が38.1%だった。前回調査と比較すると、受注・販売見込みが復調すると考えている住宅事業者の割合は9.3%増と拡大しているようだ。

増加する要因を上位3つ抜粋すると、「住宅ローン金利の低水準」が49.5%、「消費税率引き上げ前の駆込み効果」が49.2%、「経済対策によるフラット35Sの金利引下げの効果」が26.5%となった。
逆に減少すると考えた要因は、「消費増税率引上げ先送りによるエンドユーザーの様子見傾向」が39.8%、「景気先行き不透明感」が31.8%、「建築資材価額の上昇などの影響」26.1%となっている。
増加、減少ともに消費税の影響を受けると回答している割合が一定数あり、やはり消費税の動向はプラスであれマイナスであれ、なにかしら影響を受けると住宅事業者は捉えているようだ。

住宅の買い時感は?~ 一般消費者とファイナンシャルプランナー ~

続いて一般消費者とファイナンシャルプランナーに「これから半年以内(平成27年10月~平成28年3月)は、住宅の買い時だと思いますか?」と質問した結果はどうだったのだろうか。
一般消費者は平成27年度上期と比べて下期は「買い時」が49.2%、「どちらもとも言えない」40.4%、「買い時ではない」10.5%となった。
買い時と考える要因としては順に「住宅ローン金利が低いから」68.8%、「今後消費税率が引き上げられるから」36.2%、「今後住宅ローン金利が上がると思うから」が28.3%となった。
前回の調査結果の「買い時ではない」4.4%から今回は10.5%となり、買い時ではないとする回答割合がやや増加した。

ファイナンシャルプランナーはどう見るのだろうか。結果は「買い時」62.3%、「どちらとも言えない」30.2%、「買い時ではない」7.5%となった。
前回調査と比較して「どちらとも言えない」の回答が17.3%から30.3%と大幅に増加した。
買い時の要因は順に「住宅ローン金利の低水準」84.8%、「経済対策によるフラット35Sの金利引下げの効果」66.7%、「金利先高観」48.5%となった。

住宅事業者、一般消費者、ファイナンシャルプランナー、ともに今後の住宅の増加、買い時の要因として共通して一番に挙げているのが「住宅ローン金利の低水準」であり、現在の歴史的な低金利状態をチャンスとして捉えているようだ。住宅需要を支える最大の柱がこの低金利であり、現状の金利が大きく上がれば住宅需要も大きく影響を受けるであろう。当面は低金利政策は継続せざるを得ない状態であると言える。

住まいの「買い時」は、金利や増税の影響を受ける傾向にあると言えるが、その人それぞれのライフスタイルや住まいの選択、タイミングなどにより「買い時」も三者三様であるから、周囲の動向も把握しつつ、自分にあったタイミングを見定めてほしい。

住宅金融支援機構 平成27年下期における住宅市場動向を参照し作成住宅金融支援機構 平成27年下期における住宅市場動向を参照し作成

調査概要

調査実施:住宅金融支援機構
調査方法:住宅事業者(ヒアリング・郵送など)回答数672
     ファイナンシャルプランナー(ヒアリング・郵送など)回答数53
     一般消費者(インターネット調査)回答数1,100
調査時期:住宅事業者及びファイナンシャルプランナー(平成27年7~8月)
     一般消費者(平成27年8月)
調査項目:利用した住宅ローンの金利タイプに関する事項

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2015年 11月11日 11時27分