入浴スタイルも多様化?

家づくりの際に、多くの方がこだわる浴室。清潔さやお手入れのしやすさはもとより、ゆったりとくつろげる空間、ひとりの時間を楽しみリフレッシュできる空間を希望する方も多い。ライフスタイルの多様化により、入浴時にテレビを視聴する、スマートフォンなどのデバイスを使う、というケースもみられるようだ。
 
株式会社LIXILの「長風呂に関する意識調査」によると、「お風呂に入る際、スマートフォンやタブレット、浴室テレビを使用することがありますか」という質問に対し、過去1回以上あると回答した人は、49.8%と約半数だという。いまどきの入浴スタイルは、のんびりするだけではないことがみえてくる。

事前調査 「お風呂に入る際、スマートフォンやタブレット、浴室テレビを使用することがありますか」事前調査 「お風呂に入る際、スマートフォンやタブレット、浴室テレビを使用することがありますか」

半数以上はスマートフォンやタブレットを使用

LIXILでは、上記の事前調査で、入浴時にスマートフォンやタブレットなどの使用経験が過去1回以上あると回答した49.8%の人を対象に改めて調査を実施している。

まず、入浴中にとる行動としては、「スマートフォンやタブレットを使用」する人は全体の51.6%でトップ。次いで「考え事をする(38.8%)」「ストレッチ・マッサージ(30.2%)」が続く。

入浴中にとる行動(本調査より)入浴中にとる行動(本調査より)

また、「スマホ入浴をするか」という質問に対しては、全年代では、男性(46.0%)よりも女性(57.2%)が多いという結果。年代別では、10代の女性が一番高く(72.0%)、次いで20代の女性(66.0%)30代女性(62.0%)と続く。一方、男性は30代(56.0%)が最も使用割合が高く、50代では女性(42.0%)よりも男性(46.0%)の方が高くなっている。

具体的な視聴内容としては、全年代での1位は「動画・映画視聴(55.8%)」。好みの動画を見ながらゆったりと入浴時間を過ごしていることが分かる。2位は「SNS(37.2%)」と「インターネット検索(37.2%)」。「音楽・ラジオ(35.4%)」「読書(18.6%)」「ゲーム(17.0%)」と続く。10代をみると、約2割は「ゲーム」と並んで「ネットショッピング」も入浴中に行っているという結果とか。スマートフォンやタブレットは、常時手放せないと同時に、いつでも楽しみ、使用するアイテムであることを改めて実感できる結果と言えるだろう。

入浴中にとる行動(本調査より)入浴中に「スマホ入浴」をする割合(本調査より)

スマホを使用していて気づいたら長風呂に

いつでも楽しみ、使用するスマートフォンは、長風呂の要因にもなっているという。

調査によると、長風呂をしていた理由として、「スマートフォンやタブレットを使用していて、気が付いたら長時間入浴していた」という人が45.0%と最も多い結果に。年代別にみると、40代、50代では入浴前からリラックスを目的に長風呂を楽しもうとする人も多くみられたが、10代~20代は、5割以上が「スマートフォンやタブレットを使用していて、気が付いたら長時間入浴していた」を長風呂の理由に挙げている。

入浴中のスマホ利用が一般化し、スマホを含め入浴を楽しむ傾向が強くなると、これからの浴室プランには、どのような変化がみられるのだろうか。

長風呂をしていた理由(本調査より)長風呂をしていた理由(本調査より)

お風呂はくつろぎ楽しむ場へ

一般的な住宅の場合、新築やリフォームでの浴室プランは、そのつくり方(工法・構造)によって、在来工法(現場施工型)、システムバス(ユニットバス)、ハーフユニットに分類される。最も多く取り入れられているのがシステムバスだ。各メーカーからバリエーション豊かな商品が揃い、デザイン性や機能性の高いタイプが増えている。

調査からも分かるように、浴室には清潔さを保つ場としての役割だけでなく、くつろぎ楽しむ場としての機能が求められる傾向にある。システムバス商品にも積極的に入浴時間を楽しむための工夫がみられ、オプションアイテムも充実してきている。

たとえば、浴室内のテレビや音楽を聴くことができる機能。大きな画面のテレビ、スマートフォンなどと接続可能なスピーカーなども揃っている。

(上)スマートフォンやタブレットとワイヤレスで接続し、浴室を癒しのオーディオルームへと変えてくれる高品質の音響機能。[SPAGE フルデジタルサウンドシステム]
(下)首から肩に優しいお湯をまとうかのような新感覚で極上のリラックス時間を味わうことができる。[SPAGE アクアフィール] 
(上)スマートフォンやタブレットとワイヤレスで接続し、浴室を癒しのオーディオルームへと変えてくれる高品質の音響機能。[SPAGE フルデジタルサウンドシステム] (下)首から肩に優しいお湯をまとうかのような新感覚で極上のリラックス時間を味わうことができる。[SPAGE アクアフィール] 

また、スマートフォンやタブレットを操作するのであれば、半身浴ということになるだろう。半身浴がしやすいような形状の浴槽、段差があるタイプの浴槽なども揃う。よりリラックス可能な肩にお湯が流れる機能を持たせたタイプなどもみられるようになってきた。

その他、心地よい水流を楽しめるシャワーも注目されているアイテムだろう。高い位置から身体を包み込むようなタイプもある。また、くつろぎの空間を生み出す照明、長風呂の際に少し休憩ができるようなベンチカウンターなどの提案もみられる。

浴室内の工夫だけでなく、屋外とのつながりを持たせたプランニングも注目されているようだ。大きな窓を設け庭を眺めることができたり、ウッドデッキとつなげることで内と外を一体化するなど、居心地のよさを高めるプラン提案もみられる。

プランニングの際には、浴室でどのような時間を過ごしたいのか、平日や休日での入浴スタイルなどをイメージし、優先順位を明確にして検討を。家族構成や暮らし方など、将来的な変化なども考慮しておくことも大切だろう。


【調査概要】 
調査方法:インターネット調査
調査期間:2023年10月実施
調査対象:<事前調査>10代~50代男女、3163人
<本調査>入浴時にスマートフォンなどの使用経験が過去1回以上ある10代~50代男女、500人
※自身及び同居家族が浴室関連メーカー勤務者を除く、男女比・年代:50サンプルずつ
業務委託先:楽天インサイト

調査データ・商品写真協力  LIXIL

公開日: