2022年に入って東京都&東京23区の移動人口が転入超過傾向示す

コロナ禍で一番大きな経済的損失を被ったのは東京都だろう。
コロナの感染者数は全国で最も多いし、飲食店の数も“食い倒れの街”大阪の2倍を超えているから休業補償の費用も莫大だ。しかも開催が1年延期された東京五輪は無観客となって入場料収入はゼロ、企業収益が落ちたことによって税収も2021年度には5兆円を割り込む寸前まで低下した。またテレワークの実施率が日本一高いことも手伝って、約1,400万人の総人口からすればごくわずかといえるものの、都民が東京を離れ、首都圏の準近郊・郊外エリアへと転居したことも記憶に新しい。

一方で、コロナ禍によって最も大きな変革を遂げたのもまた東京都だろう。テレワークの実施率を高水準に維持し、毎日出社せずとも効率よく業務を遂行できる次世代型の働き方にいち早く対応したのは都内に本社を置く企業だし、DX(Digital Transformation:デジタル・トランスフォーメーション)を推進してコロナ後を見据えた業務のあり方に変革することにもチャレンジしてきた企業も数多い。このような“コロナ仕様”が奏功し、東京都の2022年度当初予算案において、都税収入は3年ぶりのプラス、約5兆6,300億円程度を見込めるまでに回復しつつある。

このような状況で、コロナ禍で大きく減少していた東京都への流入人口も2022年に入って回復し始めている。東京都はコロナ前の2019年の移動人口が約8.3万人もの転入超過だったが、翌2020年は3.1万人の転入超過にとどまり(前年比-62.5%)、2021年はさらに大きく減少して5,433人(同-82.5%)、東京23区に至っては約1.5万人もの“転出超過”を記録している。この間の首都圏移動人口は2019年に約15万人、2020年約10万人、2021年も約8.2万人と漸減しているものの安定した転入超過となっているから、東京都内から周辺3県に転居するというニーズが顕在化したことがわかる。
それが、2022年に入ると5月までの累計は東京都で約3.9万人、東京23区でも約2.7万人の転入超過を記録しており、コロナ禍の影響で都内に住むことを避けていた人々が明らかに都内に回帰し始めている。

ようやくコロナの影響を脱して、また折り合いをつけて経済活動を“コロナ仕様”で本格化させる状況となった東京都だが、果たして人流の“都心回帰”は今後も継続するのか、それに伴って都内の賃貸需要は安定するのか、また新規供給の減少で高騰する新築マンションと需要が新築から移行しつつあることで同じく価格が上昇している中古マンションは今後も需要をつなぎとめることができるのだろうか。
都内の住宅市場動向に詳しい専門家たちの見立てはいかに。

コロナ禍の影響で都心を避けていた人々が回帰し始めている。人流の“都心回帰”で住宅需要は今後どうなるのだろうかコロナ禍の影響で都心を避けていた人々が回帰し始めている。人流の“都心回帰”で住宅需要は今後どうなるのだろうか

今回の時事解説論旨まとめ

論点:コロナ禍の影響が最も大きかった東京都でもようやく人流の“都心回帰”の兆しが表れたことで、都内の住宅需要は安定するのか、今後も人流の揺り戻しは継続するのか?

酒造氏:マンションは基本的には利便性が重視され、今後もそれは変わらない。都市部には利便性のほかに、アメニティの高さなどの街の魅力があり、それを評価する住宅需要は根強い。

室氏:賃貸市場は数年以内に過去の水準を取り戻すだろう。持ち家市場における郊外・地方志向は今はごく一部の需要のみだが、供給サイドが郊外・地方転居のボトルネックを解消できる場合に、潜在的な郊外需要が顕在化する可能性がある。

榊原氏:これまで、好景気の局面では都市部への人口流入が拡大する傾向にあったが、コロナ禍の急激なデジタルシフトによってその構造が変化する可能性がある。足元では、不動産価格・物価の高騰にユーザーの購買力が追い付いていない状況が続く。

吉田氏:主な住宅購入層である30代・40代は依然転出傾向にある。通勤利便性重視の傾向が弱まり、多様な価値基準での住居選択が徐々に進むと思われ、「ワークプレイスの見直し」に追随し「住環境の見直し」も本格的に進むと考えられる。


酒造氏と室氏は、街の魅力や機能性が住宅需要を決めるとし、酒造氏はそれらを有する都市部の需要の根強さを、室氏は郊外・地方がそれらを改善できるという条件付きで需要が変化する可能性を説いた。
一方、榊原氏と吉田氏は、コロナ禍を契機とした構造変化によって、需要が郊外化する可能性を示し、業界の変化に期待を込めた。

「第7波」の到来で感染症との闘いは長期化している。人口動態は従来と異なる動きを見せ、そこから考え得る住宅市場への影響もさまざまだ。以下、各氏のコメントを見ていきたい。

都心エリアにおける住宅需要は根強い ~ 酒造 豊氏

<b>酒造 豊</b>:(株)長谷工総合研究所 取締役市場調査室長。1986年4月 長谷川工務店(現長谷工コーポレーション)入社。分譲マンション市場動向の調査・分析を担当。1994年7月長谷工総合研究所に配属。首都圏・近畿圏における分譲マンション市場動向中心に、住宅市場、不動産市場全般の調査・分析を担当。2001年6月より、不動産関連情報誌「CRI」の編集人を務めている酒造 豊:(株)長谷工総合研究所 取締役市場調査室長。1986年4月 長谷川工務店(現長谷工コーポレーション)入社。分譲マンション市場動向の調査・分析を担当。1994年7月長谷工総合研究所に配属。首都圏・近畿圏における分譲マンション市場動向中心に、住宅市場、不動産市場全般の調査・分析を担当。2001年6月より、不動産関連情報誌「CRI」の編集人を務めている

多くの企業でテレワークが導入され、勤務地から近い都心エリアに住む必要がなくなってきたことや自宅で仕事をするためのスペースが必要になったことなどから、準近郊・郊外エリアで住宅を購入した人や地方都市へ移住する人も増えたという話を聞く機会は増えた。企業の中には全国どこに住んでも社員として認めるといった動きもみられるが、実際に移住する人はまだ少ないと思われる。

一方で、都心の新築マンション価格は上昇傾向が継続しており、2022年上半期における都内23区の平均価格は8,091万円で、購入者はパワーカップル層などの高年収層が中心となっている。変動型の住宅ローン金利は依然低水準であるものの、一般的なファミリー層にとっては購入が困難となっていることも事実だ。都心エリアでマンション購入が困難となったことから、神奈川、埼玉、千葉などの周辺地域で住宅を購入するケースも増えている。

テレワークが普及、定着したことで、自宅で過ごす時間が増えたことから、部屋の広さや部屋数の増加、通信環境などの設備面や同居する家族との兼ね合いといった心理的な事柄など、住宅に求める条件も変わっている。
ただ、マンションは基本的には利便性が重視される住宅だと思う。多くの人は駅近や駅前、通勤に便利な沿線などの利便性を求めている。テレワークや在宅勤務が増えたとしても、こうした利便性が重視されなくなることはないと思う。また、都心エリアには交通利便性、生活利便性に加え、医療施設・教育施設・娯楽施設をはじめとした街としてのアメニティの高さなど、街の魅力がある。こうした都心エリアの魅力を評価する層はまだまだ多いと思う。さらに、大きなトレンドとしてみても、日本は人口減少が加速している状況であり、人口が郊外地域へと広がっていくのではなく、利便性の高いところにコンパクトにまとまっていくことになると思う。住宅・マンション価格の上昇という課題はあるものの、都心エリアにおける街の魅力を評価した住宅需要は根強いと考える。

中期的には分散の方向に カギは供給物件の良質化・面的な機能整備 ~ 室 剛朗氏

<b>室 剛朗</b>:J-REIT草創期より金融機関系シンクタンクで不動産証券化関連業務に従事。現在、(株)価値総合研究所にて、不動産投資市場・低未利用不動産再生・被災地復興まちづくり事業・駅周辺再開発・既存住宅流通に係る調査・コンサルティング業務に従事。麗澤大学経済社会総合研究センター客員研究員室 剛朗:J-REIT草創期より金融機関系シンクタンクで不動産証券化関連業務に従事。現在、(株)価値総合研究所にて、不動産投資市場・低未利用不動産再生・被災地復興まちづくり事業・駅周辺再開発・既存住宅流通に係る調査・コンサルティング業務に従事。麗澤大学経済社会総合研究センター客員研究員

都心部オフィスへの出勤回数はコロナ前比2~4割程度の減少とみている。電車の混雑度もかつてほどではない。ニューヨークでは6割程度の減少ともいわれており、コロナの影響は間違いなく、都心部への通勤の必要性を減じた。進捗が鈍い日本においても、ハイブリッドな働き方が定着し、テクノロジーの進展や、企業側のソフト・ハード両面のインフラ整備を受けて、もう一段進んでいく未来が待っているのだろう。

そうした未来の可能性を共有しているのにもかかわらず、人口動態は大きな構造変化を起こしていない。東京23区の転入超過数は2022年4~6月までの累計で約700人の流入となり、前年の約5,000人の流出から反転している。つまり、働き方の変化が半ばコンセンサスとなる割には、住まい方に劇的な変化はまだ表れてはいない、という状況だ。

特に“東京の引力”は強く、若年層の3月・4月の流入は昨年対比1割程度の増加となっている。主たる賃貸需要層は、東京の持つさまざまなアメニティ・職業の多様性などにより、再び増加トレンドとなる可能性が高く、賃貸住宅の需要は数年内に過去の水準を取り戻すと考えられる。

一方、持ち家についての見通しはどうか。ライフスタイルやライフプランの固まった層(例えば子どもの学校が決まっている、親の介護をしなくてはならない、近居の親が子どもの世話をしてくれている)にとって、住宅環境を変えることは、経済的な側面のみならず、容易ではない。高齢者世帯では、引越しに伴うコミュニケーションの喪失や、医療機関が充実しているかという問題も大きかろう。こうした層が、大きな変化を起こす可能性は低い。また二地域居住者の増加などは極めて一部の動きであり、統計上観測できるような変化にはつながらない。

コロナによる変化はいろいろな側面から語られているものの、結局(今のところ)実際的な課題を乗り越えるだけの構造的な変化が生じたわけではない。つまり、これから住宅取得を迎える層の一部が郊外や地方という選択肢を取り、それが住宅市場に影響していく。ごく一部の需要への影響しか“今は”想定できないし、事実そのように需要は動いているとみられる。

しかし、東京都内の住宅価格の高騰は、コロナにあっても止まらず、所得の伸び悩む家計との乖離は拡大している。今後所得が(国民の多数で)大きく増加していく未来は想定しづらいことや、リモートワークが夫婦ともに”前提”となると、利便性だけでない住宅選択、郊外を選択する世帯が増加していくのではないか。というのが条件付きでの見通しである。こうした層は中古マンションの需要層と重なる。この“条件付き見通し”の行方が、中古マンションの需要量に関連していくと考えている。

“条件付き”としたが、それは供給サイドにある。郊外や地方には、住宅そのものや街が、需要者のニーズを満たしていないケースも多い。例えば、住宅に対する新しいニーズ(ワークスペース・ウェルビーイング・環境)を含む良質なストックの不足。今も転居のボトルネックとなっている、子どもの教育、病院の充足性、子育てサポーターの不足などの機能不足。こうした諸問題を(オンラインによる整備も含み)面的に解決できるまちづくり・物件開発が潜在的な需要の掘り起こしにつながり、大きな変化となって表れる可能性はある。
住宅に関していえば、供給サイドに大きなビジネスチャンスが生じていると感じている。需給どちらか一方では、潮流にはならない。潜在的に強まる需要をどう顕在化させるか、それが都心部の住宅需要を決める要素の一つとみている。

好景気でも都市部への人口流入は拡大しない? ~ 榊原 渉氏

<b>榊原 渉</b>:
1998年3月早稲田大学大学院理工学研究科建設工学専攻 修了。1998年4月株式会社野村総合研究所 入社。2017年4月グローバルインフラコンサルティング部長。2020年4月コンサルティング人材開発室長。現在 コンサルティング事業本部 統括部長 兼 サステナビリティ事業コンサルティング部長 兼 コンサルティング事業本部 DX事業推進部長、北海道大学客員教授。専門は建設・不動産・住宅関連業界の事業戦略立案・実行支援
榊原 渉: 1998年3月早稲田大学大学院理工学研究科建設工学専攻 修了。1998年4月株式会社野村総合研究所 入社。2017年4月グローバルインフラコンサルティング部長。2020年4月コンサルティング人材開発室長。現在 コンサルティング事業本部 統括部長 兼 サステナビリティ事業コンサルティング部長 兼 コンサルティング事業本部 DX事業推進部長、北海道大学客員教授。専門は建設・不動産・住宅関連業界の事業戦略立案・実行支援

コロナ禍を契機に都市部への人口流入にも構造的変化が?

都市部への人口流入は、景気動向や有効求人倍率と相関が高いと言われてきた。つまり、景気が上向くと有効求人倍率が上昇し、就業機会が豊富な都市部への人口流入が拡大するという傾向が長らく維持されてきた。特に、高度経済成長期以降の東京圏は、バブル崩壊後の一時期を除き一貫して流入超過傾向にあった。景気拡大局面では人口流入が拡大し、景気縮小局面では人口流入が縮小するという傾向が繰り返されてきた結果、経済の成熟化に伴い都市化(東京への人口集中)が進展してきたのである。実は、経済の成熟化に伴う都市化の進展は、日本に限ったことではなく、世界的にも同様の傾向が見られる。そういう意味では、足元の「都心回帰」も、コロナ禍の影響から景気が持ち直したことによるものと捉えることができる。

しかしながら、社会経済のDX化が進展しつつあるなかで生じたコロナ禍は、企業活動における急速かつ強制的なデジタルシフトをもたらした。特に、テレワーク促進という側面では、コロナ禍で時計の針が一気に10 年以上進んだといえる。このコロナ禍が私たちビジネスパーソンのワークスタイルにもたらした大きな変化は今後、景気動向や有効求人倍率と、都市部への人口流入という相関にも、構造的な変化をもたらす可能性がある。つまり、景気拡大局面においても、従来のようには都市部への人口流入が拡大しない可能性がある。

私たちのライフスタイルやワークスタイルは「時間と空間の概念から解放された」

コロナ禍によって、テレワークのメリット・デメリットを実感できた今、Withコロナ・Afterコロナのワークスタイルに求められるのは、それぞれの仕事内容や状況によって、在宅勤務やオフィス出社、フレキシブルオフィス等のサードプレイスをより柔軟に選択できる環境をいかにして構築するか?ということではないだろうか。テレワークの進展により、住宅は生活する場だけではなく、平日の昼間は働く場としての機能も求められるようになった。つまり、時間によって求められる機能が変化するようになったのである。
あえて、コロナ禍を前向きに捉えれば、私たちのライフスタイルやワークスタイルは「時間と空間の概念から解放された」といえる。仕事の生産性を最大化したり、ワークライフバランスを理想の形に近づけたりするためには、状況によって最適な場所や時間を選択できるようにすることが望ましい。こうしたユーザーの価値観変化や行動変容に対応していくことが、住宅供給サイドに求められるようになるだろう。

ユーザーの価値観変化や行動変容に対応した構造転換が進むことに期待

とりわけ足元では、コロナ禍だけでなくウクライナ危機などの国際情勢を受け、世界的なインフレの進行、資源・エネルギー危機による電力需給の逼迫等々により、先行き不透明感は高まっている。住宅市場においても、不動産価格や物価の高騰にユーザーの購買力が追い付いていない状況が続いている。筆者が所属する株式会社野村総合研究所が2022年6月に発表した新設住宅着工戸数の予測によれば、2022年度は80万戸、2023年度は79万戸と、大きく減少する恐れがあると見込まれている。デジタル技術等をうまく活用しながら、ユーザーの価値観変化や行動変容に対応した構造転換が進むことに期待したい。

住環境の見直しの軸は、通勤利便性から生活環境の快適性へシフト ~ 吉田 資氏

<b>吉田 資</b>:ニッセイ基礎研究所 金融研究部 主任研究員。三井住友トラスト基礎研究所を経て、2018年よりニッセイ基礎研究所で調査・研究業務に従事。専門分野は、不動産市場、投資分析など吉田 資:ニッセイ基礎研究所 金融研究部 主任研究員。三井住友トラスト基礎研究所を経て、2018年よりニッセイ基礎研究所で調査・研究業務に従事。専門分野は、不動産市場、投資分析など

東京都の転入超過数は、2022年1~5月までの累計で約3.9万人となり、昨年(1年間で約5,000人)から増加している。ただし、年代別の人口移動を確認すると、進学や就職に伴う移動の多い「15~29歳」の年代を除き、いずれの年代も「転出超過」になっている。主な住宅購入層である30代および40代も転出傾向であり、都内での住宅需要は、完全復調には至っていないと思われる。

ニッセイ基礎研究所が、2022年3 月に関東地方の居住者を対象に行った調査では、「在宅勤務を利用したり、転職したりして、郊外や地方に居住したい」という質問に対し、「そう思う」との回答が5.8%、「ややそう思う」との回答が16.7%を占め、合わせて約2割の人が、郊外・地方移住への希望を持っていることがうかがえた。また、内閣府「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」によれば、東京圏在住で地方移住に対して関心を示した回答は、2019年12月の25.1%から2022年6月の34.2%へと増加している。

「在宅勤務を利用することで郊外や地方でも都心と同様に働ける」や「人口密度が低く自然豊かな環境に魅力を感じた」、「ライフスタイルを都市部での仕事重視から、郊外や地方での生活重視に変えたい」といった理由から郊外・地方移住に関心を持つ人が増えているようだ。

新型コロナウイルス感染拡大への対応で、東京では「在宅勤務」が急速に普及した。公益財団法人日本生産性本部「働く人の意識に関する調査」によれば、「コロナ禍収束後もテレワークを行いたいか」という質問に対し、「そう思う」と「どちらか言えばそう思う」が合計で約7割を占めている。実際に多くの人が「在宅勤務」を経験するなかで、業務上の支障を感じながらも、通勤時間がない、家族との時間が増えた等のメリットから、今後も「在宅勤務」を取り入れた働き方を希望する人が増えている。コロナ禍収束後も、「オフィス勤務」と「在宅勤務」を組み合わせた働き方が定着することになりそうだ。

このように、「在宅勤務」を取り入れた働き方が浸透するなか、「都心に近い」など通勤(交通)利便性を重視する傾向が弱まり、多様な価値基準による住居選択が徐々に進んでいると思われる。
働き方の変化を受けて、ワークプレイスの見直しを進める企業は多い。その際に、「Well-being」の視点でオフィス環境を整備することが重視されはじめている。今後、「ワークプレイスの見直し」に追随する形で、「住環境の見直し」も本格的に進むと考えられる。

住宅の供給を担うデベロッパー等は、住民の健康や生活の快適さなどに焦点を当てた建物および居住地区の環境整備や、購入(賃借)予定者の検討エリア拡大への対応等、コロナ禍で生じた住宅需要の変化に即した供給および販売戦略の策定が求められるだろう。

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