“穴場”は貴方の中にある
時々「今、穴場な立地はどこですか?」と聞かれることがある。そんな時、僕は「穴場?その答えは…貴方の頭の中にあるんだァ!!」と言うことにしている。
今は情報の流れが早く、不動産の相場も上がるべきところはさっさと上がっているものであって、物件単位で割安なモノは時々あるけれど、エリアに関して言うならば、「便利で素敵な場所だけど、めちゃくちゃ安いんです!」と一般論として言える場所は基本的にないと思う。
一般論として、と言ったのは、つまり「自分にとっては割安」な場所はあるということ。
貴方は他の誰でもない貴方であり、あなたのニーズは、何かどこかが、特殊なはずである。「みんな欲しがるけど自分は要らないもの」「自分には大事だけど多くの人にとって重要でないもの」は何か。まずそう考えてみることで、貴方にとっての穴場がこの世に生まれるのである。
ステータスを気にしない人は、いかにもオシャレで品がよさそうなエリアは割高であって、そうでないところが穴場的になってくるし、色んな街を歩いてみると、一般的には人気がない割に自分は好きな沿線があるかもしれない。
極端な例だけれど、墓の前でも気にならない人にとっては、墓の前の家を借りるとコストの割には満足度が高いということになる。歩くのが好きな人は駅から遠くてかまわない。
買うときに何を考えるのか
“穴場”の答は人によって違うのだ。それが不動産と株の違いでもある。
しかしこの話には突っ込みも入るだろう。
つまり「それは賃貸の話でしょ?賃貸するなら、自分のニーズの偏った部分に合わせて選べば割安に住めるというのは、わかる。でも、買うときにそうやって選ぶと、買うときの“自分的コストパフォーマンス”は高くても、売るときにはやっぱり売りにくくて、結果的に割安とは言えないでしょう?」
なるほど、転売時の流通価値というやつである。それは確かに重要な視点だ。
そこまで考える人にとっては、買うときの考え方はもう少し複雑になってくる。「自分的穴場」な場所や物件を見つけた上で、それが先々、だんだん誰にとっても受け入れられるようになりそうなもの、を選ばないといけない。
タイムマシンに乗って風景を描く
しかしそんな面倒な考え方をしたくない人は、まずは「好き」「しっくりくる」ということが幸せを生む、という基本に従っていいと思う。
「得するか」「穴場か」から考えるのではなく、やっぱりまずは自分の「欲しい」「好き」をしっかり見つめてみる。
それ自体が自分のニーズの特殊性そのものであり、それを選ぶ限り、本当の「おトク感」の重要な部分はクリアしているのだから。
そしてその上で、今の値段がそもそも一般的に見ても割安かどうかを確認し、それでも不安なら、その場所で心のタイムマシンに乗って15年後の風景を描き、「時間が立ってからも、自分にとって魅力があるだろうか、他の人にとってはどうだろう」と確認しておけばいい。
自分の家は自分に似合う方がいい。
人が気づかない魅力に自分が気づき感じれば、相手(物件)との関係はより幸せなものになる。それがきっと「似合う」ということなのだ。


